萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:落陽の花

2014-05-21 23:24:07 | 写真:山岳点景
陽長の花



山岳点景:落陽の花

日没時、雛罌粟の花畑で撮りました。

白から薄桃、グラデーション、赤、いろんな色どれも綺麗で、
だけどヒナゲシなら赤色がいちばん惹かれます、赤が好きって自分的には珍しいんですけど、笑

5月の風景 4ブログトーナメント



久しぶりの不定期連載「Eventually Comes True May.2012 act.16」読み直し校正したら校了です。
Aesculapious「Saturnus 予祝の刻 act.3」校了しています、四十九日に明広と向き合う雅樹です。
このあと雑談ぽいやつまた掲載しようかなって考えています、

取り急ぎ、



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚98

2014-05-21 04:47:02 | 雑談寓話
日付け変わる頃の予定が朝になりました、
昨日は疲れてたらしく風呂すんだまま寝ちゃってコンナカンジです、笑
この雑談ぽいのも楽しんでもらえたら嬉しいです、バナー押して下さった方に感謝こめて、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚98

同僚御曹司クンと深夜電話のまま明方に眠りこんで寝坊しまくって、
ちょっと風邪気味で寝転がってるとこに暫定恋人から電話が着て、

昨日のこと怒ってないよ←コッチは気分悪いよ?
結婚式二次会に迎え来て←昨日アンダケ気分悪くさせたの解らないんだ?
明日は買物に付きあって←具合悪いってときに鈍感だなコイツもう無理だ終了、

ってカンジになり、

「明日は買物デートってドンダケこっちの体調とか考えてないワケ?ほんと自分のコト好きでもナンデも無いよね、そういうの無理だから他あたって?」

なんてカンジに自分は言って、
もう今これで終われば良いなって思った通りに言われたのは、

「…もういいっ、」

不貞腐れたってカンジに一方的に電話は切れて、縁も切れたなって思った。
こういう感情的な一方通行タイプは好きになれない、こんだけ勝手に終了できるなら最初から気づけば?って思うから。
だってホントに好きならコウイウ捨て台詞なんか出てこない、「もういい」=自己中心的な妄想恋愛に多い台詞だって解かるから呆れた、

それでも幾らか寂しいなって想えたアタリ、自分はまだ欠落しきってないのかもしれない?
なんてこと考えていたら出掛けたくなって、そんな想い転がってるベッドでメール受信して、

From:御曹司クン
本文:おはよー今起きた、寝坊だよ(顔文字困り笑顔)
   今からって何しようって時間だけどさ、そっちも寝坊とかしてたりして(顔文字笑顔)

Re :寝坊してたら電話きて終わったとこ、晩ゴハン一緒出来る?

なんて返信して、即、返信が着た、

Re2:どこでも何時でも行く(顔文字笑顔)

なんだかホント健気だよね?笑
なんて感想がこのとき妙に嬉しくて少し考えて返信した、

Re3:桜木町なら何時に来れる?

Re4:今すぐ出れば15時でも行けるよ(顔文字笑顔)

Re5:17時に桜木町のJR改札で、

Re6:なんだよー2時間も待てかよ(顔文字泣顔)
   でも会えるの嬉しーおまえから誘いって嬉しい(顔文字笑顔)

なんて遣り取りして、
なんとなく熱っぽくて怠いから一眠りして、起きて熱いコーヒー飲んで、
まだ時間は早かったけど支度して窓のカーテン閉めようとしたら雨降っていた、

いつの間に降りだしたんだろ?

そんなこと考えながら悪かったかなって思った、
雨の日しかも連休中日にイキナリ夕方から呼びだした、そういうサプライズってどうなんだろう?
それでも顔文字笑顔で喜んでくれた御曹司クンの想いを考えると今、ほんとは酷いことしてるのかもしれない。

雨で、夕方からで、それでも良いのかな?

なんて考えながら駅まで歩いて、電車に乗って、
そのまま思いついて暫定恋人の地元まで行ってみた、

とりあえず自分からは礼儀を通したいな?

って発想だった、そこに恋愛感情とか未練は無かった、
元から恋愛感情なんか無い相手、それでも幾らかの時間を一緒した感謝が皆無ってワケじゃない。
それなり楽しい時間もあった、けれど「それなり」ホントの大切な時間だったと思えないから記憶ほとんど無い。

ほんと何も得ること無かったな、笑

なんて感想と歩きながら雨降りで良かったなって思った、
雨なら傘をさしているから顔も解り難い、その方が向こうの知り合いに気づかれない、
そういうシガラミからメンドクサク思ってしまっているあたり終わっている、そんな自覚とムコウの家が見えるとこに着いた。
で、とりあえず電話してみた、たぶん出ないだろうって解ってるから。

きっと今ごろ拗ね切って無視してくる、
昨日は「怒らないであげた」そして今日は「電話してあげた」それを邪慳にされたって怒ってるだろう?
その邪慳にされた意味を解ろうとしない、そういう子供だってコト解かってるから電話して、やっぱり出なかった。

もし出てくれていたら少し考え直せたんだけどな?

なんて想いながら携帯電話しまって駅へ戻って、
雨を歩きながらこの街に来ることって二度とないだろなって思った、
ムコウから連絡来たら一度は会うかもしれない、でもソレが最後〆で終わりだろうから。

たぶん付合った人の中でいちばん意味も想いも薄い相手、

なんて言ったら失礼だろうけど本心ソレで、
ガキンチョ丸出し妄想恋愛に付合っちゃったなっていうのが正直な気持ちでいる、
それでも自分が素っ気なかった自覚はある、話す時間が増える分だけ「つまらない相手」って想えて一緒に居たくなかったから。

そういう態度が余計に相手をガキンチョにさせたのかもしれない?

