2008年のカレー食べ納め(中編~フェアトレードとは)

Bijaこんばんは。

昨年末のカレー食べ納めの話の続きです。
その前にひと事言わせてください。

カレーは地球を救う!( ゜∀゜)ノィィョ

…これ、私が言ったのではありませんf(^^;)
浜松のBijaの代表、清川さまのお話の冒頭に飛び出したフレーズです。
順を追って説明します。
Bijaの清川さまと河田さまは以前海外旅行先で偶然知り合ったそうです。
旅を通じて、お互いに世界の様々な矛盾や環境問題、貧困や飢餓などの問題を感じたお2人は、何か自分たちでも途上国に対してできる事はないかと思って、約1年半前にBijaというお店を浜松に開店されました。

カレーを作るにあたって、清川さまは生産者の顔が見えるカレーを提供しようと思ったそうです。
それも遠方の生産者ではなく、できるだけ地元の生産者の農家から有機栽培の野菜を売ってもらおうと思ったそうです。

北海道や九州産でないのは、輸送費も燃料も必要になりエコではないから。
こんな当たり前の忘れがちな事でも、ちゃんと取り組んでいるのには目から鱗でした。

浜松のお店で使っているお皿は、障害を持った方が陶芸で作ったものを購入して、働く場所をつくる活動を支援されているそうです。
そしてスパイスについては、後で詳しく説明しますがフェアトレードで購入したものを使用しています。

エコロジーブームの昨今、オーガニックやエコやロハスといえば格好良い事をしていると見られがちですが、形だけのエコではなく長期的展望で本気で真面目に取り組んでいらっしゃるBijaの姿勢には心を打たれました。
それに食品の偽装や、安価でも人体への影響が心配な食物など、安易な方向へ向かおうとすればいくらでも向かう事が出来る中、このような真摯な取り組みは素晴らしいと思います。
ぜひBijaの詳しい取り組みにつきましては、サイトを見ていただきたいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが今回記事を分けましたのはフェアトレードについて1本書いてみたいと思ったからです。
昨日の記事は美味しいカレーのイベントでした、という事で分けておきたいと思いまして。

フェアトレード

そのイベントの帰りに清川さまよりいただきましたのが、缶の浜松珈琲です。
これも南米エクアドルからのフェアトレードのコーヒー豆を使っています。
その缶の裏にはこのように記載してありました。

途上国の農業生産者の自立した生活基盤を守るために、生産者に不利にならない適正な価格で、継続的な取り引きをする仕組みをフェアトレード(公正な貿易)といいます。

ちょうど数ヶ月前にテレビで、南米のコーヒー農家がものすごい貧困で食事もろくにできず、飢えをコーヒーを飲んで凌いでいる映像を観ました。
その原因は農家が栽培したコーヒー豆が、ものすごく安値で買い叩かれているからです。
それも生活が成り立たないほどの安値、です。
そしてそのコーヒー豆が世界中で飲まれている、というものでした。

ここ最近特に感じていますが、何か1つのきっかけがあると、不思議な事に人と人のご縁で話はどんどんと繋がっていくものです。
カフェマスターのOchiさんのブログにコメントをしたら、ひょんな事から上記の問題にドンピシャの情報を教えていただきました。
それが映画「おいしいコーヒーの真実」でした。

「トールサイズのコーヒー1杯330円の内、コーヒー農家が手にする金額はわずか3~9円という導入部から始まるこのサイトを見て、かなりの衝撃を受けました。
昨年5月から日本でも上映されていたそうです。
そしてサイトを見ていると、ちょうど昨年の12月5日にDVDが発売しているではないですか!

おいしいコーヒーの真実 [DVD]

タイミングというものもあったのでしょう。
Bijaとパクチーハウスの共同イベントから数日間の間で話は転がっていき、年末年始でDVDをレンタルして観ました。

…なかなか多くは語れませんね。そのくらい衝撃でした。
コーヒー好きでも、そうでなくてもぜひ1度は観ていただきたい映画でした。
特に印象に残っているのは
「コーヒー農家じゃ食っていけないから親父には悪いけど継がない」という青年の発言と、
コーヒー畑の木を切り倒し、ドラッグを植える別の農家の「ドラッグの方が高く売れる。やりたくないが生きる為だ」という発言です。

この映画でも中心になって語られるのがフェアトレードです。
農家に適正な価格で対価が支払われるよう、海外のコーヒー業者を奔走する人物が描かれています。
そして海外ではフェアトレードとは割と一般的に認知されている、との事でした。

かなりショッキングな映画だったのですが、ひと筋の希望がこのフェアトレードです。
世界中の貿易の金額の内、南アフリカのシェアはたった1%です。
これが1%増えるだけで700億円もの増収で、先進国からの援助の5倍にもなるという数字が出ていました。
アフリカへの寄付だなんだと騒ぐのなら、先進国のピンハネを1%緩和して、途上国の自立を促した方がよほど効果があるようです。
もっとも、そんなに簡単な事ではないとは思いますが。

自分に何が出来るかとか、今すぐ途上国に行くとか、そんな大仰な事は考えてはいません。
日本中ですら問題だらけですし、世界中のあまたの諸問題のたった1つでしかないとも思います。
ただ、知る事はとても大事だと感じました。
そして知ってしまった以上は、自分の出来る範囲だけでも行動に移したくなりました。

さて、ここで冒頭の清川さまの発言に戻ります。
カレーはお米や野菜、お肉も使い、スパイスも使います。
1皿のカレーに思いを馳せた事などなかなかありませんでしたが、この1皿を通じて生産者の顔が見えたり、途上国の生産者の方々が自分たちの生産しているものに誇りを持って、充実した生活を送れる為のほんの小さな手助けが出来る。
その小さなきっかけのお手伝いができるのかな、と思いました。

この1皿に沢山の方が関って、沢山のものと人、人と人のご縁があるのだと思うと、とても充実した気持ちになりました。
このような活動理念を持ち、経営を続けられる清川さまには本当に頭がさがります。
Bijaとはサンスクリット語で「種」の意味だとか。
きっと清川さまの蒔いた種は、今すぐでなくても数年後、数十年後に大きく育っていく事でしょう。

ここまで来たら、私も言いたくなりましたよ。
カレーは地球を救う!( ゜∀゜)ノィィョ
長くなってしまいましたが、この問題はまだ続きます。

それでは、失礼します。

【関連記事】

2008年のカレー食べ納め(後編~フェアトレード品購入を実践)(2009.01.07)

2008年のカレー食べ納め(前編)(2009.01.05)
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