水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

自己採点

2019年07月05日 | 学年だよりなど
  2学年だより「自己採点」


 試験おつかれさまでした。答案がかえってくるのを待たず、自分で自分を採点しておこう。
 正しい自己採点の方法は、できた問題は「+1点」、まちがった問題は「+2点」、何も書かなかった問題は「-2点」だ。できた問題は、それが確認できたことをよしとしよう。
 間違った問題こそが自分を成長させるのだから、「+(プラス)」だ。
 書かなかった、答えなかった問題は、チャレンジさえしなかったのだから「-(マイナス)」だ。
 この考え方は、人生全般にあてはまる。


 ~ 「失敗するのがイヤだ」「勝ちっぱなしの人生を歩みたい」
 という人もいるだろうが、何か考え違いをしていると言わざるを得ない。人は失敗を通してしか成長できないのだから、失敗を恐れていたら、成長もできないということである。
 日本だと、会社を興して倒産させた経営者は、悪く評価されてしまう。
 輝かしい経歴にキズがついた、ということになる。
 ところが、アメリカでは、むしろ失敗した経営者のほうが高く評価される。なぜかというと、苦々しい失敗を味わった人は、次は失敗しないようにあらゆることを考え尽し、改善しようとするだろうと期待されるからである。だから、評価も高くなるのである。 ~


 練習して試合に負けることは、人生にとって大きな「+(プラス)」であり、気になる女子の連絡先さえ聞かないのは李徴なみの「-(マイナス)」だ。
 やりたいことにチャレンジしての失敗は、「+」の二乗といえる。


 ~ 失敗することは、決して悪い経験ではない。
 ノートル・ダム大学のスザンナ・ナスコは、293人の大学生に、一ヶ月の期間をあけて、2回の試験を受けさせたことがある。
 このとき、1回目の試験でさんざんな目に遭った学生は、2回目の試験のときにはしっかりと準備をして臨むことが明らかになった。「これはいかん!」と猛省した学生は、2回目の試験で高得点をあげたのだ。
 ところが、1回目の試験でそれなりにできのよかった学生は、安心してしまったのか、2回目の試験では成績が悪くなってしまったのである。
 この実験が示しているのは、人は苦い経験をするからこそ、将来に備えることができるということである。
 逆にいうと、苦い経験を積まなければ、人は伸びることができないのだ。 (内藤誼人『人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた』大和書房) ~


 同じ試験をもう一回受けたときに、ちゃんとできるようにしておくことを「成長」という。
 「次は頑張ろう」ではなくて、今日やるべきことをやっておこう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする