水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

例文集エクササイズ

2017年02月06日 | 国語のお勉強(漢文)

 

  一年生から今まで教科書や問題集で学んだ漢文のなかから、『英文700選』とか『構文150』とかのイメージで抜き出して、毎時間音読している例文集がある。「1花開 2水為氷 … 」からはじまる。
 年度末なので、まとめに入ることにした。今までやってきた108文を四分割し、それぞれのパーツについて、次の作業をする。
 1訓点付きの例文を音読する。 2返り点だけの例文を音読する。 3白文の例文を音読する。
 4確認テストを解く。     5 答え合わせをする。     6 再度訓点付き例文を読む。
 7自力で白文に訓点をつける。
 それなりにタフな作業だが、7まできちっとやれたら、わずか100ちょっとの単文とはいえ、力はつくはずだ。
 英文であってさえ、100を完全に身につけておくと1アップするかな。
 楽器も、12のスケール、半音階をさらさらと吹けるようになると、ぐっと上手になる。

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受身の用法

2016年10月09日 | 国語のお勉強(漢文)

 

〈 受身 〉


1 助動詞「見・被」を用いたもの 

 S 見レV 。 … SはVされた。【 S・助・V 】

  王 見レ殺。   王殺さる(王は殺された)。
  有レ功、被レ誅。 功有れども、誅せらる(功績があったのに、罰せられた。)


2 前置詞「於」によるもの

 S V(二)於A(一)。 … SはAにVされた。【 S・V・M 】

  窮 者 常 制(二)於 人(一)。 窮する者は常に人に制せらる(追い込まれた人は常に人に制せられる)。


3 代名詞「所」を用いたもの【 S・V・C 】

 S 為(二)A 所(一レ)V 。 … SはAにVされた。

  我 為(二)先 生 所(一レ)叱。 我先生の叱る所と為る(私は先生に叱られた)。


4 Vの意味上、受身に読むもの

 S V(二)[地名・官職](一)。 … Sは[地名・官職]にVされた。

  ☆ V … 封 禄 叙 任 用 遷 謫 etc 

  我 兄 任(二)一 年 生 担 任(一)。

   我が兄一年生担任を任ぜらる(私の兄は一年生の担任を任命された)。


 「受身」は、基本的に「不幸」または「予期しない」内容を表現する。
 自分の意に反して起こった出来事、自分の意志ではどうすることもできない内容だ。
 「弑される(殺される)」「逐はる(地位を奪われる)」「遷せらる(左遷される)」のように。
 ある地位を「任ぜられる」のは不幸ではないかもしれないが、自分の意志ではなく、あくまでも「恩寵」である。

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「雑説」の授業 3

2016年05月22日 | 国語のお勉強(漢文)

 

三段落


10 策 之 不 以 其 道。
11 食 之 不 能 尽 其 材。
12 鳴 之 而 不 能 通 其 意。
13 執 策  而 臨 之 曰、「天 下 無 馬」。
14 嗚 呼 其 真 無 馬 邪、其 真 不 知 馬 也。

 

10 (奴隷人)策之 → 不以其道。
       ↓
11 (食馬者)食之 → 不能尽其材。
       ↓
12 (千里馬)鳴之 → 而 不能通其意。
       ↓
13 (食馬者・奴隷人)執策  而 臨之曰、「天下無馬」


14 嗚呼 其真 無馬 邪
       ↑
       ↓
     其真 不知馬 也。


Q「策之」について「策」の主語と「之」の指示を抜き出して答えよ。
A「策」 … 奴隷人
 「之」 … 千里馬

Q「其道」とはどういうことか。
A 千里の馬の扱い方。

Q「鳴之」について「鳴」の主語と「之」の指示内容を抜き出して答えよ。
A「鳴」 … 千里馬
 「之」 … 奴隷人or食馬者

Q「不能通其意」は、a「其の意に通ずる能はず」、b「其の意を通ずる能はず」というように二種類の訓読が可能だが、それぞれの場合をわかりやすく訳せ。に
A a 奴隷人(食馬人)の心に届けることはできない
  b 千里馬の気持ちを伝えることはできない

