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Pretenderの備忘録

八月納涼歌舞伎 第二部

2005-08-21 21:06:23 | 歌舞伎
伊勢音頭恋寝刃は、貢に三津五郎、万野に勘三郎、お紺に福助、喜助に橋之助という布陣。三津五郎、勘三郎ともに初役。三津五郎は、見得といい、微妙な感情のひだといい、うまさを見せる。勘三郎の万野も、冷たい気取った嫌な女という類型から気取ったを取り去り、新しい万野のイメージを作っている。弥十郎のお鹿はご愛嬌。橋之助の喜助は、サラリと存在感がない。でも、これが良さなのかなあ。
けいせい倭荘子・蝶の道行は、助国に染五郎、小槙に孝太郎。20年くらい前に、二人椀久とか、孝夫・玉三郎が二人の踊りで魅了していた頃の一つ。染五郎がふと、仁左衛門に見えたときもあった。染五郎が目指していく方向は、幸四郎とは違うんだと思う。孝太郎といい扇雀といい、ふっくらの女形が目指すべき美に合致していない場合がある。どうやって芸域を拡げ確立していくのか、松嶋屋の嫡男として(孝夫さんは嫡男ではなかったが)、今後が注目である。染五郎の海老反りはあんなレベルではダメ。歌舞伎以外に精を出したここ数年のつけが回ってきているか。
京人形は、橋之助と扇雀。ちょっとスマート平板すぎる甚五郎だが、大立ち回りはリーチもあり、映える。扇雀はうまく、コミカルに演じている。キレイなお姫様系よりも、野田歌舞伎のぶっ飛んだイメージが強すぎるが、笑。可憐な姫系は難しいかなと思う。

コメント
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