「旅行人」増刊 アジア・カレー大全

こんばんは。

暗く、光の差さない地下帝国の建設場(強制労働所)で働いていたカイジの気持ちが痛いほど分かる今日この頃です。

本日で15連勤です。
相撲取りなら千秋楽なのですが、うちの職場はまだ続くのですよ・゜・(ノД`)ノ・゜・。
それでもようやく今週末のグランドフィナーレが見えて来ました。
といいつつ、3月1日(土)も出勤になりかねないのですがm(_ _;)m
20連勤は何としても避けたいですハイ。

アジアカレー大全そんな日々ですが、ある日自宅に荷物が届きました。
雑誌「旅行人」の増刊のアジア・カレー大全です。
年始の馬来西亜マレー訪問時に注文したものです。

「『旅行人 特集アジアカレー大全』(No.147/2005年春号)をもとに、新しい原稿を加えて、大幅に再構成したものです。」との事で、とても楽しみにしていました。
全体の感想としては期待通り、いや期待以上と言って良いでしょう。

南インド、北インドのカレーについての説明があるのはもちろんですが、それ以外が圧巻です!
スリランカ、パキスタン、ネパール、ミャンマー、バングラデシュ、アフガニスタン、韓国、カンボジア、中国、香港、東南アジア、タイ(北部・南部)などの各地のカレーを森枝卓士さん渡辺玲さん達が紹介していて、非常に読み応えがあります。

その中で興味深かったのは以下の一文です。
引用させてもらいます。

--------------------------------
料理の作り方や料理店ガイドなら、多くの読者を期待できるが、食文化史の話では読者は一気に1000分の1に減ってしまう。益なしだ。そういう事情を私も森枝氏もよく知っている。
(「東南アジアのカレー、のようなもの」前川健一氏・117ページより)
--------------------------------


そうなんですか。
私としては、最近のお店のガイド本は選出があまり代わり映えしないし信用に足らないので、興味がありません。
逆にこういう食文化からカレーを考察している本はすごく楽しめました。
この本の冒頭にこんな記述がありました。

--------------------------------
いつからカレーが食べられていたのか?
カレーの定義も難しいし、想像するしかない部分もあるが、稲作を始め、土器を作るようになった時期には、カレーのご先祖様と呼べるようなものが作られていたのではないかと思う。
(中略)
その時代、肉や魚などを煮る際、スパイスの類を加えてみたら、より美味しくなった。食べてから体の調子が良かった。しばらく、そのまま置いておいても、腐らなくなった。そのような経験即から、あれこれスパイスの類を加えてみることをして、カレーと呼べるようなものが出来上がったのではないか、ということだ。
(「カレーの正体」森枝卓士氏・21ページより)
--------------------------------


いやー、ものすごくロマンを感じましたよ。
学生時代は歴史には全く興味がなくて成績はいつも最低でしたが、こういう歴史なら勉強したくなりました。
そして、カレーブログ界の端くれにいる者としては、こういう本は記事を書く上でとても参考になります。

例えば、他国のお料理をいただいた時に、その国のお料理がどういうものでどういう食文化かというのが、分かっているか否かでは大きく違います。
たくさんの方に見に来ていただいてる手前、いい加減な事を書くのは失礼かもしれないと思います。
また、他国のお料理をいただく事を通じて、今まで体験しなかったその国の文化を垣間みる事が出来るとも思います。

もちろん知らない事はたくさんありますが、私自身勉強しながら皆さんに紹介していけたら、という気持ちにさせてくれる本でした。
面白かったです。お薦めです!
※特に沢山の国のお料理を召し上がっているピエ~ルさんには強く推薦したい本です。

それでは、失礼します。
コメント ( 10 ) | Trackback ( )このエントリーを含むはてなブックマーク