筑摩書房
日本語オリジナルだという。
彼が人生を回顧しながら、研究方法について、例を交えて語るという形式。
最初に思考の見取り図という、歴史とデータを主にベースとして、インプット⇒着想⇒検証⇒分析・洞察⇒予測という流れを示している。
フランスの政情、教育制度、学問上の対立等々について触れられ、ある程度の基礎知識は必要かもしれない。学者として自分がきちんと正当に評価されていないということを、日本オリジナルの書籍だからか実名を出して語っているのが、ピントはこないが、怨念は伝わってくる。出世できなかったサラリーマンの愚痴と同じレベルと言ったら怒られるだろうか。自分はエリートではないと言いながらも、強烈な自負を所々で感じる。自分の学問上の功績は大だと言いながら、死んだら抹殺されるみたいな感じで書いている。
また、哲学は無用の長物だと、厳しく批判する。マルクスガブリエルはなんというだろうか。
この本を、彼は出すべきだったのだろうか。