水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

孤独力(2)

2021年09月16日 | 学年だよりなど
1学年だより「孤独力(2)」


 大人に「今が大事だから」と言われれば、「いつだって大事なんじゃない?」と思ったり、「今しかできないことをやろう」と言われれば「その気になればいつでもできるでしょ?」とみなさんが感じたりすることは、十分理解できる。みなさんの前にいる多くの大人達もそんなふうに感じてきたから。そして、そんなことをエラそうに語る大人をうるせぇなと思ってきた。
 それでも、やはり高校生の「今」の時間と、20年後、30年後の時間とは質が異なるのはまぎれもない事実だろう。成長過程の生物体は、エネルギーにあふれているからだ。
 それが減りはじめたときに、人は若さのもつエネルギーに気づく。
 そして、その減少にまかせて、人としての能力も下がっていく……、通常は。
 しかし、年齢的若さそのものが減っていながら、内面的若さが全く衰えない人がいる。
 身体面でも、30歳、40歳を越えて、20代より運動能力を高めている人がいる。
 新しいものを生み出す力や、チャレンジする姿勢を増しているような人もいる。
 年齢とともに普通に衰えていく人と、そうでない人とでは、何が違うのか。
 「おれも昔は……」と語るオヤジになるか、年齢を重ねても前向きな男になるか。どちらを選ぶのもみんなの自由だが、後者を選びたい人のために、いいことを教えよう。
 齋藤孝氏は言う。今の「エネルギー」を「技」に変えておくのがコツだと。


~ あり余っているかに思えるエネルギーも、実は年々衰えていく。特に、三十代以降を生き切るためには、若いうちにエネルギーを技に変えておくのがコツである。たとえば自転車は、転ぶことも平気な時期に乗り方を覚えておかないとまずやる気がしないだろう。失敗をおそれずに挑戦するには、エネルギーが必要だ。高齢になっても、もちろん新しいことにはチャレンジできる。しかし、そうしている人は、若いうちからチャレンジすることが習慣として身についていることが多い。
 エネルギーのある時期に技を一度身につけておけば、ブランクが多少あってもやり直してすぐにさまざまな活動に応用できる。その技によって社会の中で自分を認めさせていけるのだ。
 そう考えると、ひとりの時間とは基本的に自分を鍛える時間、何かを技に変えていくために費やす時間だと捉えておくべきだと私は思う。実際、孤独のうちに自分自身を鍛えた経験のある人は、いつでもふとした瞬間にその心身の状態を取り出すことができるはずである。 (齋藤孝『孤独のチカラ』新潮社) ~


 一人の時間はいくらでも作れる。教室でも、電車の中でも、瞬時に入り込めばいい。


~ 「電車に乗って2分で本を開いていなかったら衰えた証拠だと言えましょう」森信三先生の言葉 ~


 電車に乗ってすぐに単語集を開くかゲームをするかで、人生はずいぶん変わるのだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 浜の朝日の嘘つきどもと | トップ | 推薦書の書き方 補足2 三... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

学年だよりなど」カテゴリの最新記事