水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

大地の子みやり

2021年08月18日 | 学年だよりなど
1学年だより「大地の子みやり」


 日本のゴルフ人口は数百万人規模と言われる。総数は減少傾向にあるが、2000年代以降、ジュニア層のゴルフ人口が増え、いろんな形でサポートする機関や団体が生まれている。
 なかでも、京大卒の元プロゴルファー坂田信弘氏が作った「坂田塾」は、数々の有名な選手を育成し、日本のゴルフ界に大きな影響を与えてきた。
 ゴルフ漫画『大地の子みやり』は、プロゴルファー本多弥(み)麗(やり)さんをモデルにした物語だ。
 1996年、坂田塾の札幌校が誕生し、その3期生に鈴木みやりという少女が入塾した。
 将来はプロを目指したい、子どもながら既に経験も積んでいるといった入塾希望者がほとんどの中で、健康のためにゴルフをやらせたいという母親に連れられてきたのだった。
 そんな子がいてもおもしろいと思った坂田氏は、入塾を許可する。
 もちろんゴルフ経験はなく、体力も運動神経も十分ではない。ろくにボールにあたらない日々が続くが、毎日楽しそうに通っていた。さすがに母親は心配する。プロを目指すような子ども達に混じって練習するのはさすがに申し訳ないと、塾長の坂田に退塾を申し入れる。
 本人が続けたいのなら、それをとめる資格は親にないとつっぱねる。
 ただ坂田の内心にも、「このままゴルフを続けさせるのが本当に幸せか」という葛藤もあった。
 小学校6年の時、みやりは、体育の授業でひざを骨折した。2年間練習できない日々が続くが、月に一度の合同指導には必ず参加し見学を続けていた。中学校2年で、練習に復帰する。
 子どもの成長は早い。中学生でプロのトーナメントで活躍することも珍しくない。
 鈴木みやりは、復活後、毎日懸命に練習するが、スコア100を切ることすらままならない。
 再び退塾を申し入れた母親に、坂田は「親の覚悟が足りない」と諭す。


~ 「全国大会で、なぜ熊本校が強くて、札幌校が弱いか、わかるか?
 同じ指導を受け、同じ練習の量を続けているのに、なぜだと思う。
 親の覚悟だ。
 口を出さず、手助けもせず、ただ、じっと我が子の練習を見守り続ける覚悟だ。
 辛いのにと思い、不憫と思い、悲しいと思った時もあっただろう。
 練習に疲れて熟睡する我が子の寝顔を見ながら、泣くときもあったと思う。
 でもな、親は耐えてきた。そして塾生達の夢の花が咲き始めた。
 塾生が咲かせる花は、塾生の努力だけで咲く花じゃない。
 ゴルフ場、練習場、支援メーカー、ボランティアのコーチ達、地元の財界人達、全員の協力で 根をつけていく花なのだ。そして、その花は、最後の最後、親の覚悟で咲いていく。
 我が子の努力を信じ切れる親になれ。」 (坂田信弘・かざま鋭二『大地の子みやり』小学館) ~


 みやりは出場できた試合で予選落ちし続けるが、ゴルフに対する思いは変わらなかった。
 ゴルフの名門、私立尚志学園でゴルフを続けたいと行ってきたみやりを、母は後押しする。
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