今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

卒論発表会の成果

2014年02月01日 | お仕事
今日は、わが心理学科の卒論発表会。
本学で、公式に、学生の義務として卒論発表会を開催しているのは、わが心理学科だけだ。
院生が司会をし、1鈴・2鈴で時間を区切るように、学会発表と同じ形式をとる。
以前は、抄録(これも卒論本文と一緒に提出義務)を棒読みするばかりだったが、
最近はパワポ画面でわかりやすくプレゼンするようになった。

卒論では、問題となる心理現象を変数化し、定量的データを採取して統計的に分析する。
この作業が自力できちんとできることが条件だ。
心理学科は、受験的には文系だが、かように理系的トレーニングをする。

今、一年生の「研究法」のレポートを採点しているのだが、課題とした実験計画を読むと、
日常的・言語的な定性的な相違をそのまま変数化しているだけで、現象の変数化、定量化ができない。
たとえば室内環境の寒暖の違いを、”暖かい・寒い”と表現し、気温℃として変数化できない。
常識(文系)的思考から科学的思考へとトレーニングすることが、われわれ教員側の使命であり、
卒論発表会を聞くと、それができていることに満足を覚える。
うちの卒業生は、ホンモノの”理系女(りけじょ)”ではないが、
それなりに定量的思考も分析もでき、また文系的感性もある。
お薦めします。