水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

マスク

2020年06月05日 | 日々のあれこれ
 ずいぶん出回るようになったとはいえ、マスクは「こんなん、なんぼあってもいいですからね」。
 古い卒業生が、在校生へとマスクを寄贈してくれた。
 
 ~ 卒業生の○○と申します。○○という会社を営んでおります。……私の卒業後、ちょうど30年がたちましたが、水持先生、○○先生にはまだご活躍とのこと(落ち着いて読むと、日本語のつめ甘いかな)、大変に嬉しく思います。お恥ずかしい話、現役当時はご迷惑ばかりをおかけした記憶しかございませんが(迷惑ばかりではないけど覚えてるよ)、今では貴校の卒業生であることを誇りに思っております。これからも、この未曾有の事態を乗り越える力を育む教育に、心から期待をしております。 ~

 30年経ってても、なまえを聞くとすぐに面影が浮かぶ生徒さんだった。
 当時は、今の川東とはずいぶん雰囲気のちがう学校だったなあと思い出す。

 先週、休校あけの準備登校の日は、学年別にまず体育館に集合した。
 バスケットコート1面に2クラスずつ、十分距離を取りながら、12クラスが集合できる大きさは、こんな時期に威力を発揮する。
 みんなが登校しきるまで、大騒ぎすることもなく、単語帳などを取り出して待機している姿をみながら、「高校生だった自分の何倍も優秀ですね」「まちがいないですよ」同僚の先生とひそひそ話していた。
 4期生の時代なら、こんなわけにはいかなかったな。
 三十年前もいまも、一教員で中身も成長しない自分と比べ、教え子が立派になっていくことを心から喜べるのだから、先生になってよかったのだ。
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休止符

2020年05月14日 | 日々のあれこれ
 例年だったら、「「である」ことと「する」こと」を授業でがっつりやっていたであろうこの時期。
 リニューアルするつもりだったプリントも作業を中断していた。
 ふと最後の方の一節に目がとまる。


~ 政治や経済の制度と活動には、学問や芸術の創造活動の源泉としての「古典」に当たるようなものはありません。せいぜい「先例」と「過去の教訓」があるだけであり、それは両者の重大な違いを暗示しています。政治にはそれ自体としての価値などというものはないのです。政治はどこまでも「果実」によって判定されねばなりません。政治家や企業家、とくに現代の政治家にとって「無為」は価値でなく、むしろ「無能」と連結されてもしかたのない言葉になっています。ところが文化的創造にとっては、なるほど「怠ける」ことは何物をも意味しない。先ほどのアルバイト(=研究論文)にしても、何も寡作であることが立派な学者、立派な芸術家というわけでは少しもない。しかしながら、こういう文化的な精神活動では、休止とは必ずしも怠惰ではない。そこではしばしば「休止」がちょうど音楽における休止符のように、それ自体「生きた」意味を持っています。ですから、この世界で瞑想や静閑が昔から尊ばれてきたのには、それだけの根拠があり、必ずしもそれを時代遅れの考え方とは言えないと思います。文化的創造にとっては、ただ前へ前へと進むとか、不断に忙しく働いているということよりも価値の蓄積ということが何より大事だからです。 ~


 演奏の機会を増やすことや、いっぱい練習することに、価値をおきがちな日常をいっかい反省してみたら、と丸山真男先生がおっしゃっているようだ。
 文化的創造にとって大切なのは、価値の蓄積――。くぅーっ、深い。
 ひまさえあれば練習する、演奏会に行く、芝居や映画を観るというようなことは、もちろんそれ自体に価値がある。
 とことん熱中してのめりこむ時期もないといけない。
 勉強でいえば、圧倒的なインプットがまず必要であることが論を俟たないのと同じで。
 いまの時期は、楽譜でいうと、休止符の時間なのかもしれない。
 考えてみると、合奏のときに「休符は休みじゃないだろ!」と怒ったりしてたし。
 コンクールができないことも、吹奏楽という活動そのものの意味を見つめ直すいい機会だ。
 休符の直後にどんな音を出せるか。
 休符のあとのたった一音で、なるほど価値ある休符だったと思えるような過ごし方ができるといいなあ。
 吹奏楽界全体としても。
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配信テスト