なんていう反省もそれなりあって、だから家の前まで行ってみた、
もし電話に出てくれる素直があるなら少しは「好き」だと想える?そんな可能性も少しあった、
少しは好きだって想ってすぐ顔見たら、もう少し一緒に時間を過ごしてみようと思えるかもしれない?なんてカンジの期待、笑

あんだけ自分の想いハッキリ伝えて怒らせて、それでも理解して会いに出て来てくれるなら今度こそ好きになるかもしれない?

なんていう期待ちょっとあったんだけど、やっぱり無理なガキンチョサマだった、笑
見てくれは服や髪に気を遣ってオシャレしまくって大人に見せてるヒトだった、でも結局のトコ大人の気遣い皆無なガキンチョ。
友達らの輪にぶっこんでキスだなんだと配慮一つ無い、体調悪いの気遣うコトも出来ない、なによりコッチがツマラナイ思ってるの気づけない、
結局のトコ自分のコト何も見ていない相手なんだろなって最初から思ってはいたけど、やっぱりなって言動結果に少しあった期待も空っぽになった、

こういう期待も自分勝手なんだろなっては思うけどキツイこと超えないとホントの「好き」になんて成れない、
そういうのお互いに出来る相手なら一緒に未来も考えられる、だけど一方的に「もういい」なんて切る相手を信用するなんて無理、
だって人間はホント別れたくなくたって無理矢理に切られて別れさせられることもある、そういう時限を解らない子供には本気になれない、

無駄足したな、でも良い経験になるかな?笑

なんて考えながら電車に乗って、
桜木町に着いて、好きな本屋に行って本買って、
時間になって改札口に行ったら御曹司クンが待っていてくれた、

「わー…マジで来てくれたんだ?嬉しー、笑」

なんて笑ってくれたんだけど、
その台詞なんか可笑しくって笑った、

「来ないと思ってたワケ?笑」
「だって休日に誘ってくれるとか意外じゃん、でも来てくれたなー笑」

とか言いながら笑ってくれる貌はホント嬉しそうで、
そんな貌見ていたら少し前のこと思ったまま言った、

「こういう貌してくれたらね?笑」

もし電話に出てくれて、こういう貌で家から出て来てくれてたら?

そしたら少し信じることも出来た、そして好きになれたかもしれない。
それでも忘れられない相手がいる自分は結局は本気で想うなんて出来なかった?
そんなこと考えながら改札口の雑踏のなか突っ立ってたら御曹司クンが笑ってくれた。

「こういう貌だよ俺は、おまえと逢えて嬉しいからさー照×笑」

なんか可愛いこと言うじゃん?笑

なんて想って可笑しくて笑いたくなって、
そのまま素直に笑ったら御曹司クンご機嫌で言った、

「飯なに食いに行く?今日って俺まだ何にも食ってないんだー、今なんでも旨いってなれるし、おまえの好きなモンでいいよ?笑」

たぶんホントに何も食べていないんだろう?
それでも言ってくれてる台詞は気遣いが優しかった、
だから何か気づいているって思って、だからこそSってみた、

「エスニックが食べたいかも、近くに良い店あるんだけど、おまえ嫌いだったよね?笑」

確かコレだけは嫌いだったよね?笑
だから選んで笑ったら御曹司クン拗ねながらも言った、

「い…いいよエスニックでもパクチー外せばいけるとおもうし、おまえの好きな店なら旨いかもしれないし、さー拗」
「ふうん?ソンナに行きたいなら行ってもイイよ、ほんとはダイニングバー行こう思ってたけどさ?笑」
「っ、またからかったろホントおまえSだっ、拗」

なんて会話しながら駅を出たら雨は上がっていた、


こんな感じだけどトリアエズUPします、
今日は昼ごろAesculapius掲載する予定です、たぶん校了版でUPかなと。

取り急ぎ、




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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚97

2014-05-20 00:10:09 | 雑談寓話
昨日ちょっとだけ書くつもりが割と書いてしまい、
おかげで今日は眠いです、でも加筆校正3つ終えてスッキリでもあり、笑
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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚97

同僚御曹司クンと深夜電話のまま明方に眠りこんで朝、
寝坊しまくって挙句ちょっと風邪気味になっていた、
で、連休だし一日のんびり寝て過ごすと決めて、

寝坊の二度寝しようってベッド転がったまま文庫本ちょっと読んで、寝て、
朝昼兼食事に起きて簡単なもん作って食べて、
また寝転んで本開いて、

そして暫定恋人から電話が来た、

「やっと繋がったー昨日はノリ悪かったね?でも怒ってないから、笑顔」

ノリどころか気分も悪いんだけど?笑

なんて想ってしまうアタリもう終わっていた、
昨夜の祭であった食い違いは大きすぎて、もう無理だとしか思えなくて、
そして昨夜から今朝まで繋げていた電話の会話にも今この電話が疎ましくなってた。

そんな付き合い方とかすんなよバカっマジ馬鹿っだオマエばかだっ

ってカンジのこと御曹司クンに言われて、
ホントにそうだなって改めて自分で想って、だから今も電話を辞めたいって想ってた、
どうしたら辞めることが出来るんだろう?そのバッサリ後腐れ無い遣り方を考えながら正直に言った。

「そっちは怒って無くても自分は気分悪いから、笑」
「え?」

なに言ってるんだろう?
そんな思考停止は「え?」だけで伝わって、やっぱり跳ばされた。

「ね、今なにしてるとこ?笑顔」
「具合悪くて寝てる、」

あっさり正直に答えて文庫本に戻って、
電話つないだままだったけど読みだした、

「えー具合悪いってどうしたの?」
「うん、」
「うん、って何?」
「さっき言った、」

さっき言っただろ気分悪いってさ?
そんな答え省略したら暫定恋人は言ってきた、

「あ、気分悪いって具合が悪かったんだ?大丈夫?」

どっちも悪いんだけど今?

