NOP法人「森から続く道」副理事長小澤潤さんの案内で今治城お濠周辺の植物や生き物を見せていただきました。
今治城
日本100名城、3大水城にも選ばれている海のそばにある城です。馬に乗った武士の像は築城者藤堂高虎。城は明治時代に取り壊され今残っているのは石垣と内堀のみ。他はコンクリート造りになっています。
入場門を入って
内堀。海水を取り込んでいます。もともとは砂地で、地盤を強くするため石垣の下に犬走が造られています。
その犬走を歩くにはかぎの掛かった戸を抜けなければなりません。特別な許可をいただいての観察会でした。
野面積みの石垣は石灰石。石灰石に相性の良いシダが生えていました。絶滅危惧種です。
石灰岩の間に生えるこのシダは乾燥に強いシダと思われていました。逆に水分過多には弱いのではないかと仮定して水たっぷりの中で育ててみたらめちゃくちゃ大きくなって、実は水が好きなんだと分かったそうです。でも、乾燥した環境で生きていける力を持っているのだと、それがこのシダの本当の姿だと分かったそうです。
では、この石灰岩はどこから来たものか。石垣にするには弱いと思われるのですがー
石灰岩に開いている貝のついていた跡。その貝の中にオオヘビガイがあって、その貝は、このあたりでは岩城島しかいなかったそうです。それで、ここに築かれた石垣は島から運ばれてきたことがわかります。
植物と歴史と結びつけて研究することもできる、と小澤先生は言われました。小澤先生は元警察官、異色の履歴の持ち主です。その発想、とても面白いなと思いました。
ツメレンゲ? 多肉植物ですね。
水面近くが赤くなっていて
なんとかの呪いで堀の水が赤いと言われてきたそうです。正体は藻(苔かも?)
淡水性だそうで、海水の入っている堀になぜ?
そのわけは、石垣の間から淡水が湧き出ているから。なので海水の入り込むこの堀には、鯛などの海の魚と一緒にメダカも住んでいるそうです。
ほんのちょっと歩いただけなのに不思議な話がいっぱいで前に進みません。
ついにお目当ての植物のところに来ました。
私が長年探していた植物、「ウマノスズクサ」
もう7,8年も前のこと、うちのハウスの中でジャコウアゲハらしいチョウを見つけて以来、その食草となるウマノスズクサがどこかにあるはずだとさがしていましたが、よく似た葉っぱはあるもののどれもウマノスズクサではありませんでした。
別の観察会で小澤先生と親しくなった娘がその話をすると、今治城に生えているから、とわざわざ許可をとって案内してくださったというわけです。
今の時期、花が咲いて、ジャコウアゲハの幼虫もいて、と条件がそろう時期のはずでしたが、花は一つも見つかりませんでした。
かろうじて咲き終わった花が一つ
ウマノスズクサには毒があって、ジャコウアゲハしか食べないから、穴が開いていたらジャコウアゲハの幼虫がいるはず・・・ということでかなり真剣に見てみたのですが、穴あきの葉っぱも見つかりませんでした。
しかし、本物のウマノスズクサを見たおかげで、ほかのよく似たつる植物(トコロとか、ヒルガオなど)との違いが分かってきました。 ウマノスズクサは、葉の厚みが薄く、触った感じも柔らかでした。
そのほかの植物
特に変わったものではないけどーツルボ
特に変わったものではないけどーツルボ
石垣の間に、敵を見下ろす兵士のように群れ咲いているのが面白い。そばに生えているのは多分アオツヅラフジです。
絶滅危惧種のなんとか
よく見ると地味ではありますがスターチスに似ていました。その通りで、スターチスの仲間です。
葉っぱがスプーン状
松に寄生するマツヤドリギ
初めて見ました。
以上、わたしの心に残った植物を紹介しました。が、
情けないことに名前を一つも覚えてないのです。
※石垣等の説明にも間違いがあるかもしれません。もし違っていたらお許しください。希少な植物については先生にもお聞きして盗掘の心配の少ない場所ということで書かせていただきました。