Q「嗚呼」は、(1)誰の、(2)どのような気持ちか。
A(1)作者(韓愈)の、
 (2)名馬を目の前にしながらその才能を見抜くことができず、名馬がいないと嘆く人に対する絶望的な思い。

Q「千里馬」「伯楽」はそれぞれ何をたとえていると考えられるか。
A 千里馬 … 有能な人材
  伯楽  … 有能な人材を見いだして登用する為政者


 伯楽の不在 → 千里馬のみじめな状態
   ∥
 すぐれた為政者の不在 → 有能な人物の不遇な状態


Q「常馬」「粟」は何のたとえか。
A 常馬 … 平凡な人
  粟 … 報酬・業務

Q 漢文の書き手・読み手とは、書かれた当時においては一般的にどういう人物か。
A 古代中国の知識人。インテリ。科挙の試験に合格し、役人、官僚、政治家となった人たちであり、多くは同時に文学者である。

Q この文章が書かれた時代、役職、地位を得るにはどのような状況になったと考えられるか。
A 科挙に合格しても、その後要職に取り立てられ出世できるかどうかは、派閥の力や賄賂の多寡にかかっていた。

Q 筆者の主張はどのようなものか。
A 上に立つ者の無能ぶりを批判している。

Q なぜ例え話で述べるのか。
A 身の安全を確保するため。

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「雑説」の授業 2

2016年05月21日 | 国語のお勉強(漢文)

 

 「雑説」の授業 2

 二段落


5 馬 之 千 里 者 一 食 或 尽 粟 一 石。
6 食 馬 者 不 知 其 能 千 里 而 食 也。
7 是 馬 也、雖 有 千 里 之 能 食 不 飽、力 不 足、才 美 不 外 見。
8 且 欲 与 常 馬 等、不 可 得。
9 安 求 其 能 千 里 也。


5 馬之千里者 … 一食或尽粟一石
   ↑
   ↓
6 食馬者   … 不 知其能千里
          而食    也
   ↓
7 是馬也 有千里之能
       ↑雖
       ↓
      食不飽
       ↓
      力不足 → 才美不外見
8   且 
 (千里馬)欲与常馬等 → 不可得
   ↓
9 安求其能千里也 (=不能求其能千里!)

 

Q4「不知」とあるが、何をか。
A4 自分の養っている馬が、抜きんでた能力を持っていること。

Q5「是馬」とは何のことか。30字以内で述べよ。
A5 持っている能力の高さを理解されずに飼われている千里馬。

Q6「才美」と同義の語を4字で抜き出せ。
A6 千里之能

Q7「安求其能千里也」を訳せ。
A7 どうしてこの馬に一日に千里走るように望むことができようか、いやできない。

☆ 反語 … 疑問文の形式を借りた否定文。

 なぜ疑問の形を用いるか
  ↓
 通常の否定文のプラスαのニュアンスをこめるため
  ↓
 プラスαとは、基本的に強調・可能

  安V也 豈V哉 → 不V! or 不能V!

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「雑説」の授業(1)

2016年05月20日 | 国語のお勉強(漢文)

「雑説」の授業(1)

 

 一段落

1 世 有 伯 楽 然 後 有 千 里 馬。
2 千 里 馬 常 有。
3 而 伯 楽 不 常 有。
4 故 雖 有 名 馬 祇 辱 於 奴 隷 人 之 手 駢 死 於 槽 櫪 之 間、不 以 千 里 称 也。


1 世有伯楽
   ↓然後(そうしてはじめて)
   有千里馬

2 千里馬常有 … 千里馬はいつもいる
   ↑
3  ↓而(しかれども … しかしながら)but
  伯楽不常有 … 伯楽はいつもいるとはかぎらない
4  ↓故(ゆゑに … だから) therefore
  有名馬
   ↑雖(いへども … といっても)although
   ↓
 (名馬)祇辱於奴隷人之手  於 … 受身by
      (且)
     駢死於槽櫪之間      於 … 場所at
      ↓
     不以千里称也   助動詞・前置詞句・動詞・終助詞(語気詞)
                                      =副詞

Q1「然」は何を指すか。
A1 この世に伯楽がいること。

Q2「伯楽不常有」を訳せ。
A2 伯楽はいつもいるとはかぎらない。

Q3「伯楽」がいないとき、「千里馬」はどうなるというのか。40字以内で説明せよ。
A3 能力にふさわしい扱いを受けられず、才能を発揮できないまま生涯を終えることになる。

