「お願いがあるんですがー」
な、なに? 改まって
「これでぜんざいをつくってくれませんか。」
差し出されたのは大粒の大納言
おお~、こんなにも採れたのね。
去年の秋の終わり、もう初冬といっていいころに収穫して干していた小豆でした。 いろいろ植えてはいたけど小豆まで植えていたとはねー。
小豆にしろ大豆にしろ、植えるのはいいんだけど食べられるようにするまでが大変だと思います。
乾燥させて、さやからとりだして、ゴミを除いて・・・・・ これだけの小豆を取り出すにはずいぶん手間がかかったでしょうに。
近所のおじさんとおばさんなどは、さやから豆を取り出すのに、干した大豆の上にテーラー(小型の運搬車)を走らせて車輪でさやを割り、からを取り除いていました。
努力の結晶のあずき。 ぜんざいなんておやすいご用ですよ。
小豆を洗うとき、何個か浮いてきました。 軽い豆は取り出しました。 なぜならー
虫食いだからです。 虫も中がおいしいということはよくわかっているみたい。 何の虫が喰ったのかはわからないけれどたまに味の悪いのがありますから、虫食いは取り出したほうが無難ですね。
小豆の炊き方は意外と簡単です。
1 小豆に水を入れ、いったん沸騰したら湯は捨てます。(あくをとるため)
2 再び水から煮て、柔らかくなったらできあがりです。
3 用途に応じて塩味や砂糖味をつけます。
ストーブの上にかけてことこと煮てもいいし、ガスでも3、40分も弱火で煮たら柔らかくなります。 今回は、2度目の水が沸騰した後保温鍋に入れておきました。 翌朝にはばっちり柔らかくなっています。
ゆであがった小豆に水を足し、砂糖と少量の塩を入れて、さあ、できあがりました。
ただし、ぜんざいは作りたてよりも一晩おいたくらいの方が、小豆に甘みが浸みておいしくなりますね。わたしは二日目くらいの残り物が好き。
ペットボトル1個分を煮たら、ぜんざいが3回分くらいできそうなほどになりました。 3分の一をぜんざいにしてあとは冷凍パックに入れて持って帰ってもらいました。
味付けしてないので、このまま赤飯にしてもいいし、 砂糖を入れてぜんざいにしてもいいし、市販の餡とまぜて餡を作りおはぎやその他のお菓子作りにも使えます。
話のついでに・・・・・市販の餡は砂糖がたっぷりで甘すぎるので、煮た小豆をまぜると甘さも控えめになり、小豆の風味たっぷりの美味しいつぶ餡になります。 小豆から餡を作るよりは時間も短くて済むので小豆も時間も少ないときはそうしています。
そうそう、リクエストした当人はー
「美味しい」と言ってくれました。
「まずい」なんて言ったら、もう作ってあげないからね~