2020年05月11日 | 日々のあれこれ
 はじめてのオンライン授業のテスト。
 iPadで録画ボタンおすだけの動画撮影はなんとかなった。
 ただ、画像がさかさまになったので、直してもらった。
 それをどこかに保存して登録するみたいなのは、やってもらった。
 教室にパソコンをもっていき、いざそれを何しようとしたら、配られたマニュアルの最初に書いてある画面にならない。
 なので、近くにいた若い先生を呼んで、何してもらった。
 設定のしかたを教えてもらったが、たぶんまた頼むことになるのだろう。
 準備ができて、生徒さんとつながることを試みるが、誰もこない。
 テスト配信とはいえ、誰もいないのはさびしい。
 自分としてはふだんからいい授業をしてるつもりだったが、やはり自己評価と他者評価はちがうのだろう。
 気づかないうちに、時代後れになっていたのかもしれない。
 いまの生徒さんの気持ちがつかめないまま……
 「生徒からつながらないという電話がはいってるんですが、どうかしましたか?」
 担当の先生が走ってくる。
 どうもしてない。だからか?
 どうも、生徒さんに連絡してあったIDそのものが間違っていたようだ。
 急遽新しいIDで入ってもらうように連絡してもらうと、回線がつながり始める(この言い方はあってるだろうか)。
 みんな、入ろうとして待っててくれたのね。
 今日はテスト配信ということで、動画を途中でとめて、本番までにプリントを解いておくことを伝えた。
 指示されたとおりにいろいろやっているつもりだが、なかなかうまくいかない。
 すると「先生、それはこういうことなんですよ」と若い先生が親切に教えてくれる。
 「こんなのがわかんないかな、まいったな」と自分なら内心思ってしまいそうだが、そんな空気感がない(表面的には)。
 機械だけでなく、人間的にも、若い先生方にはるかに劣っているようでへこむ。
 いやいや、成長の機会を与えてもらっているのだ。
 それにそういう操作さえできれば、発信するコンテンツには自信があるのだし。
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吹奏楽部員へ

2020年05月10日 | 日々のあれこれ
 報道で知っている人も多いかと思うが、今年度の全日本吹奏楽コンクールが中止となった。
 地区大会もそれに準ずる可能性は高いだろう。
 このあと、コロナはある程度は収束に向かうだろうが、その後、部活動自体がどれくらいできるのか、今のところ検討もつかない。
 個人的な感触でいえば、いま日本の高校生たちは、吹奏楽にかぎらずすべての部活動で以前と同じ活動をしても、ほぼほぼ大丈夫だろうとは思う。
 しかし活動のあり方そのものが「密」の上に成り立っているのが吹奏楽でもあるので、運動部以上に慎重にならざるを得ないのはたしかだ。
 だから、学校再開後、部活再開後も、さまざまな活動指針にしたがって、不安を感じないですむようにすすめていきたい。
 ただし、それは決して活動の質を落とすということではない。
 活動の中身や形を変化させることが、注ぐべき情熱を減らすことは意味しない。
 音楽に対する、楽器演奏に対する、音楽芸術に対する真摯な姿勢を忘れてはいけない。
 むしろその思いをより強めていくことで、前よりもいいものをみなさんと作り上げていきたい。
 逆に言うと、思いを強めなければそれは不可能だとも言えるだろう。
 与えられた条件のなかで、より美しい音楽を、よりひたむきな部活動を行っていくにはどうすればいいか。
 これから、みんなで頭をしぼって考えていこう。
 3年は、このまま微妙な感じでフェイドアウトしようかなという感覚にならないように。
 2年は先のことを見据えすぎず、今やるべきことを考えてチャレンジしよう。
 まだ見ぬ1年よ、はやく入部してこい。
 いま準備万端な状態とは言えないが、だからこそ一緒に作っていこうではないか。

 私も、長く教員を続け、吹奏楽顧問を続けてきたが、まさに未曾有の出来事だ。
 練習もできない、定期演奏会も、コンクールもないなんて。
 不運、不幸と感じてしまう気持ちがないとは言い切れない。
 しかし、誰が悪いわけでもないのだ。
 いつもとちがった状況におかれているのは、決して試練ではない。
 いつもとちがった形で、精一杯のことをやるだけだ。
 聞いていただく人に喜んでもらえる演奏をする。
 そのための精進を通して人として成長する。
 この吹奏楽部の根本的な目標を見失わなければ、やるべきことは見えてくる。
 一時この目標を見失っていたこともあって、妙に部内がまとまらない状況になっていたことは記憶に新しいではないか。
 いったん仕切り直して、心を一つにして頑張っていこう。
 