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訓読練習プリント

2016年04月19日 | 国語のお勉強(漢文)

 

 例年、新入生部員の9割が初心者なので(今年は5人も入ってくれた)、全員に一通り楽器を体験してもらってから、パートを決めている。
 同時に、各パートの先輩が適性をみてチェックし、全部回ったあとで、本人の希望と、先輩達からのリクルートによってパートが決まっていく。
 ただトランペットは希望と適性とが相当合致してないと、なかなかつらい思いをすることが過去多かった。
 一昨年からかな、楽器のレッスンの先生もよんでチェックしてもらうことで、トランペットメンバーの上達スピードがあがったと思う。今日はその日だった。
 その体験コーナーのあとは、今日は楽典の講義。どうすればリズムが生まれるか、四分音符とは何か、音階って何か … 。楽しいけど、授業より一生懸命やるので(あっ)、ちょっと疲れた。

 にもかかわらず、漢文の授業では毎回ちょっとした確認プリントをやろうと急に思いついて、つくってみた。
 重要例文集の音読、確認テスト、問題(演習)を解く、解説を聞く、本文の音読というパーツの組み合わせを基本パターンAとして今年は進めていく。


訓読の練習1

1 其 母 使 女 問 父 (其の母 女(むすめ)をして父に問はしむ。)

2 天 帝 使 我 長 百 獣 (天帝 我をして百獣に長たらしむ。)

3 魯 欲 使 楽 正 子 為 政  (魯 楽正子をして政(まつりごと)を為さしめんと欲す。)

4 真 希 好 彼 所 作 餃 子 (真希 彼の作る所の餃子を好む。)

5 男 得 一 女 所 解 毛 衣 (男 一女の解く所の毛衣を得(う)。)

6 波 瑠 為 主 役 (波瑠 主役と為る。)

7 我 為 先 生 所 叱 (我 先生の叱る所と為る。)

8 波 瑠 為 国 民 所 愛 女 優 (波瑠 国民の愛する所の女優と為る。)

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「先従隗始」の授業 2

2015年11月26日 | 国語のお勉強(漢文)

 

「先従隗始」の授業 2


 隗 曰
「古 之 君 有 以 千 金 使 涓 人 求 千 里 馬 者。
 買 死 馬 骨 五 百 金 而 返。
 君 怒。
 涓 人 曰『死 馬 且 買 之。況 生 者 乎。馬 今 至 矣。』
 不 期 年 千 里 馬 至 者 三。
 今 王 必 欲 致 士 先 従 隗 始。
 況 賢 於 隗 者 豈 遠 千 里 哉。」
 於 是 昭 王 為 隗 改 築 宮 師 事 之。
 於 是 士 争 趨 燕。


Q「古之君有以千金使涓人求千里馬者」とあるが、誰が誰にどうしたのか。
A「古之君」が「涓人」に「千里馬」を「千金」で「求」めさせた。

「有」
 A 有レB。 … AにB有り。→AにはBがある。

「者」
  ~者「~もの・~こと」… ~もの・~こと〈体言化〉
  ~者、「~は」… ~は・~というものは〈主題の提示〉

使(二)A V(一)。 … AをしてVしむ。→AにVさせる。

以レA V … Aを以てVす→AでVする。

 川 東 之 生 徒 有(下)好(二)波 瑠(一)者(上)。 … 川東の生徒に波瑠を好む者あり。

 以(二)千 金(一)使(三)弟 買(二)波 瑠 之 写 真 集(一)。
                                 … 千金を以て弟をして波瑠の写真集を買はしむ。

 川 東 之 生 徒 有(下)以(二)千 金(一)使(三)弟 買(二)波 瑠 之 写 真 集 者(上)。
                 … 川東の生徒に千金を以て弟をして波瑠の写真集を買はしむる者有り。

Q「君怒」とあるが、なぜか。
A 一日に千里を走る名馬を買い求めさせた涓人が、五百金も使って死んだ馬の骨を買ってもどってきたから。


〈抑揚形〉
  A 且 ―― 、況 B 乎。 … Aすら且つ ~ 、況んやBをや。
               → Aでさえ~(x)だ、ましたBはなおさら(x)だ。

