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Pretenderの備忘録

江戸宵闇妖鉤爪

2008-11-23 22:14:22 | 歌舞伎
国立劇場 大劇場 1階6列29番

江戸川乱歩=作「人間豹」より
岩豪友樹子=脚色
九代琴松=演出

えどのやみあやしのかぎづめ
江戸宵闇妖鉤爪

― 明智小五郎と人間豹 ―
 
 沢田祐二=照明
 国立劇場美術係=美術

市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候


第一幕 
第一場 不忍池、弁天島の茶屋の前
第二場 江戸橋広小路の支度小屋
第三場 ウズメ舞の場
第四場 隅田河畔の茶屋
第五場 浅茅ケ原

第二幕 
第一場 団子坂、明智小五郎の家
第二場 笠森稲荷
第三場 団子坂近くの一本道
第四場 洞穴、恩田の隠れ家
第五場 浅草奥山の見世物小屋
エピローグ 同 見世物小屋裏手


(出 演)
松 本 幸四郎
市 川 高麗蔵
市 川 春 猿
澤 村 鐵之助
松 本 錦 吾
市 川 染五郎

乱歩を歌舞伎にしたかったというのは染五郎の希望だったらしい。描き方によっては南北に通じるものとサスペンスの融合みたいな形になるのかもしれない。
演出は幸四郎。歌舞伎にとことんこだわりたいというコメントがあり、そのことで、幸四郎がどう歌舞伎をみているのかが良くわかった。
早替わり、宙乗り、舞台転換、下座音楽等々、歌舞伎の要素はちりばめられていた。描きたかったもの、様式美みたいなものはどうだったのであろうか。
息子の意欲に対して、親が自分の経験を生かして作った芝居というところだろうか。
複数の役をさせるための早替わりのために不自然なところが特に前半に目立つ。
西洋の戯曲のようなせりふの応酬みたいな場面は、親子とも口跡が必ずしも良くないことも相俟って、つまらないシーンとなってしまっている。TVじゃないんだみたいな。。。
ただ、全般的には、短くまとまり、話もそこそこわかりやすく、視覚的にも面白い部分も多く、飽きなかった。染五郎ファンという感じの女性客が多かった。

コメント
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