萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚154

2014-07-16 08:04:05 | 雑談寓話
写真だけでも夏休みっぽいものを、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚154

大晦日、新幹線に乗って親戚+友達に会いに行き、
まず親戚の家に顔出して食事に行ったら〆のジェラートに歯がズキっときて、

「いつも行く歯医者さんがあるのよ、お願いしたら診てくれるかも?ちょっと電話してみるわね、」

なんだってコンナとこまで来て歯医者なんだよ?
ってか歯医者は苦手嫌い注射と並んで大嫌いだから抵抗したんだけど結局は連行され、

「じゃあ頑張ってね、そこらで買い物してるから終わったら連絡してね、迎えに来るから、笑顔」

なんて伯母たちの笑顔で待合室に座らされ、
携帯の電源切ろう思ったら御曹司クンからメール入っていて、

Re :歯医者に連行されたとこ、マジ最悪、笑

って返信して電源落としながら逃亡したいな考えた、
でも伯母たちが常連なのに勝手したらマズイだろって座ってたら歯医者本人に呼ばれて診察が始まった、

「ご親戚だそうですね、遠くから来たそうですけど、東京?」

なんて質問から話しかけてきたマスクかけた笑顔は声がまだ若かった、
大晦日の午後で他に人もいない歯科医院+若い=跡取りで継いだヤツとかだろ思いながら答えた、

「家は神奈川です、保険証で東京って思いました?笑」
「はい、遊びに来て歯痛になったそうですね、じゃあ口開けて下さい、」

笑顔で話しかけ診てくれる、でも歯医者は歯医者=苦手な場所にいるわけで、

あー早く終わらないかな、凹

とか思ってるのに丁寧に診てくれて、
こいつ丁寧な性格なんだろな悪い奴じゃないんだろうけど早くしてくれ思ってたら言われた、

「昔に治療した所がすこし痛んでいます、被せてるのつけかえるから~中略~でも今日しか診察来られないですよね?」

ようするに・詰めたトコが虫歯になってる→ソレ詰め替えるのに日をまたぐのは出来ないよねって確認されて、
明日の夕方には帰る予定だしナニヨリ歯医者に通うとか嫌だったから笑顔で拒否った、

「はい、明日には帰るので通うのは無理です、笑」
「ですよね、じゃあ今日このままお時間もらえますか?すぐ型とって作っちゃいましょう、」

って笑顔で返されて結局そのまま歯科医院で過ごすことになり、
あー大晦日に何だって嫌いな場所にいなきゃないんだよ思ってたら笑われた、

「そんなアカラサマに嫌そうな顔しないで下さいよ?歯医者ホント嫌いなんですね、」

訳知りだよ?って笑顔で言われて、
たぶん伯母に先手打たれたんだろう思って訊いてみた、

「伯母から歯医者嫌いだから逃亡注意とか言われました?笑」
「はい、お電話頂いたときに。迎えに行くまで外に出すなって仰られて、」

答えてくれるマスクの笑顔は目だけでもスゴイ笑ってるのが解かる、
ドンダケ面白がられてる+伯母は何言ったんだろ思ってたら言ってくれた、

「被せもの作るのに時間すこし掛かるんですけど、待ってる間の時間潰しは持っていますか?」

ちょっと食事に行くだけのつもりだったから鞄持ってない、
だから持ち歩いてる文庫本もその時なくて、携帯も使えないだろうから訊いてみた、

「携帯しか持ってないんですよね、本とか貸してもらえると嬉しいんですけど、」

そしたら一冊持ってきてくれたんだけど自分が普段読まないタイプの本だった、
この手のアンマリ読まないんだけどな思いながら受けとって、そしたら言われた、

「私物なんですけど、好み合いそうですか?」

好みとは言えないなー、笑

でも普段読まないジャンルでも開いて見るのは面白い、
それに私物から選んでくれたのなら彼のおススメなんだろう?
正直あまり面白そうじゃないけど先ず読んでみよう思いながら笑顔で答えた、