(例)新 庄 且 活 躍、況 松 井 乎。(新庄すら且つ活躍す、況んや松井をや)

Q A、Bにあたる語は何か。
A A … 新庄 B … 松井
Q 松井選手はどうだ(x)と言いたいのか。
A 言うまでもなく活躍するということ。

 新 庄 且 活 躍、況 松 井 乎。
                       ∥
           松 井 必 活 躍。

 死 馬 且 買 之。況 生 者 乎。(死馬すら且つ之を買ふ。況んや生ける者をや)

Q A、Bにあたる語は何か。
A A … 死馬 B … 生者
Q 「生者」をどうする(x)と言いたいのか。
A 言うまでもなく高く買うということ。

 死 馬 且 買 之、況 生 者 乎。
              ∥
           生 者 必 買 之(と世間に伝わる)
                ↓
     (その結果)名馬は自然に集まるでしょう
              ∥
           馬今至矣

Q「今王必欲致士、先従隗始」の「始」とは、具体的にどうすることか。二字熟語を2つ抜き出して答えよ。
A 師事 厚幣

 先従隗始 … まず、この私(隗)を厚遇してほしい

Q 抑揚形の基本形に直した次の文の空欄には何が入るか。

 郭 隗(=A)且 厚 遇 之、況〈  B  〉乎。

A 賢於隗者

先 従 隗 始
   ∥
郭 隗 且 厚 遇 之、況 賢 於 隗 者 乎。
                ∥
            賢 於 隗 者 必 厚 遇 之(と世間に伝わる)
                ↓
       (その結果)賢者は自然に集まるでしょう
                ∥
            賢 於 隗 者 豈 遠 千 里 哉
                ↓
            賢 於 隗 者 不 遠 千 里、而 争 趨 燕

豈 V 哉。 … 豈にVせんや→ どうしてVしようか、いや決してVしない。

 ※ 豈 V 哉 = 不レV!  豈 不レV 哉 = V!

Q 「千里馬」「死馬骨」は、それぞれ何をたとえたのか。
A 千里馬 … 賢於隗者 死馬骨 … 郭隗

 

〈 前置詞 〉 S・「前」レ ~・V・O  
 自レ~・従レ~「~よリ」… ~より・~から
 以レ~「~ヲもつテ」… ~によって・~を用いて・~で・~を
 与レ~「~と」… ~と
 為レ~「~ノためニ」… ~のために
  対レ~「~ニたいシ」 … ~に


Q 「士争趨燕」とあるが、なぜか。
A 郭隗より優れていると自負する賢者たちは、自分ならもっと燕に厚遇されるはずだと思ったから。

Q「先従隗始」は、現在ではどういう意味か。
A 言い出した者から実行しなさい。

 

(現代語訳)
 燕の人々は太子の平を立てて君主とした。これを昭王といった。(昭王は)戦死者を弔い、生存者を見舞い、へりくだった言葉遣いをし、多くの礼物を用意して、賢者を招聘しようとした。(しかし賢者が集まらなかったので)昭王は郭隗に問うて言う、「斉はわが国の混乱につけこんで、燕を攻め破った。私は燕が小国で、(斉に)報復するには力が十分でないことをよく承知している。(そこで)ぜひとも賢者を味方に得て、その人物と共に政治を謀り、先代の王の恥をすすぐことが、私の願いである。先生、それにふさわしい人物を推薦していただきたい。私自身その人物を師としてお仕えしたい。」と言った。
 (郭)隗は言う、「昔、ある国の君主で、涓人に千金を持たせて、一日に千里を走る名馬を買いに行かせた者がおりました。(ところ涓人は)死んだ馬の骨を五百金で買って帰って来ました。君主は怒りました。涓人は言いました、『死んだ馬の骨でさえ買ったのです。まして生きている馬だったらなおさら高く買うに違いない(と世間の人々は思う)でしょう。千里の馬は、すぐにやって来ます』と。一年もたたないうちに、千里の馬が三頭もやって来ました。今、王が、ぜひとも賢者を招き寄せたいとお考えならば、まず、この隗からお始めください。まして私より賢い人は、どうして千里の道を遠いと思いましょうか。(いや、千里の道も遠しとせずにやって来るでしょう)」と。
 そこで昭王は、隗のために新たに邸宅を造って郭隗に師事した。すると(それを聞いた)賢者たちは先を争うように燕に駆けつけた。

