翌朝、送迎バスを午後の便にして、鹿沢の東にそびえる溶岩ドーム・村上山(1746m)に登ることにした。
もともと浅間連峰北麓の寄生火山群は”登り残し”感があったし、
台風一過の快晴で大展望が約束されている山に登らない手はない。
それに明後日は年に一度の健康診断。少しでもメタボ状態から遠ざかりたい。
山に登る予定でなかったので、装備の用意はないが、
片道1時間の短距離なので、山慣れた身にとっては空身で問題ない。
唯一おろそかにできない靴は、LLBeanのゴム底サンダルだが、一応アウトドア仕様だ。
チェックアウトして旅の荷物を預け、カメラと330mlのペットボトル、
あと地図やサイフなど小物類を入れたポーチをたすき掛けして出発。
指導標もあり、少し行けばあとは一本道。
傾斜もきつくなく、落葉松の中を快適に登る。
初老夫婦を追い抜いて、山頂に達する。
標柱のある山頂に立っただけだと、「えっ、こんなもん?」と拍子抜けだが、
更に奥に進むと、そこから、群馬北西部(嬬恋村)が一望の大展望。
浅間山から北麓のすそ野(鬼押出、北軽井沢)が伸び、その奥には、鼻曲山から浅間隠山の連嶺。
更にその奥には、榛名・赤城があり、皇海山などの栃木との県境の山並みが並び、
男体・日光白根(ここから見える最高峰)の高峰群が東の地平線を画す。
さらに山並みは北に続き、尾瀬の燧・至仏まで続く。
その手前には武尊が陣取る。
至仏の左の目を引く双耳峰は谷川岳付近だろう。するとその左の鋭峰は万太郎か。
その左に上越国境の仙ノ倉・平標が続き、白砂山(上・信・越の3境)の高みに達して、
真正面の草津白根・横手山に続く(写真は日光連山から横手山(中央やや左)まで)。
その裾、足下には宿からは見えなかった田代湖が水をたたえている。
その周囲の薄緑色は一面キャベツ畑だ。
緑のカーペットが敷かれた浅間北麓で目を引く高い構造物は、
カメラの望遠で確認すると、おもちゃ王国の観覧車だ
(カメラのズームは望遠鏡代りになる)。
するとあの付近が準定宿の「グリーンプラザ軽井沢」だな。
ここから見える山はことごとく群馬の県境を画す2000m級の山々。
見えるべき山がすべて見える。
群馬で見えないのは浅間山に遮られた西上州の山(妙義・荒船方面)だけ。
足下に拡がる嬬恋村の風景も含めて、この雄大な眺望を前にして、これぞ眼福。
ここに来て良かった、というより、これを見ないでは来た意味がないくらい。
休憩所で追い抜いた初老夫婦に話しかけ、大展望の感動を分かち合う。
下りは、キノコの傘が眼に留まる。登りでは、こんなに道脇にキノコがあるとは気づかなかった。
知識はないがキノコは好きなので、目についたキノコは接写で撮りまくる。
さらに下ると、タマゴタケがあった(左写真)。
この赤と形で一目でわかる。
さらに、なんとも美しい2本のキノコがあった(種類不明)。
今までのキノコたちに比べて群を抜いて大きく、
大きい方は丈が20cmはあり、傘の直径は10cmはある
(左写真:大きさがわかるようい自分の手を入れた)。
大きさといい、傘の尖った形といい、色といい、
すこぶる見映えがあるので、持り帰ってインテリアにしたいほど。
だけど、キノコは抜くとぐにゃぐにゃになり食べる以外に使いようがない。
宿に戻って、送迎バスに時間があるので、庭に出ようとすると、
キノコを手にしているおばさん達が私に「すごいキノコがあるよ」と教えてくれる。
私は”キノコ好き”のオーラを発しているのか。
確かに、金属のような艶のあるキノコ(イグチ類)の傘が日差しの反射で輝いている。
ただ、キノコとしての美しさは、 上写真の方が上。
私はキノコ狩りは自信がないのでやらないが、せめて写真には撮りたい。
そのためにもキノコの勉強もしよう。