なんて回答を内心に言いながら、
答えるのもメンドクサくなってる自覚しながら答えた、

「寝れば大丈夫、」

たぶん祭→飲み会で精神疲労したのがホントの原因、
そこに徹夜電話したから精神疲労×寝不足の相乗効果だろう?
だけど電話してなかったらモット気分最悪だったかもしれない、そんなこと考えてる間も話は勝手に続いていた、

「ねー明日って一緒に出掛けようよ?笑顔」

おい具合悪いって言ってんのにナンだこいつ?

「どこ行きたいワケ?」
「買い物行きたいんだよね、服が買いたくて、」

だったら一人で行けばいいじゃん?

「何の服?」
「結婚式に着ていく服だよ、一緒に選んで?笑顔」

嫌だよ?

「誰が結婚するの?」
「友達、大学と高校が一緒だった友達なんだけど新郎新婦とも友達なんだー同じ学校だったし、笑顔」

あ、なんか嫌なパターンだな?

「昨日も一緒に飲んだとき話してたでしょ?結婚するんだって、笑顔」

あーなんかそんなこと言ってたなヤッパリ嫌なパターンっぽい、

「二次会の後に迎え来てよ?せっかくドレスアップするし、笑顔」

嫌だよメンドクサイ、

「それっていつ?」
「再来週の土曜だよ、だから明日には着ていくもの揃えたいから、買物デートでいいよね?笑顔」

具合悪いって言ってる相手に何言ってんだコイツ?

「無理、笑」

ほんと無理だ、もう無理、笑
そんな正直なまま言った電話ごし、また思考停止された、

「え?」
「ごめん、買物とか無理、笑」

向うは思考停止する、でも退くツモリもう無いまま言った、

「買物とかって歩きまわされるよね、それに具合悪い人間を連れ回そうとかってなに考えてんだよ?なんかの嫌がらせ?笑」

ほんと嫌がらせとしか思えない、
好きだから一緒に居たいとかあるのかもしれない、
でも本当に好きな相手にする提案じゃない、もう信頼欠片も無いまま言った、

「結婚式が近いから買物も明日したいんだろうけどさ、でもホント好きな相手なら具合悪いとき無理に連れてこうとかしない、ゆっくり寝てろって言うよ?
なのに明日は買物デートってドンダケこっちの体調とか考えてないワケ?ほんと自分のコト好きでもナンデも無いよね、そういうの無理だから他あたって?」

こういう相手だろなってドッカ解かってはいた、
だからこそ好きでもないのに付合うって選択もアリだと思った、鈍感な相手だから。
これだけホントに好かれている訳じゃないなら逆に遠慮なんかいらない、そういう意味での気楽さが頷いた本音だった。

でも今これで終われば良い、そんな考えと台詞に電話の声は言った。

「…もういいっ、」

不貞腐れた、そんな低い声が聞えて電話が切れた。

ホント一方的に電話を切ってくれた、
名目だけでも付き合ったならソレなり最後の言葉は交わす、ソレすら解からない。
そういう一方的なトコも相手の本気度合が解かるようで、やっぱり正解だったと可笑しかった。

ほんとガキンチョとは付き合うもんじゃないな?笑

社会人2年目、だけど別れの挨拶ひとつ結べない。
ただ感情任せに不貞腐れて電話を切って終わり、そういう一方通行が「らしい」なって可笑しくて、
どんなに「好き」だと言っていても本心はコウイウ時、最後の言葉に現われてしまうから、やっぱり終わらせて正解だった。

これで自由だな?

そんな感想にほっとして、それでも幾らかは少し寂しいなって想えた。
だから出掛けたくなって、そんな想い転がってるベッドでメール受信した。

From:御曹司クン
本文:おはよー今起きた、寝坊だよ(顔文字困り笑顔)
   今からって何しようって時間だけどさ、そっちも寝坊とかしてたりして(顔文字笑顔)

ホント他愛ない文章、
だけどこのとき妙に嬉しくて、なんか可笑しくて笑えて、
笑いながら指先うごかして返信一通、そのまま送ってみた、

Re :寝坊してたら電話が来て終わったとこ、晩ゴハン一緒出来る?



