Nor all that is at enmity with joy 感情、その連携
第81話 凍歌 act.5-another,side story「陽はまた昇る」
水仙は佳く香る、だから雪中にも花すぐ解かる。
そして酒席へ置かれても馥郁あざやかにくゆらせる。
あまくて、そのくせ清々しい潔い香に友達が笑ってくれた。
「湯原くんの水仙、すごく佳い香ね?すごく香るのに邪魔にならなくて、なんか懐かしい感じする、」
花は香り高すぎると邪魔な時もある。
けれどこの水仙は違う、そして何か懐かしく周太は微笑んだ。
「僕も懐かしい匂いだなって想ってて…美代さんも懐かしいって想うんだ?」
「うん、よく知ってる香と似てるなって。なにかの花かな?」
きれいな明るい目が花を見つめて思案する。
こんなことも同じに感じてくれる笑顔が嬉しい、この共感に聡い声が訊いた。
「ふたりで共通に知ってるってさ、共通の場所とかの匂いもあるよな?人も匂いがあるけど、」
美代と共通の場所、それから人。
それなら答え一つしかなくて、心当たり声になった。
「あ、光一の匂いと似てるね?」
最後に会ってから何ヶ月になるだろう?
それでもメールはくれる懐かしい俤を隣も笑った。
「ほんとだ、これ光ちゃんの香と似てるね?お正月も会ったのに気がつかなかったな、」
「光一、元気だった?年賀状はもらったけど、」
訊きながら年賀状を想いだしてしまう。
きれいな花の絵が描いてあった、あの多才な山っ子を友達は笑った。
「元気だったよ?相変わらずって感じだけど、ちょっと大人っぽくなった気がする、」
それは大人っぽくもなるだろう、だって「小隊長」だ?
―光一も幹部候補なんだよね、高卒なのに…すごいな、
高卒任官、それでも23歳で警部補になり24歳で小隊長に就いた。
その学歴と年齢では異例になる昇進、そんな有能まぶしい幼馴染を澄んだアルトがなぞった。
『大切な人の香だからよ?』
そう花屋の主人は言った、それは自分と美代と同じ感覚だろう?
こんな「同じ」にまた何か温かで、そして気恥ずかしくて首すじ熱くなる。
―僕ちょっとへんだよね、こんなに思い出してばかり…由希さんのこと、
由希の花屋に通って一年、そのたび何度も嬉しかった。
そして通うたび嬉しくなる、それは温かな時間で花の想いが重ならす。
こんなふう花から逢える相手は自分にとって、自覚しているより大切なのかもしれない。
だって今、この水仙の香に幼馴染よりも彼女のこと本当は考えていた。
「…、」
ほら、言葉にならないまま恥ずかしい。
そして恥ずかしい分だけ罪悪感がせめぎだす、だって裏切るみたいで嫌だ。
―英二じゃない人をこんなに考えてるなんて変…光一や美代さんとも違う、賢弥とも伊達さんとも違うしお母さんとも、
あの人を想う、それ以外にも友達や先輩を考える時間だってある。
母を考えることも当り前に多い、だって独り暮らしの母が心配でたまらない。
今も本当は仕事が忙しそうな様子に心配で、けれどこの想いと水仙の贈り主は違くて途惑ってしまう。
これも祖母と父の手紙のせいだろうか?
