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Pretenderの備忘録

四月花形歌舞伎 通し狂言 仮名手本忠臣蔵

2012-04-15 22:55:59 | 歌舞伎
昼の部

新橋演舞場 2階右14番

大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場


三段目 足利館門前進物の場

    同 松の間刃傷の場


四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場

    同 表門城明渡しの場


浄瑠璃 道行旅路の花聟


【大序・三段目】
             高師直  松 緑
          桃井若狭之助  獅 童
            顔世御前  松 也
            足利直義  亀 寿
            塩冶判官  菊之助

【四段目】
            塩冶判官  菊之助
          石堂右馬之丞  亀三郎
        薬師寺次郎左衛門  亀 鶴
            顔世御前  松 也
            大星力弥  右 近
           原郷右衛門  薪 車
            斧九太夫  錦 吾
          大星由良之助  染五郎

【道行】
           腰元おかる  福 助
            鷺坂伴内  猿 弥
            早野勘平  亀治郎



夜の部

二階 右27番


五段目  山崎街道鉄砲渡しの場

     同 二つ玉の場


六段目  与市兵衛内勘平腹切の場


七段目  祇園一力茶屋の場


十一段目 高家表門討入りの場

     同 奥庭泉水の場

     同 炭部屋本懐の場


【五・六段目】
            早野勘平  亀治郎
            斧定九郎  獅 童
          不破数右衛門  亀三郎
           千崎弥五郎  亀 寿
          百姓与市兵衛  寿 猿
            判人源六  薪 車
          一文字屋お才  亀 鶴
            母おかや  竹三郎
           女房おかる  福 助

【七段目】
          大星由良之助  染五郎
          寺岡平右衛門  松 緑
           千崎弥五郎  亀 寿
           竹森喜多八  萬太郎
           矢間重太郎  巳之助
            大星力弥  児太郎
           仲居おつる  歌 江
            鷺坂伴内  猿 弥
            斧九太夫  錦 吾
           遊女おかる  福 助

【十一段目】
          大星由良之助  染五郎
            大星力弥  児太郎
          小汐田又之丞  廣太郎
          木村岡右衛門  廣 松
            大鷲文吾  宗之助
           竹森喜多八  萬太郎
           小林平八郎  亀 鶴

通しで、花形の忠臣蔵を。
昼の部が終了してから、近くのカフェにいたが、結構通しの人が多かったようだ。
客席も最近の演舞場にしては良く入っていた。

福助、七段目のおかるは、何度も観ているが、大仰さがなくなり、非常に色っぽくて、遊女の雰囲気も良く出ていて、今がおかるの旬かもしれない。
ただ、色っぽさが、道行でも6段目でも出ていて、道行はまだいいが、6段目はもう少し抑えていてもいいのかなと思った。
亀治郎や松緑、染五郎を相手にというところで、やはり、役者が上という当たり前のことがはっきりと出ていた。
同世代には、なかなか忠臣蔵のいい役者はいないので、仁左衛門や幸四郎、菊五郎との次回の顔合わせ(多分、歌舞伎座になるのだろう)が楽しみだ。

染五郎、四段目はかなり、太いいい声が出ていたように思う。相当努力していたのだろう。
七段目は、やはり貫禄が足りないし、声も四段目みたいな感じではなく、いつもの感じであった。
また、福助相手というのも、ちょっとしんどいところがある。
これはスタートなので、今後を楽しみとしたい。

菊之助、判官、品があり、抑えた演技が上手く役にマッチしている感じがして、さすがに家の芸という気がする。
逆に、菊之助の勘平はイメージしにくいか。

亀治郎、勘平、上方の型でシンプルに演じた。
何人もの勘平を観てきたが、一つの勘平役者を今後示して行ってくれるような気がする。

松緑、師直、若いなりに良く演じていたのではないか。年齢を重ねるにつれて、はまり役になるのではないか。平右衛門、こういうのもありかなとも思う。必ずしもいい男でなくても、多少野暮ったくあってもいいのではないかと思いながら観ていた。

獅童、若狭之助はまあまあ。定九郎が、もっとカッコ良く演じるかと思ったがそうでもなかった。あえてだろうか。

亀鶴が、大活躍。悪役の薬師寺は今一つ憎々しさに欠けるが、一文字屋お才をきちんとこなした。そして小林平八郎で派手な立ち回り。これだけいろいろな役ができる人はなかなかいないだろう。幅広い名脇役が見えてくるのではないか。

児太郎、18歳であるから変声期は終わっているはずだが、声が変だ。また、台詞の滑舌ではないが口調がおかしい。何かのきっかけで、きっちりと成長してほしいものだ。成駒屋のプリンスなのだから。

亀三郎、亀寿の兄弟は良い声で、折り目正しく脇を固める。松也の顔世はちょっと微妙な感じもするが。

猿弥は、竹三郎のようなベテランと一緒に安心して観ていられるが、もう少し活躍して欲しい。それこそ、師直なんかやると面白いだろうなあ。




コメント
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