 さしあたり、今、家でやれることを、よりレベルをあげてやっていこう。
 まずは、やることがなくなるくらいに勉強してしまうこと。
 そして、今できる音楽活動。
 楽器そのものに触れられなくても、音楽的能力をあげる手段はいくらでもある。
 むしろ、みんなの多くに足りないのは、楽器以外のことかもしれないし。
 なんらかの形で楽器の練習ができる人はもちろん、工夫してやっていこう。
 そして動画づくりにも楽器でも踊りでもいいので、がっつり取り組もう。
 引退したり退部したりした気分の3年もいるかもしれないが、気を取り直してやってみようではないか。
 この先、いろいろと企画していたイベントも、毎年やっている合同演奏会なども、予定したとおりにはならないだろう。
 むしろ「今まで通り」から開放されて、自分たちで好きなことをやれるチャンスととらえて、楽しんでいきたい。
 新しいイベントづくりは、川東が中心にならなくてどうする。
 かけがえのない1年しようではないか。
 みなさんと練習を再開できる日を楽しみにまっています。
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エール

2020年05月02日 | 日々のあれこれ
 火曜日の回だったかな、いま思い出してもぞくぞくする15分。
 最初におねえちゃんが出て、あとはずっと4人だけ、茶の間だけという設定の回。
 二階堂ふみのお姉ちゃんが松井玲奈、妹が森七菜というのも神だけど。
 「焼肉ドラゴン」の真木よう子、井上真央、桜庭ななみ3姉妹に匹敵する。
 海辺で母親の薬師丸ひろ子含めて4人並ぶシーンは、「海街」の綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずに肉薄するか。
 出演者が4人だけのお芝居というと、名作「おとなのけんか」を思い出す。
 ジョディ・フォスター、クリストフ・ヴァルツ、ケイト・ウィンスレットさんら芸達者たちの、建前と本音のいったりきたりと、徐々に収拾がつかなくなっていく人間関係とが、およそ二時間、一瞬のゆるみもなく描かれていく作品。
 15分だけど、記憶の4人に優るとも劣らない、日本を代表する4人の役者さんの見事なかけあいだった。
 もう何十年も見続けている薬師丸ひろ子、唐沢寿明両ベテランはのすごさは言うまでもないが、若い二人のお芝居がそれに全く劣らない。
 おおげさだけど日本のお芝居界の未来まで明るく照らすような、役者としての上り坂とはまさにこんな輝きになってあらわれるのかと思わされて泣けてきた。
 一場のシチュエーションコメディは、テレビドラマというより宅間孝行さんの舞台を思いおこさせる。
 単語の一つ一つがすべて有機的につながり、各人のキャラクターを際立たせていく脚本も見事だ。
 なるほど「神回」という言葉は、こういう回のためにあったのか。
 休校でなかったら見なかったかもしれないから、これは感謝すべきかもしれない。
 あと、窪田君の指揮、ものすごく上手じゃないですか? どなたが指導されたのだろう。
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始業式

2020年04月07日 | 日々のあれこれ
 4月7日。午前午後で2年3年を分けての始業式。
 といっても式は行わずに、新クラスの発表、副教材販売、身分証明書用写真撮影、宿題の連絡などをあわただしく行う。
 もちろん部活はない。
 昨日の夕方、今日配ってもらうプリントを印刷したりして残っていたら、「明日いくらもっていけばいいんでしたけ?」「選択番号忘れました」的な電話が入った。「明日、本当に登校日にするのですか?」というご質問もあった。
 「密」をつくらないように万全を期して行いますとしか答えられないが、でも今日やれてよかった。
 緊急事態宣言が出てしまうと、さすがに集めにくい。
 昇降口で、「靴もって教室いけよ」「ちゃんとマスクして」「はい、おはよー」と出迎えててなぜか少しうるっときた。年か。
 もう3年とはいえ、男子高とはいえ、新クラスのメンバーは気にはなる。
 2階からもりあがる声がきこえてきて、つい「静かにHRを待ちましょう」と放送してしまった。
 次に顔を合わせるのは一ヶ月後になるのだろうか。
 今の子はラインとかですぐつながるとは言え、やはり同じ教室でバカ話をして、まったりしてはじめて、ゆるゆるとつながっていけるものだ。
 