「おーい周太、どうした?具合でも悪い?」
ぽんっ、
前から肩叩かれて瞬いた視界、テーブルにグラスと料理が並んでいる。
今ずっと考えごと沈んでいた、また迂闊な集中に気恥ずかしくて微笑んだ。
「ごめん賢弥、ちょっと考えごとしてた、」
「周太はホント集中するよな、でさ?メールに書いてあった手紙ってなに?」
朗らかなトーン訊いてくれる、その言葉に想いだす。
もう二人にはメールで投げかけてある、訊いてみたくてダッフルコートのポケット探った。
「あのね、これなんだけど…」
ポケットから文庫本ひき出してページを開く。
そこに挟んできた白い封筒に可愛い声が微笑んだ。
「きれいな封筒ね、透かし模様はバラかな?」
「ん、そうだよ…僕の家に咲いてるバラと同じらしくて、」
応えながら嬉しくて、嬉しい分だけ鼓動そっと軋みだす。
この手紙は地織模様から幸せにしてくれる、だからこそ責められる想いごと便箋を披いた。
「これね、僕のお祖母さんの手紙なんだ…お元日に僕の机から出てきて、」
差出して、優しい手が受けとってくれる。
きれいな明るい瞳まっすぐ見つめて読む、その眼差しに鼓動が肚底で響く。
―お祖母さんの気持ちを教えてほしいんだ、僕と英二のこと知ってる美代さんに…叱るなら叱ってほしくて、
自分が男性と将来を約束してしまったこと。
それを彼女は知っている、それでも自分と親友でいたいと笑ってくれる。
その想いは得難い真実なのだと解かるから、だから祖母の願いを手紙から見つめて教えてほしい。
“君のお父さんを、私の caelum を抱いている私です。そこには君も抱きしめています、何故って君は馨さんを通して私の遺伝子と夢を継ぐのだから。”
この一文に祖母が何を願うのか?
それを女性である美代に教えてほしい、そして示してほしい。
そう願うまま箸を動かし待っているテーブル越し、聡い瞳が眼鏡から笑った。
「正月に周太の机から出てきたって、きっとお祖母さんからの年賀状だな?」
「うん、母と大叔母もそう言ってくれたよ?僕も嬉しくて…思いがけないプレゼントで、」
素直に微笑んで元日のよろこびが温かい。
この手紙を母も嬉しそうに読んでくれた、あの笑顔は嘘じゃない。
けれど母はこの一文をどんな想いで読んだろう?知りたいけれど笑顔を崩すことが怖い。
―お母さんも本当は孫を見たいよね、お祖母さんと同じに、
まだ赤ん坊だった父に孫の自分を見てくれた、そんな祖母の想いは母も同じ。
それなら何が後悔しない選択なのか?その答に引導渡してほしい自分は臆病だ。
―ごめんなさい英二、本当は僕ずっと解ってたのに…でもあなたが好きで、
あなたが好き、唯ひとり想っている。
どんなに迷っても最後はあなたを選んでしまう、だから気がつかないフリしていたかった。
それでも祖母の手紙に思い知らされる、こんなにも自分は家が家族が愛しくて、だから結局あなたを選べない。
そう解っている、もう忘れた方が良いと解っている、それなのに今だって友達と話していても連想はあなただ。
「それでな周太、青木先生けっきょく田嶋先生と飲み競争になって大変だったんだ、」
「田嶋先生ってお酒強そうだものね…賢弥はどうしてたの?」
英二もお酒強いんだよね、日本酒もワインもビールも好き。
「俺はカウント係だよ、負けた方の介抱係も兼任で、」
「介抱係って大変そうだね、皆もいるんだろうけど、」
英二に介抱してもらったことあったな、あれは去年のバレンタインだ。
「そう想うだろ?でも皆もノリで飲んじゃって全員が酔っぱらいでさ…周太?大丈夫か、」
あれ、いま「大丈夫か」って僕のこと?
「ん…僕は酔っぱらってないよ?」
だってまだグラス一杯も空けていない、アルコール低いカクテル3口ほど。
それなのに「大丈夫か」が不思議で笑いかけた頬を、そっと温もり一滴こぼれた。
「あ…?」
あれ、いま僕は泣いているの?
「ほら周太、」
笑いかけて新しいおしぼり差出してくれる。
素直に受けとって、ひろげて顔ぱっと被せて溜息こぼれた。
―あったかい、
肌ふれるコットンが温かい。
こんなふう支えられている自分だから今も解らない。
だって同性の恋愛なんて何が生めるのだろう、本当は誰にも祝福なんてされないのに?
