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Pretenderの備忘録

国立劇場初春歌舞伎公演 曽我梅菊念力弦

2006-01-03 21:59:14 | 歌舞伎
四世鶴屋南北作の通し狂言、国立劇場文芸課が補綴した。7幕10場。正味3時間半。

2階2列32番

正月ということで曽我物。江戸時代は正月に毎年曽我物の新作を出したという。時代により曽我物の筋が飾りになる。これは曽我物というのがほとんどこじつけ的で、おその六三、おはん長右衛門の世話物が主体。最初のところだけ、唐突に曽我の対面が出てくるが、それで終わり。鎌倉時代に設定されていて実朝まで出てくるものの、江戸の風物が似合うストーリー。風呂屋とかのシーンもあった。話としては本当に脈絡がなく。最後の方で、世話物として話がわかりやすくなる。あれ、これどっかで見たことがある、桜姫をモチーフにしてたりもする。

菊五郎は、善人、悪人を演じわけ、大立ち回りも含めて大活躍。ご苦労様。味がある見せ場というのはあまりなかったか。
菊之助は、姉妹を演じた。芸者や桜姫をモチーフにしたおはん。どちらも、同じ調子で演じていて、筋がわからない人はわかりにくかったのでは。可憐さは出ていたが、特におはんは、玉三郎や福助の色気はこれからの課題。
人間国宝の富十郎、田之助さんは、顔見世出演というところ。
松緑は、威勢のいい明るい役で、こういうのはフィットしていると思う。
松也も、児雷也に続き笑わせる役作りがあり、菊五郎劇団でそういう存在感が出てくるかな。

初日と言うことで、鏡割りの枡酒が振舞われ、音羽会受付には、冨士純子、寺島しのぶ母娘。寺島しのぶってあんなに綺麗だったんだ。みんなそこで携帯の写真撮ってる、笑。

正月らしいひと時でした。

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新春浅草歌舞伎 昼の部

2006-01-02 22:36:59 | 歌舞伎
新春の歌舞伎を、浅草で初日に。
両親が浅草の商家の子供だった関係で、小さい頃から浅草寺で初詣をして、新年会に。祖父が亡くなり、父が亡くなり、新年会もなくなり、久しぶりの正月の浅草。

浅草公会堂 1階こ4番

最初に年始ご挨拶が勘太郎から。歌舞伎が初めての方も多いのでと解説をするが、鳴神上人が「六方で引っ込む」と言っても普通の人はわかりませんよ、笑。

鳴神:
亀治郎の絶間姫に獅童の鳴神上人。亀治郎の最近の躍進は目を見張るものがあるが、高い声で話し続けるこの役はきついだろうと思う。獅童は、まともな?役をやるのは初めて見ました。なかなか存在感があり、声も悪くない。ただ、六方は、カラダが硬いのか、公会堂の花道が細いのか、いまひとつ足が上がってなかったように感じました。

仮名手本忠臣蔵 五段目、六段目:
七之助の勘平、勘太郎のおかる。午後だとこれが入れ替わる。こんな若い配役で見たことがないので、新鮮。動きもきびきびしているし、若さゆえの過ちみたいなものを感じる。本来の舞台設定はこうだったのだろうな。それを普段はベテランが芝居のうまさでやってたわけで。七之助、狂気というか、なかなかいけるじゃんという感じ。線の細い表現が意外に良かったりする。苦悩の表現が平板なところがあり、まだ課題はあるがこれは楽しみだと思った。勘太郎のおかるはしっとり感をうまく出していて、勘太郎の若いエネルギーも程よく感じられて良かった。亀治郎が、地声で千崎を演じており、楽そうだった、笑。

休憩時間に、スーツ姿の三津五郎さんを発見。獅童に鳴神を指導したということで、見にいらしたのでしょう。勘三郎丈もいらしてたんだろうなあ。

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