ポチがいなくなりました。
ポチは外で飼っています。鎖を車庫の梁からぶら下げているのですが、ぶら下げるためのワイヤーが金属疲労で切れてしまったのです。鎖をつけたままいなくなってしまいました。
特に心配もせず、お腹がすいたら帰ってくるだろうと、えさだけ入れておきました。今までは、夜遊びしても朝ご飯の頃には申し訳なさそうに帰って来て(ほんとうにしおらしく)そのままおとなしく鎖に繋がれていたのですが・・・・
10時近くになっても帰ってこないので心配になってきました。上から鎖を垂らしている関係で、鎖は普通の2.5倍の長さにしてあります。藪の中に入り込んで鎖が絡まっているにちがいないー
私は探しに行くことにしました。今の時期、柿やキーウィの収穫で畑には人が大勢います。大声で「ポチー」と叫びながら歩くのは恥ずかしいですが、仕方ありません。とりあえず、いつもの散歩コースを歩いてみることにしました。すると、名前を呼んで数メートル歩いただけで、遠くからワンワンと吠える声が。
このあたり、あちこちで犬を飼っていてどこの犬もよく吠えるものですから、ポチかどうか判断しにくかったのですが、多分あれはポチの声。
声を頼りに柿畑の中を歩いてみました。
ところが
ポチのおばかさん、私の声を聞きつけたとたんに吠えなくなってしまいました。まだ見つけた訳ではないんだよ、ちゃんと居場所を教えてくれなくちゃ。
たしかこちらの方から聞こえたよね。もう、他所の家の近くまで来てしまいました。困った。人の家の敷地に勝手に入るわけにはいきません。と? 近くでかすかに息づかいがー
草に埋もれて、鎖を枝に絡ませてポチがしっぽを振っていました。ぎりぎりセーフ。家の裏側ではありましたが、敷地の外でした。ひとんちの裏側を覗くなんて、なんだかドロボウでもしているような気分。
今、ここの人は仕事にでていないよね。裏口からひょこっと出てきたらどうしよう。絶対仕事のはずよね。おそるおそる近づいてみるとー
これって、ボタングサギ?
この間から、どこかに生えてたらうちに持って帰りたいなあと思っていたところでした。
ボタンクサギはかなりはびこっていて、向こうの方にはまだ花が咲いているのが見えました。
やったあ。この場所は、柿畑の端っこで、ボタンクサギも雑草のはず。黙っていただいても問題ないでしょう。でも、この日何もしません。最近晴れ続きなので、雨が降ったら数本頂いて帰るつもりです。
新しくワーヤーを作り直し、これでしばらくは安心です。
ところが、またポチが離れてしまいました。夫が散歩に連れて行こうとして離れているのに気づいたんだそうです。今度は首輪が切れたんだと言います。自由に動けることが分かったポチは大はしゃぎ。飛び跳ねて家の中にまで入り込んで捕まえられません。首輪がないから持つところもなく、おとなしくだっこされるはずもなく。
とりあえず紐か何かを、と言われてもねえ。何がいいかしらと考えている間にいなくなってしまいました。
そうだ、革ならいっぱいある。
本格的な首輪は間に合わないのでとにかく、それに似たものを。
まず、ろうけつ染めの作品の端切れを細長く切りました。暑さ、1,3ミリのヌメ革です。一方の端にリングを取り付けました。
もう一方に穴を二つあけ、リボンを通しました。このリボン、花を頂いたときに飾ってあった幅広のリボンです。これで結べばとりあえず首輪代わりにはなりそうです。
長さは残っていた首輪と同じくらいにしました。あの丈夫な首輪がどうして切れたのかと思いましたが、切れたのは首輪に鎖を繋ぐ細いベルトの部分でした。もう10年も同じ首輪でしたから、元の色がなんだったのか分からないくらい真っ黒でした。
首輪はできたけど、肝心のポチは?
またしてもわたしは
「ポチー」と大声で呼びながら歩かなければなりませんでした。けれど自由を謳歌しているポチが返事をするはずもありません。仕方ないので首輪とリードを持って自分自身のウォーキングをすることにしました。
歩き始めて間もなく、全速力で突進してきたポチ。少しいやがりはしましたが、無事に捕まえることができました。
こんな感じです。
リボンなんて初めてつけたねえ。女の子だけど、おしゃれなんて無縁の飼い方だもの。
今朝見たら、まだ外れてはなかったです。
蝶ネクタイみたいで案外かわいい・・・・しみじみと写真を見たら、顔つきがずいぶんお婆さんになっていました。
もちろん首輪は新しいのを買いました。それにしても、ほんの10分足らずで即席の首輪を作るだけの道具と材料を持ち出してくるわたし。使い古しのリボンまで。これだから家の中がまったく片付かないのですよ。