こんな感じだけどトリアエズUPします、
第76話+Aesuculapius+Savant 3つとも校了してます、
今日は加筆けっこう頑張ったカンジなんですけど、おかげで眠いです、笑

取り急ぎ、




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山岳点景:紫雲の森

2014-05-19 23:37:00 | 写真:山岳点景
紫、智慧の花



山岳点景:紫雲の森

山藤が咲くと春酣、散ると初夏。
そんな季節を告げる藤の花ですが、植物の英知が充ちています。



花の細長く複雑な形状は蜜を深く隠すため。
その蜜に誘われて虫が潜りこんでも脱出が出来ないとアウト、
で、後退りして花から出る時に花粉まとわりついて、その効率よく花粉は運ばれます。

この運搬者&蜜を与えられる虫は花蜂です、
こうした難しいテストで蜜の授受をする関係から藤は他の昆虫を受容れたがりません。
お互い以外の相手には興味が無い、一途で頑固な相思相愛関係=横恋慕お断りってカンジですね、笑



In the soothing thoughts that spring
Out of human suffering;
In the faith that looks through death,
In years that bring the philosophic mind.

春あふれだす柔らかな眼差しは
人の苦しみの時からこそ顕われる、
運命の涯を見つめる約束に、
理知の精神を歳月たちが連れてくる。

William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」引用抜粋&自訳

私の好きな花の写真ブログ 2回ブログトーナメント



Aesculapius「第4章 Saturnus 予祝の刻 act.2」校了しています、由希の進路をめぐる物語です。
第76話「霜雪5」校了、蒔田と宮田の疑惑と信頼めぐらす対話シーン@警視庁です。
Savant「Vol.6 Ridge 時の分嶺act.4」校了しました、馨と紀之の仲直り譚です。


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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚96

2014-05-19 01:14:10 | 雑談寓話
眠いです、だからちょっとだけど書きます、
加筆校正未済が2本あるままですが2連続で山行っちゃったのでお疲れですが、笑
ソンナお待たせ間にでも楽しんでもらえたら嬉しいです、バナー押して下さった方に感謝こめて、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚96

同僚御曹司クンとの深夜電話、言われたことが引っ掛る。

「自慢ネタにしたいのもあるんだろうけどさ、それ以上に自分のだって牽制したいんじゃね?好きだから周りに手出しされたくなくて、」

自分のだって牽制、とかって冗談じゃない、笑

暫定恋人の発言=独占発言なんだと御曹司クンは言った、
でも自分は独占されるなんて認めたことは一度もない、それでもソンナ想われるのは心外だ?
付き合うってコト=独占を認めるって場合も多いんだってコトくらい知っている、それでも嫌だったから笑った。

「あのヒトのモンになるなんて一度も言って無いよ?笑」

付合いたいって言われて、イイよって言った。
でも独占してイイなんて一度も言っていない、そんな告白に御曹司クンは訊いてきた。

「でも付合ってるんだろ?だったら自分の恋人だから触るなって言いたいってば、」
「ただ付合ってるダケでソコまで言われるって変だろ?なんも無いのに、笑」
「だって付き合うってそういうコトだろ?おまえ違うのかよ、」

なんでそんなこと言うんだよって口調で言ってくれる。
そんな口調が言いたいこともホントは解かる、でも敢えて混ぜっ返した、

「なんも権利無いじゃん、法的立場も責任も無いんだからさ?笑」

ただ付合っている、それだけ。
それだけの関係に何の責任や権利があるんだろう?
そんな突っぱねた問いかけに電話ごし御曹司クンは言った、

「付合ってるってダケじゃ責任とか無いけどさー…好きなら将来も考えたいじゃん、好きなら他の人間にとられるの怖いし、」

将来を考えたい、って言葉に御曹司クンの過去が揺すられた。
御曹司クンも本気でそう想った事がある、けれど別れてしまった現在の今に笑いかけた。

「ソレっておまえの体験だね?笑」
「そうだよ、だから俺ちょっと考えるし…そのひと可哀想だよ、おまえがそんなんじゃ、」

可哀想だって言ってくれるトーンが寂しそうだった。
こんなふう言ってしまう御曹司クンが不思議で、なんだか健気でもあって訊いてみた、

「ソンナに可哀想なら電話とか辞める?おまえ的にはライバルなんだろうしさ、笑」

ホントに自分を恋愛感情で見ているのなら恋敵ってやつだろう?
そんな事実確認した向こうため息吐かれた。

「…おまえってホンモノのSだよなー…すごい意地悪なコト言ってるって自覚あんのかよ?」
「Sで意地悪だって前から言ってるだろ、笑」

笑って認めた電話ごしきっと悶々しているなって解って、
そういう御曹司クンの貌が解かるみたいで、つい虐めたくなりながら正直に言った、

「嫌な言い方するけどさ、今のヒトって最初からソンナに好きなワケでもないんだよね、何回か告白してくれたし一生懸命だから頷いたけど、
付合えば合わないって納得して諦めてくれるだろなって思うから今、とりあえず付合ってるダケだよ?その間に本気になれたら幸せだろうけどね、笑」

合わないんだって納得してもらいたくて付合ってみてる。
そんな現状に電話の向こうが絶句して、そして拗ねた。

「っ…なんだよそれー…ばかっ、そんな付き合い方とかすんなよバカっマジ馬鹿っだオマエばかだっ、拗」

なんか久しぶりに馬鹿バカ言われてるな?笑

こんな状況なんだか可笑しくて面白くなって、
それで今どんな貌してるのか解るみたいで言ってみた、

「おまえ今ちょっと泣いてるだろ?本気で好きで付合ってるんじゃないなら良かったーって安心してるだろ、おまえも性格悪いよね?笑」

他の誰かを見ているワケじゃない、そういうの安心するんだろな?
ってカンジに単純に思ったから言った向こう御曹司クン拗ねて泣いた。

「ほんっとオマエって性格悪いバカだSだ、もー…なんでコンナん好きになっちゃったんだ俺、」

なんてカンジの台詞は泣いていた、
言葉面は呆れてくれている、このまま嫌いになってくれたら楽だろなって想って笑った、

「こういう自分だからさ、好きでいても何も良い事ないよ?ちゃんと真面目に恋愛してくれる相手んとこ行きな、こんな電話してるよりさ?」

こんなふう電話していても御曹司クンは恋愛が出来ない、
このまま恋愛出来なかったら御曹司クンは帰るのは今の家だけしかない、
その家が御曹司クンにとって幸せな居場所ならそれも良いんだろう、でも違う、

To :御曹司クン
本文:今日は1日ずっと寝てた(顔文字笑顔)
  だから会話ろくにしてない、後で電話していい?