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「先従隗始」の授業(1)

2015年11月13日 | 国語のお勉強(漢文)

 

  「先従隗始」の授業 1

 一段落

 燕 人 立 太 子 平 為 君。
 是 為 昭 王。
 弔 死 問 生、卑 辞 厚 幣 以 招 賢 者。
 問 郭 隗 曰、
「斉 因 孤 之 国 乱 而 襲 破 燕。
 孤 極 知 燕 小 不 足 以 報。
 誠 得 賢 士 与 共 国 以 雪 先 王 之 恥、孤 之 願 也。
 先 生 視 可 者。得 身 事 之。」

燕人 … 「えんひと」。燕の人々。

太子 … 王位継承権をもつ子。

君 … 君主・王  ←→  臣(家臣・家来)

「為」
 a 為レA V  … AのためにVす 【前置詞】
 b 為レO    … つく(ル) をさ(ム)
 c 為レC    … な(ス) な(ル) た(リ)

「是」 … これ 主語・主題をあらためて提示する

Q「弔死問生」の主語は何か。 
A 昭王

Q「弔死問生」の目的は何か。
A 人民の気持ちを掌握し、国の再興への機運を高めるため。

Q「卑辞厚幣」の目的は何か。10字以内で記せ。
A 賢者を燕に招くため。

「以」【前置詞】
 a 以レA V  …  Aを・Aで・AによってVす
 b 以 V    … 「以レ之V」の省略形 → (これによって)Vする
  ※ 「 ~、以 V」 → 「 ~(手段)「以」(目的)V」の構造になっている

 卑辞厚幣(手段)→「以」→ 招賢者(目的)

Q 賢者を招こうとしたのはなぜか、昭王の気持ちを表した一文を抜き出せ。
A 誠得賢士与共国以雪先王之恥孤之願也

 士与共国(手段)→「以」→ 雪先王之恥(目的)

「先王之恥」について、
Q1「先王」の名は何か。  
A1 噲
Q2「先王之恥」とは何か。30字以内で記せ。
A 国内の混乱に乗じて斉に攻められ、殺されてしまったこと。

雪レ恥(はじをすすぐ) … 受けた恥を洗い流す。名誉を取り戻す。
 「雪レ辱」も同じ。 雪辱戦 雪辱を果たす

孤「こ」… 私(君主の謙称)
 寡人「かじん」… 私(君主の謙称・徳が寡ない人の意)

「孤極知」について、
Q1「極」はどこにかかるか。
A1 知
Q2 何を「極知」なのか。
  a)抜き出せ b)30字以内で説明せよ
A2a)燕小不足以報
  b)現在の燕国は弱小であり、斉に報復する力はないということ。

不レ足レV … Vするのに十分ではない

「与」
 a 与レA V  …  AとVす【前置詞】
  ※ A 与レB  … AとBとは
 b 与 V … ともにVす 【副詞】
 c 与レO … あた(フ) あづ(カル) くみ(す)

助動詞  〈 S 助レV O 〉
 不レV・弗レV「~ず」 … Vしない
 見レV・被レV「~る・らル」 … Vされる
 可レV「~べし」 … Vできる・Vしてもよい
 得レV「~う」 … Vできる
 能 V「よク~」 … Vできる (※これだけ上から読む)
 勿レV・毋レV「~なカレ」 … Vしてはいけない
 欲レV「~ントほつス」 … Vしようとする・Vしそうだ
 足レV「~ニたル」… Vするに十分だ・Vするに値する

Q「先生」とは誰か。
A 郭隗

Q「身」にあたるのは誰か。
A 昭王

 ☆ 古文でも漢文でも、通常 「身」 … 自分 「人」 … 他人 を表す

Q「事」と同じ意味の熟語はア~ウのうちどれか。
    ア 師事   イ 事実   ウ 事業
A ア

事 ~に事ふ(つかフ)… 仕える
  ~を事とす(ことトス)… 問題にする・専念する

Q「之」の指示内容を抜き出せ。
A 可者

Q「可者」とはどのような人か。25字以内で説明せよ。
A 国を立て直す方策を相談するのにふさわしい人物。

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「漁夫之利」の授業

2015年06月04日 | 国語のお勉強(漢文)