―それを僕は本当は解ってるんだ、だから今も由希さんのこと考えて、
貴重だから君にあげたいのよ、花好きな人に大事にしてほしいもの。
そう由希に言われて嬉しかった、特別扱いしてもらえる幸せが嬉しい。
だから贈られた水仙が嬉しくて、そんな彼女に逃げこんでしまいたいと想っている。
だから今だって花屋の時間を考え続けて、それでも忘れられない唯ひとつの笑顔は自分の我儘だ。
英二、僕はあなたを好きで赦される?
「湯原くん、ここ読んで?」
とん、
優しい声が笑いかけて肩そっと敲く。
おしぼりに涙も止まった、ほっと息吐いて顔露わし微笑んだ。
「ん…美代さん、どこ?」
「ここよ?」
華奢な指が白い便箋の一文を示す。
ブルーブラックの筆跡は優しい、その言葉が心ふれた。
“家族は血の繋がりだけではありません、心が結ばれたなら幸福な家族です。”
祖母はこの一文、どんな想いに綴ったのか。
あらためて見つめるまま優しい声が笑いかけた。
「湯原くんのお祖母さん、ほんとに魔法使いかもしれないね?ちゃんと解ってるもの、」
なにを「ちゃんと解かってる」のか、なんて彼女に訊く必要はない。
だって解って言ってくれている、そしてまだ言えない真実と笑いかけた。
「そうだね…解ってるね、ありがとう美代さん、」
美代さん、本当は僕と英二は少しだけど血が繋がってるよ?
そう言えるのはいつだろう、いつか言える日が来たら驚かれるだろうか?
そのとき手紙また読んだなら何て言ってくれるのだろう、祖母の想いまた見えるだろうか?
“何年先になるか解からなくても必ず届く魔法で贈ります。この魔法は叶っているはずです、何故って今こうして君は読んでいるでしょう?”
それならお祖母さん、僕は今夜あのひとに電話して良いかな?
まだ何ひとつ解らないままでも。
【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】
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第81話 凍歌 act.5-another,side story「陽はまた昇る」
水仙は佳く香る、だから雪中にも花すぐ解かる。
そして酒席へ置かれても馥郁あざやかにくゆらせる。
あまくて、そのくせ清々しい潔い香に友達が笑ってくれた。
「湯原くんの水仙、すごく佳い香ね?すごく香るのに邪魔にならなくて、なんか懐かしい感じする、」
花は香り高すぎると邪魔な時もある。
けれどこの水仙は違う、そして何か懐かしく周太は微笑んだ。
「僕も懐かしい匂いだなって想ってて…美代さんも懐かしいって想うんだ?」
「うん、よく知ってる香と似てるなって。なにかの花かな?」
きれいな明るい目が花を見つめて思案する。
こんなことも同じに感じてくれる笑顔が嬉しい、この共感に聡い声が訊いた。
「ふたりで共通に知ってるってさ、共通の場所とかの匂いもあるよな?人も匂いがあるけど、」
美代と共通の場所、それから人。
それなら答え一つしかなくて、心当たり声になった。
「あ、光一の匂いと似てるね?」
最後に会ってから何ヶ月になるだろう?
それでもメールはくれる懐かしい俤を隣も笑った。
「ほんとだ、これ光ちゃんの香と似てるね?お正月も会ったのに気がつかなかったな、」
「光一、元気だった?年賀状はもらったけど、」
訊きながら年賀状を想いだしてしまう。
きれいな花の絵が描いてあった、あの多才な山っ子を友達は笑った。
「元気だったよ?相変わらずって感じだけど、ちょっと大人っぽくなった気がする、」
それは大人っぽくもなるだろう、だって「小隊長」だ?
―光一も幹部候補なんだよね、高卒なのに…すごいな、
高卒任官、それでも23歳で警部補になり24歳で小隊長に就いた。
その学歴と年齢では異例になる昇進、そんな有能まぶしい幼馴染を澄んだアルトがなぞった。
『大切な人の香だからよ?』
そう花屋の主人は言った、それは自分と美代と同じ感覚だろう?