こんなメールを自分に送るほど御曹司クンは「家」居場所が無い、
無いなら御曹司クン自身で作るしかない、だから背中を押したかった、
安心して帰れる居場所、笑って会話できる場所、そういう「家」を作ってほしいから言った、

「バイセクシャルでも男同士でも良いよ、お互い家族になれる相手と恋愛しな?そしたらオマエが欲しがってる居場所が作れるよ、だろ?」

御曹司クンがメールを定期的にしてくれるのは多分、居場所があるって安心したいから。
電話を架けたいのは繋がっている安心がほしいから、安心が欲しいのは本当は「いちばんに」愛されて安心したいだけ。
そういう御曹司クンの不安×孤独から求めたい原点は「家庭」母親にある?そんなふう想うから言って、だけど御曹司クンは言った、

「そういうこと言ってくれるから好きなんだよ、やっぱり俺おまえのこと大好きだ、」

大好き、ってまた言ってくれちゃうんだ?

付合ってる理由が「諦めてほしいから」相手が離れてくれることが目的なだけ。
そういう付き合い方が不実で幸せが遠いくらい解かってる、そういう自分の遣り方が好きでもない、
自分自身で好きじゃないから触れたくなくてメンドクサクなる、ソンナコト正直な話してるのに大好きって、なんだろう?

「自分はおまえのこと大好きじゃないよ?恋愛感情とか全く無いしね、笑」

大好きって想うことは無い、恋愛感情も無い、
そういうの自分にはもう起きない、そんな本音に御曹司クンは笑ってくれた、

「解かってるってば、でも俺は大好きで今こうして話せてること嬉しー…オマエの付合ってるヒトにちょっと後ろめたいけど、でも嬉しいもんね?」

解ってる、それでも嬉しいって言ってくれる。
こんな相手のペースにちょっと困って、だけど嫌でも無くて、だから訊いた。

「おまえは電話とかメールしてたいワケ?笑」
「してたい、だって今もすげー幸せだもん、」

幸せってまた笑って、そういう御曹司クンがなんだか嬉しかった。
こういう素直なトコ他の人間にも見せられたら良いのに?そんなこと考えてたら御曹司クンは言った、

「後ろめたいけどさ、そのヒトにとったら男同士はノーカンじゃねとか都合よく考えてる、おまえもその気無いし…だから電話も止める必要ないよなって、」

確かにノーカウントかもしれない、
でも事実を知ったらサゾ反発するんだろう、なんて想像しながら笑った。

「またオールするつもりなワケ?こっち寝落ちしそうだけど、笑」

ホントそろそろ眠い、でも電話したいならしていてもいい、
そんな言葉から暫定恋人との差は明らかで、そんな相手は笑ってくれた。

「そしたらオマエの寝息とか聞けちゃうなー良いなそれ、このまま寝ていいよ?笑×照」
「じゃあ5分後に寝てイイ?寝つきは良いんだよね、今すぐでもさ?笑」
「っ、そんな早くは寂しいってば、もうちょい頑張って?」

なんて会話から他愛ない夜更かし電話は始まって、
アレコレなんとなく話して、たまに寝ていてまた起きて話して、
ホント大したこと話してはいなかった、それでも切らないまま話して笑って気が付いたら寝ていて、
翌日は寝坊しまくって挙句ちょっと風邪気味だった、笑

あーやっちゃったなー笑

なんて想いながら一日のんびり寝て過ごすことに決めて、
寝坊の二度寝しようってベッド転がったまま文庫本ちょっと読んで、寝て、

そして電話は来た、


こんな感じだけどトリアエズUPします、
第76話もAesuculapiusも加筆校正まだします、が、眠いです、笑

取り急ぎ、




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山岳点景:皐月の水源

2014-05-18 21:00:00 | 写真:山岳点景
水めぐる、五月



山岳点景:皐月の水源

奥多摩の山藤です、
去年より2週間ほど遅い花期になるかなと。
奥多摩はもう何度も行ってるんですけど、ココは初めてのポイントです。




奥多摩湖畔の最奥部、ここは水際へ下りられます。
川が流れこむ場所で水は澄んで、水源らしい静けさが心地良いとこです。




昨日は尾瀬に行って今朝はやや寝坊、
で、ここの木蔭は涼しく良い感じで今度は昼寝に来ようと、笑




真青な空は雲の変化が豊富で、昨日の尾瀬の天候変化を想い出したり。
尾瀬や谷川岳は分水嶺特有な日本海×太平洋ふたつ共の影響を受けるため、風雨に降雪が起きやすいです。
奥多摩も山上は天候変化が当り前だけど下界と違います、でも今日の森は居る間ずっと穏やかで静かでした。