「マニュアル系ってアンマリ読まないんです、イイ機会だからお借りしますね、笑」

って言ったら歯科医先生うれしそうに笑って、
で、向うはアッチでなにやら始めたから自分も本に没頭することにした。

あんまり頭使わないで読めるな手軽だなー、

思いながら読んでたらページの進むの早くて、
ほぼ読み終わった頃に治療再開して全行程が終ると訊かれた、

「もう読み終わったみたいですね、面白かったですか?」

読むの速い=面白いって思われている。
でもこの等号はホントは成り立たない、で、そんな面白くは無かった、笑
それでもソレナリ楽しめた部分はあったから正直そのまんま答えた、

「懐かしいなってトコが幾つかありましたよ?笑」
「ん、なつかしい?」

どういう意味だろう教えてほしいな?
そんな目が訊いてくるから笑って答えた、

「中国や日本の故事を応用した話が載ってたんです、マニュアル本って昔からあるんで、笑」

って言ったら興味あるなって顔をして、会計しながら訊いてくれた。

「故事の応用っていうのは引用例でみてますけど、マニュアル本って昔もあるんですね?」

どんなものがあるんだろう?
そんな好奇心は目だけでも解かるから多分知ってるだろうアタリを言ってみた、

「ありますよ、『孫子』とか『葉隠』なんか聴いたことないですか?笑」
「名前だけならあります、でも古典って敷居が高くないですか?」
「イマドキに訳したのとか読みやすいのありますよ、『風姿花伝』はあまり無いですけど、」
「それ初めて聴きます、どんなのですか?」
「能楽のマニュアルっていうかバイブルです、身ごなしから考え方の指南本ってカンジですけど剣道から帝王学にまで応用できるって言われてます、笑」
「なんか面白そうですね、買って読んでみようかな、」

なんて会話しながら会計も済んで、
そしたら伯母たちが迎えに来てくれた、

「先生、大晦日なのにありがとうございました。このヒト逃げたりしませんでした?笑」
「いい患者さんでしたよ、本のこと教えてくれたし、笑顔」

ってカンジの会話かわされて後とりあえず伯母たちの家に戻り、
お茶飲んだら約束の時間に近くなったから荷物もって出た、

「お友達によろしくね、いい御年を、」
「はい、伯父さんと伯母さんもいい御年を、また明日顔出します、笑」

と明日=元旦の約束して駅まで送ってもらい、
待合せ場所の本屋で文庫本を見てたらイキナリ声かけられた、

「こんばんわ、さっきはどうも?笑顔」

こいつ誰だっけ?

って思って男の顔よく見たら目許に見覚えがある、
もしかしてそうかなー思ってたら笑って言われた、

「さっきの歯医者です、教えてもらった本を見に来たんですよ?笑顔」

やっぱりそうだった、笑
こっち来て同世代の知り合いはこれから会う友達しかいない、
そんな消去法で見つけた解答の相手は伯母の言ってた通りだから笑った、

「そうですか、ホント真面目なんですね?笑」
「あ、伯母さまにナンカ言われました?」

なんて会話から始まって、で、本を一緒に見ることになり、
さっき話した葉隠やら花伝書やらの読みやすいヤツ開きながら話して、で、思った、

こいつナントナク御曹司クンと似てるな?

顔は全く似ていない、御曹司クンはカワイイ系だけど歯科医クンはどっちかいうと美形、だけど空気が似ていた。
後継ぎお坊ちゃんぽい器用×傲慢×臆病=お人好し甘ちゃん系、物質的不自由ない育ちのソレなりモテるヤツの雰囲気。
やたら人当りの良いカンジの笑顔+初対面なのにナゼだか懐っこく来る、そういう仮面笑顔と裏腹の懐っこいトコも似ていた。

なんでココまで来て似たヤツがいるんだろ?笑

とか考えながらも本の話は割と楽しかった、
で、待合せ時間すこし過ぎたころ友達がやってきて笑った、

「あれ?なんで二人一緒なんだ、どういうこと?」

どういうこと?ってコッチが訊きたいんだけど、笑




とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
第77話「結氷10」加筆もう少しします、会話短篇Short Scene Talk「ふたり暮らしact.56」昨夜UPしました。
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朝に取り急ぎ、



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