こんな「同じ」にまた何か温かで、そして気恥ずかしくて首すじ熱くなる。
―僕ちょっとへんだよね、こんなに思い出してばかり…由希さんのこと、
由希の花屋に通って一年、そのたび何度も嬉しかった。
そして通うたび嬉しくなる、それは温かな時間で花の想いが重ならす。
こんなふう花から逢える相手は自分にとって、自覚しているより大切なのかもしれない。
だって今、この水仙の香に幼馴染よりも彼女のこと本当は考えていた。
「…、」
ほら、言葉にならないまま恥ずかしい。
そして恥ずかしい分だけ罪悪感がせめぎだす、だって裏切るみたいで嫌だ。
―英二じゃない人をこんなに考えてるなんて変…光一や美代さんとも違う、賢弥とも伊達さんとも違うしお母さんとも、
あの人を想う、それ以外にも友達や先輩を考える時間だってある。
母を考えることも当り前に多い、だって独り暮らしの母が心配でたまらない。
今も本当は仕事が忙しそうな様子に心配で、けれどこの想いと水仙の贈り主は違くて途惑ってしまう。
これも祖母と父の手紙のせいだろうか?
「おーい周太、どうした?具合でも悪い?」
ぽんっ、
前から肩叩かれて瞬いた視界、テーブルにグラスと料理が並んでいる。
今ずっと考えごと沈んでいた、また迂闊な集中に気恥ずかしくて微笑んだ。
「ごめん賢弥、ちょっと考えごとしてた、」
「周太はホント集中するよな、でさ?メールに書いてあった手紙ってなに?」
朗らかなトーン訊いてくれる、その言葉に想いだす。
もう二人にはメールで投げかけてある、訊いてみたくてダッフルコートのポケット探った。
「あのね、これなんだけど…」
ポケットから文庫本ひき出してページを開く。
そこに挟んできた白い封筒に可愛い声が微笑んだ。
「きれいな封筒ね、透かし模様はバラかな?」
「ん、そうだよ…僕の家に咲いてるバラと同じらしくて、」
応えながら嬉しくて、嬉しい分だけ鼓動そっと軋みだす。
この手紙は地織模様から幸せにしてくれる、だからこそ責められる想いごと便箋を披いた。
「これね、僕のお祖母さんの手紙なんだ…お元日に僕の机から出てきて、」
差出して、優しい手が受けとってくれる。
きれいな明るい瞳まっすぐ見つめて読む、その眼差しに鼓動が肚底で響く。
―お祖母さんの気持ちを教えてほしいんだ、僕と英二のこと知ってる美代さんに…叱るなら叱ってほしくて、
自分が男性と将来を約束してしまったこと。
それを彼女は知っている、それでも自分と親友でいたいと笑ってくれる。
その想いは得難い真実なのだと解かるから、だから祖母の願いを手紙から見つめて教えてほしい。
“君のお父さんを、私の caelum を抱いている私です。そこには君も抱きしめています、何故って君は馨さんを通して私の遺伝子と夢を継ぐのだから。”
この一文に祖母が何を願うのか?