石楠花や躑躅が今は綺麗です、
この花が咲くと夏は近くなります。




Favonius「少年時譚act.8」校了しました、光一@大学構内にて。
Aesculapius「第4章 Saturnus 予祝の刻 act.2」加筆校正あと1/3くらいします、
第76話「霜雪5」もまだ加筆予定です、

取り急ぎ、



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚95

2014-05-18 00:20:05 | 雑談寓話
眠いけどちょっと書きます、加筆校正未済が2本あるし、笑
お待たせ間にでも楽しんでもらえたら嬉しいです、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚95

同僚御曹司クンと深夜電話@土曜夜、
その日は暫定恋人の地元祭に行って帰ってきて、
その帰路にメンドクサイ事@御曹司譚93みたいなことが起きていた、

キスとかしちゃってくださいよー仲イイとこ見せて見せて?

なんて訊いてくる友達が暫定恋人には居て、
似たり寄ったりなオネダリしてくる本人で、ソレがメンドクサクて電話も今は嫌だった。
それでも暫定恋人は架けてくれるらしく御曹司クンとの深夜電話中もキャッチホンコールが鳴ってしまい、

「つきあってるヒトとかじゃねえの?こんな時間に何度も架けてくるってさー…なのに俺と電話しててイイのかよ?」

なんて質問を御曹司クンはしてくれた、
やっぱ気が付くよねって思ってさ、で、言ってみた。

「おまえとの電話の方が愉しいだけだよ?笑」

ホントもうそう想ってた、
そんな自分にあらためて気がつかされた電話ごし言ってくれた。

「そういうの嬉しいけど、さー…変な期待したくなるだろ?」

こんなこと困る、でも嬉しい?
そういうトーンは電話にも伝わって、だから言ってみた。

「友達との電話のが楽しいってあるだろ?ソレダケだよ、笑」
「そんなの解ってるよ、でも、」

でも、って言いかけて言葉が止まった。
なにを言いたいんだろう?そう待った向こう御曹司クンは口開いた。

「でも、さー…恋人より好かれるとか嬉しいじゃん、やっぱ…なんか、」

やっぱり嬉しいもんなんだ?

そんな台詞なんだか笑ってキャッチホンのコールは切れて、
また静かになった電話回線に御曹司クンため息吐いた、

「切れちゃったな、キャッチ…」
「うん、別にイイから、笑」

笑って答えながら自分でドウなんだろって想った、

別にイイカラ、

って冷たい言い方をしている、
こんなふう電話からもう放棄している、その程度でしかない。
そんな程度の相手だって想っている時点で結局のトコ不毛すぎる、そんなこと考えてたら言われた。

「別にイイってなんか冷たくねえ?付合ってる相手にそれってどうなんだよ、それともオマエ、そんな酷いこと何かされた?」

ひどいこと、って言えるんだろうか?
それとも自分だけがソウ思うのかもしれない?
そう二択に考えながらもアッタことそのまま言ってみた、

「友達らに囲まれた真中でキスしてみせろって言われたよ、そういうの自分は嫌いなんだよね、笑」

ああいうのってホント苦手、笑
だから透けて見えてしまった今回のことに口開いた。

「サラシモンみたいで嫌いなんだよね、それ以上に自慢ネタにされるのが嫌でさ?そういう価値観が違うのって無理だから、笑」

ホントにしたいなら人前でもキスするかもしれない?
けれどヤラされてヤっても価値が薄まるだけ、そういうの解らない相手とは付き合えない。
なんてカンジの本音に笑った電話ごし、御曹司クンは言ってくれた。

「自慢ネタにしたいのもあるんだろうけどさ、それ以上に自分のだって牽制したいんじゃね?好きだから周りに手出しされたくなくて、」



こんな感じだけどトリアエズUPします、
第76話もAesuculapiusも加筆校正まだします、が、眠いです、笑

取り急ぎ、




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山岳点景:雪解の山×花

2014-05-17 21:57:03 | 写真:山岳点景
皐月の雪



山岳点景:雪解の山

尾瀬@群馬県片品村に登って来たんですけど、早春の雪渓でした。




大清水から三平峠まで標高1,190m→標高1,760mの山行、
登り口の駐車場に近い小さな湿原は花も咲いていました。




最初の林間道はちょっと単調です、笑
けれど雪解けの清流や木々の芽生えが豊かで良いです。




小雨ときおり降る朝、蕗の薹にも雫が光っていました。



一之瀬休憩所から残雪が道にも現れます、
ここから山道になり高度を稼ぐカンジになるんですけど、
石清水の給水ポイントを過ぎて登り尾根通しの道に出たら雪歩きになりました。




木道と違うポイントの区別がつかない+斜度があるポイントもあり、踏み抜きや滑落など緊張させられます。
シラビソの森に入ると雪も深くて冬山装備じゃなかったらNGって感じでした、




残雪期の今は枝も葉が無いので尾瀬沼が見下ろせました、
が、尾瀬沼に降りるルートは雪が深い&斜度けっこうキツイ、
軽アイゼンは持ってたんですけどストック無い+時間もあるんで今回ここまでにしました、




で、帰りがけ見つけた場所↓です、
尾瀬ヶ原ではありません、笑



水芭蕉の群落は花の盛りを過ぎていました、
それでも陽に透ける白と緑は雪解け水に清々しいです。



そんなワケで今から加筆校正します、笑
その前に取り急ぎ、




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第76話 霜雪act.5-side story「陽はまた昇る」