 今 者 臣 来 過 易 水。蚌 方 出 曝。而 鷸 啄 其 肉。蚌 合 而 箝 其 喙。

Q1 どこから「出」たのか   A1 泥の中
Q2 何を「曝」したのか    A2 貝の身
Q3 何を「合」したのか    A3 貝の殻
Q4 何を「箝」んだのか。   A4 鷸の喙(くちばし)

「而」
 1  V1(テ)而V2 … V1してV2す。(而は置字)。
 2a ○○○。而(シテ)~ … しかシテ~
 2b ○○○。而(ルニ)~ … しかルニ~

Q5 なぜ「喙」を「箝」んだのか。30字以内で説明せよ。
A5 鷸を身動きできなくし、自分が食べられないようにするため。

 


 鷸 曰「今 日 不 雨 明 日 不 雨、即 有 死 蚌。」
 蚌 亦 謂 鷸 曰「今 日 不 出 明 日 不 出、即 有 死 鷸」

Q6「今日不雨、明日不雨、即有死蚌」を、セリフのようにわかりやすく現代語訳せよ。
A6 今日このまま雨が降らず、明日も雨が降らなかったら、おまえはすぐに干からびて死んだ貝となるだろう。

Q7 鷸はなぜこう言ったのか。20字以内で説明せよ。
A7 蚌をおどして貝を開かせ、自由になるため。

「亦」 ~(モ)亦 … ~も同様に

Q8 言われた蚌は、同様にどうしたのか。
A8 鷸をおどして、喙をはずさせ身を守ろうとした。

 


 両 者 不 肯 相 舎。漁 者 得 而 并 擒 之。

Q9 「両者不肯相舎」とはどういうことか。
A9 蚌と鷸はお互いに相手を離すことに同意しなかったということ。

Q10 その結果どうなったのか。
A10 通りかかった漁夫が、蚌と鷸を苦も無く手に入れることができた。

Q11 この話から生まれた「漁夫の利」の意味を説明せよ。
A11 当事者同士が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうことのたとえ。

 


(リード文)
 戦国時代、超が燕を攻めようとしていた。蘇代は超の恵王のところに行き、「超と燕とがいつまでも争っていると、強国の秦が利益を得るだけです」と説き、燕に対する攻撃を取りやめさせた。その際に、蘇代は次のようなたとえ話を使っている。

Q12 「臣」と言っているのは誰か。
A12 蘇代

Q13 蘇代は誰に対して話しているのか。
Q13 超の恵王

「臣」 … 私は(へりくだった一人称)

Q14 蘇代が恵王にこの話をした目的は何か。
A14 燕に対する超の攻撃を取りやめさせるため。

Q15 誰に頼まれたのか。
A15 燕の昭王。

Q16 このような働きをする人を何と言うか。
A16 遊説家。

Q17  本文における、蚌、鷸、漁夫はそれぞれ何を例えたものか。
A17 蚌 … 燕 鷸 … 趙 漁夫 … 秦

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ちょっとしたこだわり(2)

2015年05月13日 | 国語のお勉強(漢文)

 

 教科書のように「漢字の左下にレ点や一二点をつける」と大雑把に教えてもいいけど、本来は違う。
 
 レ点は、先に読む漢字の「左上」につけたもの、
 一二点は、二字以上返して読む漢字の「左下」につけたもの、だ。

 レ点のついた文字から行が替わるとき、レ点は前の漢字の左下に書かれてしまうが、これは印刷の見た目上の問題だろうか。昔の本は、ちゃんと次の行の左上につけられていた。

 不(二)為(レ)弟 買(一レ)本。

のように、漢字の間に(一レ)とか(上レ)がつけられる場合がある。
 これは決して「一レ」というセットの返り点があるのではない。
 先に読む「本」の左上に(レ)がつき、「不」に返す「買」の左下に(一)がつけられた結果として、二つ重なった形になっている。
 こうやって原則を知っておくと、(レ一)と書いてしまうような間違いはふせげるはずだ。

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