今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

飯舘村への対応のまずさ

2011年04月17日 | 東日本大震災関連
福島県の飯舘(いいたて)村が「計画的避難区域」に入れられ、住民が困惑しているという。
政府の二重の判断ミスのつけを住民が背負う事になるので、住民が怒るのはもっともだ。
すなわち、避難させるべき時期に避難させなかったミスと、
生活再建が可能になりはじめる時期に、その可能性を棒に振らせて避難を促すミス。
現地の放射線量の値を見れば、(その解釈ができる者ならば)もっとましな判断ができた。

放射能汚染が発生したら、常識的には、まず放射線量を測りに行くものだ。
それなのに原発からの”距離”を基準にするとは、実情=放射線量を無視した形式主義だ
(政府は民間企業の責任ということで、東電にやらせたかったのだろうか。
いや本音は放射線が怖くて現地に計測に行けなかったので東京で形式的に処理したのだろう)。

避難の根拠になっているのは、年間の積算被曝量であるから、
今までの異常に高かった一ヶ月間だけ避難していれば、値が低くなり続けている現状の傾向を期待するなら、
むしろこれから帰宅の見通しが立ちそうなほどだ。

ところが、政府はその高い一ヶ月間、住民を放置していたため、
彼らの積算被曝量がその期間に高まってしまい、今後の被曝許容量が少なくなってしまった。
だから今の値でも残念ながら避難が望ましいのだ。

そもそも今の飯舘村役場の値は、3月の高かった頃の福島市のレベル。
福島市はその値の頃、避難のひの字も出ていない。
そして、今の福島市が1μSv台に下っているように、飯舘村もやがて下っていくだろう(これが大前提だが)。
すなわち、今まではともかく、これからは生活再建が可能な段階なのだ。

むしろ、これからは避難ではなく、生活再建へ向けて、もっと積極的に地上の放射線量を減らすことができないか。
たとえば、今の高値が3月15日の飛散の結果だとすれば、土壌の表面を取り除けば、空気中の値もかなり下ることが期待できる
(ただし表土は放射性物質が堆積して、空気中の4倍は放射線量があるので、作業は防護服を着て慎重に!)。
取り除いた土壌は、ヨソへもっていくわけにはいかないから、村内の人家から離れた空き地に集めて厳重に管理する。

あと、村内でも値が一様ではいはずで、確かにやたら高い地点(役場より南)もあるが、
それほどでもない地点(可能性として役場より北)があるはずなので、
低い地点があれば、見知らぬ土地へ行くより、村内の移動で収めるという手もあろう(私権の問題が色々あろうが)。

村民が、どこに避難すればいいのかは、この一ヶ月間の積算値(ホントは居住地によって異なる)をもとに、
来年の三月までの積算値が、たとえば年間被曝限度を越えない場所にすればいい。
こういう数値にもとづく客観的判断は簡単にできるのに、今の政府はそれさえやれない。

国民の安全と健康を守る能力がない今の政府が(自己の延命のためにのみ)続いている事自体が、
東日本大震災の一部になっている。