2014-05-17 19:00:08 | 陽はまた昇るside story
legacy 継承の痕跡



第76話 霜雪act.5-side story「陽はまた昇る」

座った席の机上、パソコンは画面ひとつ表示する。

この画面は二年目の自分が見るべき場所じゃない、そう思っていた。
けれど本来なら去年から使っていたかもしれない、そんな立場を認めるまま英二は微笑んだ。

「蒔田さんは今、何をしているんですか?」

今、この部屋で誰が何を行うのか?
そんな事実を隠す「設定」の問いかけに協力者は笑った。

「電話が終わって部屋を出ようってところだな、2分後には廊下で部下と立ち話だよ、いま電話をもらった相手だ、」
「ありがとうございます、」

笑いかけてパソコン画面を改めて見る。
真中はパスワード請求がカーソル瞬かす、その10桁に上司は尋ねた。

「宮田くん、本当に俺のIDとパスを使わないでも良いのか?」
「はい、」

頷き微笑んだ向こう視線ひとつ見つめてくれる。
この「はい」は意外だろうか、それとも蒔田の想定内だろうか?
そんな空気を計りながら感染防止グローブ嵌めた指でキーボード叩いた。

“ 2151194540 ”

この番号は自分ともう一人しか知らない。
そんな10桁に画面は開かれた傍ら、日焼あわい貌がため息ごと問いかけた。

「…このIDは何なんだ、この画面は俺も知らないぞ?」

知らなくて当然だろう、知らなくて良い。
もし知っていたら「異様」だ、そんな現実に英二は微笑んだ。

「蒔田さんが知らなくて良かったです、」

知らないで居てほしい、出来ることなら?
この願う真中で実直な眼差し真直ぐ尋ねた。

「知らない方が良い画面だと言うのなら宮田くん、君は知っていて大丈夫なのか?なぜ君はこんなIDを入れられるんだ、」

訊いてくれる声は心配が温かい、そう解っている。
それでも今は何も言う事など出来ない、そのままに時計と笑いかけた。

「もう1分経ちましたよ?蒔田さん、廊下に出ていて下さい、」
「一つだけ教えてくれ、」

遮るよう問われて、ただ微笑んでみせる。
そんな無言へストレートに訊かれた。

「宮田くんは、君は湯原の味方なのか?どんな関係があってこんなことまで、」

馨の味方なのか?どんな関係があるのか?

この質問ありのまま答えることは今は出来ない。
そこにある秘匿へ正直に笑いかけた。

「俺は周太の味方です、周太の大切な人も護りますよ?」

これは正直な答え、そして本質の回答だろう。
だから真直ぐ見返しても澱み一つ無い、そんな自信にシャープな眼差し見つめ返した。

「大切なのは本当だろうな、だが君と湯原が無関係だとは思えない、似ているからな?」

似ている、

そうストレートな言葉に見つめられて肚底が笑ってしまう。
やはり似ていると思われる?その事実関係に微笑んだ沈黙へ言葉は続いた。

「宮田くんは吉村先生の息子さんと似ているって、よく言われているな?確かに俺も似ているって最初は思ったよ、俺も彼とは面識があるからな、
でも似ているのは宮田くんが彼に憧れてる所為だろう?本当は湯原こそ似ているよ、素になった時の目が似ているんだ、考えこんでいる貌とかがな、」

素になった時が似ているのは「血」無くして語れない?

そんな回答を聴かされながら見つめる画面は暗号のようファイルが並ぶ。
このファイルたち開封するのも結局は自分の「血」でしかない、その現実と笑いかけた。

「蒔田さんは、このIDの規則性をご存知ですか?」

この番号が何を示すのか?
その謎解きは隠匿を解く鍵でもある、それを気づいているのか知りたい。

「規則性をご存知なら俺が誰なのか解かります、でも俺のバックボーンは知らない方が良いと言いましたよね?だから知らないままでいて下さい、」

俺のバックボーンは知らない方が良いです。
俺を信じてくれるなら俺のことは知らないままでいて下さい。

そう先月に蒔田へ告げた、そのままに今も笑いかけて何も知らせたくない、馨と自分の関係は。

―もしIDを分析されても馨さんと俺の関係は解らない、だったら、

自分がこのIDを知っている、そこから馨との関係など探せない。
それにIDの「出処」など蒔田なら調査済の可能性もある、そんな推測にシャープな瞳ふっと笑った。

「知らないままで信じろって言われたな、先月も。俺も君を信じたいよ、だが14年は長すぎる、」

14年、その年数に言いたいことはもう解かる。
けれど刻限もう迫るまま穏やかに笑いかけた。

「時間です。廊下で部下の方と話していて下さい、お願いします、」

すべき役割に就いてほしい、そんな申し出と笑いかけた先シャープな瞳ゆっくり閉じられる。
その仕草にも14年の長さは見えて切ない、けれど無情の仮面に笑った向こう官僚は微笑んだ。

「また酒を呑もう、山で君と呑んでみたいよ?」

ほら、自分と似たものを持っている。
これとよく似た言葉を自分も今日告げた、その想いと同じまま英二は綺麗に笑った。

「はい、ご希望の山を考えておいてくださいね?」
「候補は沢山あるがな、奥多摩でも、俺の故郷でもいいぞ?」

笑って答えてくれる場所に想いひとつ示される。
この言葉そのまま信じていたい、そう祈るよう笑いかけた。

「北海道は行ったことが無いんです、楽しみにしていますね?」

大学1年の冬だ、アイスクライミングの自主トレに北大の仲間と層雲峡に行ったら偶然、湯原と先輩が登っていてな、綺麗な登り方だった。

そう蒔田は先月に教えてくれた、あの言葉が真実なら北海道を望むだろう?
きっと自分に俤ごと重ねて望むはず、そんな推測に山ヤの瞳は笑ってくれた。

「層雲峡のアイスクライミングなら1月か2月だ、他にも良い山もあるから楽しみにしてくれ、」

他にも良い山がある、そう言いたかった相手は誰なのか?
山で呑んでみたかった相手は誰なのか、その願いはいつから抱いているのか?