それを女性である美代に教えてほしい、そして示してほしい。
そう願うまま箸を動かし待っているテーブル越し、聡い瞳が眼鏡から笑った。
「正月に周太の机から出てきたって、きっとお祖母さんからの年賀状だな?」
「うん、母と大叔母もそう言ってくれたよ?僕も嬉しくて…思いがけないプレゼントで、」
素直に微笑んで元日のよろこびが温かい。
この手紙を母も嬉しそうに読んでくれた、あの笑顔は嘘じゃない。
けれど母はこの一文をどんな想いで読んだろう?知りたいけれど笑顔を崩すことが怖い。
―お母さんも本当は孫を見たいよね、お祖母さんと同じに、
まだ赤ん坊だった父に孫の自分を見てくれた、そんな祖母の想いは母も同じ。
それなら何が後悔しない選択なのか?その答に引導渡してほしい自分は臆病だ。
―ごめんなさい英二、本当は僕ずっと解ってたのに…でもあなたが好きで、
あなたが好き、唯ひとり想っている。
どんなに迷っても最後はあなたを選んでしまう、だから気がつかないフリしていたかった。
それでも祖母の手紙に思い知らされる、こんなにも自分は家が家族が愛しくて、だから結局あなたを選べない。
そう解っている、もう忘れた方が良いと解っている、それなのに今だって友達と話していても連想はあなただ。
「それでな周太、青木先生けっきょく田嶋先生と飲み競争になって大変だったんだ、」
「田嶋先生ってお酒強そうだものね…賢弥はどうしてたの?」
英二もお酒強いんだよね、日本酒もワインもビールも好き。
「俺はカウント係だよ、負けた方の介抱係も兼任で、」
「介抱係って大変そうだね、皆もいるんだろうけど、」
英二に介抱してもらったことあったな、あれは去年のバレンタインだ。
「そう想うだろ?でも皆もノリで飲んじゃって全員が酔っぱらいでさ…周太?大丈夫か、」
あれ、いま「大丈夫か」って僕のこと?
「ん…僕は酔っぱらってないよ?」
だってまだグラス一杯も空けていない、アルコール低いカクテル3口ほど。
それなのに「大丈夫か」が不思議で笑いかけた頬を、そっと温もり一滴こぼれた。
「あ…?」
あれ、いま僕は泣いているの?
「ほら周太、」
笑いかけて新しいおしぼり差出してくれる。
素直に受けとって、ひろげて顔ぱっと被せて溜息こぼれた。
―あったかい、
肌ふれるコットンが温かい。
こんなふう支えられている自分だから今も解らない。
だって同性の恋愛なんて何が生めるのだろう、本当は誰にも祝福なんてされないのに?
―それを僕は本当は解ってるんだ、だから今も由希さんのこと考えて、
貴重だから君にあげたいのよ、花好きな人に大事にしてほしいもの。
そう由希に言われて嬉しかった、特別扱いしてもらえる幸せが嬉しい。
だから贈られた水仙が嬉しくて、そんな彼女に逃げこんでしまいたいと想っている。
だから今だって花屋の時間を考え続けて、それでも忘れられない唯ひとつの笑顔は自分の我儘だ。
英二、僕はあなたを好きで赦される?
「湯原くん、ここ読んで?」
とん、
優しい声が笑いかけて肩そっと敲く。
おしぼりに涙も止まった、ほっと息吐いて顔露わし微笑んだ。
「ん…美代さん、どこ?」
「ここよ?」
華奢な指が白い便箋の一文を示す。
ブルーブラックの筆跡は優しい、その言葉が心ふれた。
“家族は血の繋がりだけではありません、心が結ばれたなら幸福な家族です。”
祖母はこの一文、どんな想いに綴ったのか。
あらためて見つめるまま優しい声が笑いかけた。
「湯原くんのお祖母さん、ほんとに魔法使いかもしれないね?ちゃんと解ってるもの、」
なにを「ちゃんと解かってる」のか、なんて彼女に訊く必要はない。
だって解って言ってくれている、そしてまだ言えない真実と笑いかけた。
「そうだね…解ってるね、ありがとう美代さん、」
美代さん、本当は僕と英二は少しだけど血が繋がってるよ?
そう言えるのはいつだろう、いつか言える日が来たら驚かれるだろうか?
そのとき手紙また読んだなら何て言ってくれるのだろう、祖母の想いまた見えるだろうか?
“何年先になるか解からなくても必ず届く魔法で贈ります。この魔法は叶っているはずです、何故って今こうして君は読んでいるでしょう?”
それならお祖母さん、僕は今夜あのひとに電話して良いかな?
まだ何ひとつ解らないままでも。
【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】
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