  ~ 明日も会うのになぜか僕らは 眠い眼こすり 夜通しバカ話
    明くる日 案の定 机並べて居眠りして 怒られてるのに笑えてきて (野田洋次郎「正解」)~

 「正しい」高校生像。そんな居場所を早く用意したいけど、今は我慢するしかない。
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入学式

2020年04月06日 | 日々のあれこれ
4月6日。新入生だけで入学式。
 来賓挨拶や祝電披露もなくシンプルな形でさくっと終えて、最後教員がみんなで拍手してみんなを迎える。
 ひょっとしたら、毎年これでいいのではとの思いが頭をよぎってしまったが、君が代も校歌もテープを流すだけなのはさびしい。
 考えてみると、卒業式や入学説明会での校歌指導とか、定期演奏会とか、保護者懇親会とか、朝西さんの演奏会とかも含め、たくさんの歌う機会がなくなってしまった。いつ何があってもいいように個人練はかかさないようにしよう。
 歌ったり、演奏したりするプロの方は、その場がなくなる=収入がなくなるだから、ほんとうにやるせない思いだろう。
 部活が再開できそうになったら、すぐにでも楽器のレッスンをお願いしないといけないし、これだけ間があくと、上級生たちも新入部員に接近してしまっているのではないかとの不安がうまれてくる。
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新年度

2020年04月01日 | 日々のあれこれ
4月1日。年度初めの職員会議、教科会議、学年会議、荷物の移動など。
 ウエスタ川越にでかけ、10月4日に開催する予定「男祭り」のための控え室などを予約しにでかける。
 希望通りに場所をおさえることができた。
 そこでお会いした中学校の先生から、川東に入学した吹部の子がいるのでよろしくお願いしますと言われ、喜び、はやく練習したい気持ちがわいてくる。
 4月6日に入学式を、7日に始業式を行うことだけは今日決まったが、それ以外は未定。
 いつから授業ができるのか、練習が再開できるのか。
 まさか、震災のとき以上に活動できない状況になるとは、はじめのうちは思いもしなかった。
 しかし、2011年と決定的に異なるのは、電気も水もガスも通信も、すべて整った環境で生きていけることだ。
 ライフラインを守ってくれる人がいる。
 生活必需品を生産し続けてくれる人がいる。
 自宅で働ける人を支えるために、外で働いてくれてる人がいる。
 外出できなくてつまんないとか、お上の対応が悪いとか、文句ばかり言うような醜い人間にはならないようにしたい。
 医療機関で自らの命の危険をおして働きつづけてくださっている方々の志に思いをはせて、日々を過ごしたい。
 何か自分にやるべきことがあるなら出動できるだけの、ほぼほぼ健康な身体を維持しておかねば。
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開催見送り

2020年03月27日 | 日々のあれこれ
3月27日に予定していました第28回定期演奏会は
開催を見送らせていただきます。
部活動は当面休止となります。
活動が再開できるようになったとき、
むしろパワーアップした川東吹奏楽部をご披露できるよう
雌伏の日々をすごしたいと思います。
みなさま、おからだお気をつけておすごしください。
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川越市合同演奏会

2020年02月11日 | 日々のあれこれ
第15回川越市合同演奏会

日時 2020年2月11日(祝日)

会場 ウエスタ川越大ホール

曲目 「ディープ・パープル・メドレー」(1年生バンドで出場)

    10時24分頃演奏予定 ご来場お待ちしてます!

出演順
 開会式・合唱練習  9:30
1大東西小学校    9:48
2県立川越西高等学校
3川越市立富士見中学校
4川越東高等学校
5川越市立霞ヶ関中学校
6川越市立初雁中学校 10:48
7川越市立川越第一中学校
8川越市立今成小学校
9川越市立新宿小学校
10川越市立野田中学校
11川越市立城南中学校 11:55
12城北埼玉中学・高校
13川越市立寺尾中学校
14川越市吹奏楽団
15県立川越女子高等学校
16川越市立福原中学校 13:02
17川越市立南古谷中学校
18山村学園高等学校
19川越市立砂中学校
20川越市立名細・川越西中学校
21県立川越南高校   14:02
22川越女子OG吹奏楽団
23市立川越高等学校
24川越市立中央小学校
25県立川越総合高等学校
26川越市立東中学校  15:09
27県立川越高等学校
28川越奏和奏友会吹奏楽団
29星野高校
 全員合唱      15:57 

みなさん、ありがとうございました!!
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