そんな問いかけごと唯笑いかけた先、背中ひろやかなスーツ姿は扉を開き出て行ってくれる。
ぱたり軽やかに扉の閉じて空間は独りになる、その閉じられた扉向うから知らない声が聴こえた。

「蒔田部長、お出かけですか?」
「打合せに戻るところです、さっきの電話で言っていた資料ですか?」

蒔田の声が応える、その口調は公人になっている。
5秒前に自分と話したトーンと違う、そんな空気測りながらキーボード叩きだすまま声は聞えてくる。

「はい、先月の統計です。部長がチェックをと仰られたので持ってきました、」
「ありがとう、今ここで見ましょう、」

穏やかな声は応えて紙開く気配が起つ。
このままチェックするなら立ち話も不自然じゃない、その怜悧に微笑んだ。

―計画的で簡単で巧い、出世するだけあるな?

閲覧権限を内密に遣うならチャンスがある、そう先月の食事に蒔田は言った。
あの時から今この立ち話も用意したのだろう、その周到性に実力と経歴が納得できる。
こういう男だからノンキャリア出身でも警視長となり地域部長に就き官僚に化けた、そんな姿に祖父の声が響く。

『ノンキャリアから警視総監になった前例は無いが、英二なら可能性ゼロとも言えんだろうよ?地方警察から警察庁への登用システムは今もある、
志願者が減って形骸化しかかっておるが廃止されたわけでもない、警視庁から選抜されるくらい英二には容易いだろう、英二が望むというのならな、』

銀杏の黄金ゆれるテラス、あわい金色の酒、そして祖父の眼差し。

久しぶりの再会は2時間も無い、けれど自分の現実を全て突きつけられた。
あの祖父の孫として生まれて、あの祖父から性格と才能を継いで、そして与えられる席ごと全てずっと嫌いだった。
ずっと逃げていた自分の現実、その全て祖父の酒ごと飲み下したから今ここに座りファイルひとつ、開かれて英二は見た。

“ Fantome 1943 ”



(to be continued)

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚94

2014-05-17 00:05:07 | 雑談寓話
眠いけど少し書きます、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚94

夏祭の帰り道、同僚御曹司クンから定期便メールがきた、

To :御曹司クン
本文:今日は1日ずっと寝てた(顔文字笑顔)
  だから会話ろくにしてない、後で電話していい?

御曹司クンは実家に住んでいる。
両親が居てきょうだいも同居な家、なのに会話ろくにしていない。

寂しいな、って思った。
家族みんなで住んでいるのに他人の自分へ会話をねだる、
そういうの寂しかった、で返信した、

Re :どんだけデカイ家なんだよ?笑
   日付変わる頃でよかったら出られる、

Re2:ありがと、電話するな(顔文字笑顔)
   デカい家より顔見られる距離に住みたいなーおまえと(顔文字照顔)

ってカンジの返信に、

電話不要じゃないのコイツ?

って想いながら帰宅して、
風呂入ってパソコン開いてやるコトやって、って間も携帯はサイレントモードだったけど、
ランプ時おり点滅して着信を知らせてきた、でもソレは無視して放置して、で、日付変わる頃に着信した名前で通話を繋いだ。

「おつかれ、笑」
「おつかれーって俺はずっと寝てたけど、笑」

なんて呑気な話から始まって、

「夏休みって何すんの?」
「いろいろだね、笑」
「いろいろって何?」
「ナンデおまえに話さないとイケナイわけ?笑」
「っ、イイじゃんよー教えてくれたってさ、拗」
「ひとりで行きたいトコ行く予定だよ、国内だけどね、笑」
「一人旅かあ、なんかカッコいいなー」

ってカンジの他愛ない話をしながらパソコンの作業して、
傍らで眠っている猫をたまに撫でながら電話してたら、キャッチホンが入った、

あーたぶん暫定恋人だな?

って解かるから放置して話してさ、
でも御曹司クンは気が付いて訊いてくれた、

「なーキャッチホン入ってるだろ?切ろうか?」
「いや、気にしないでいいから、笑」

ほんと気にしないで良いよ?
って思いながら笑って、でも御曹司クンは気にしてくれた、

「なんか急ぎかもしれねーよ?出てあげろよ、」
「ホント気にしないで良いから、」

って言って、ふっと電話は沈黙した、
で、御曹司クンに訊かれた、

「あのさー…つきあってるヒトとかじゃねえの?こんな時間に何度も架けてくるってさー…なのに俺と電話しててイイのかよ?」

やっぱ気が付くよね?


こんな感じだけどトリアエズUPします、
Aesuculapius加筆校正まだします、が、眠いです、笑

取り急ぎ、



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