今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

活火山に登る前に

2014年10月01日 | 防災・安全

御嶽噴火の犠牲を無駄にしないため、われわれは「他山の石」として今後の防災に生かしたい
(防災の知恵は、災害で亡くなった人たちによって築かれる)。

気象災害では事前・リアルタイムの情報が被害を左右するように、防災は情報収集から始まる。
ここで改めて登山者にとっての火山防災を考えてみたい。

火山防災に関する情報は、基本的に気象庁の防災情報サイト(←リンク)でまかなえる。
①まず「噴火警報・予報」の表か図から、自分が登る山が活火山であるか、
その中でも噴火警戒レベル対象であるかを確認する(関東・中部だと、御嶽の他に草津白根、那須岳、妙高焼山、焼岳、富士山、箱根山)。
その対象の山である場合、以下のように情報収集をする。

ウェザーニュース社の 地震サイト(←リンク)などからここ最近の地震をチェックし、
行く山での地震の有無を確認する(気象庁のサイトでもチェックできる)。
たとえ「震度1」でも日に一回以上頻発しているなら、噴火のおそれ有りとみなす。
御嶽は9月に入って地震が頻発していた。
今回の教訓として、気象庁のサイトで「警戒レベル」が1であっても、それを信用しない。

③その山の噴火しやすい場所を確認する。
気象庁火山サイトの「火山の状況に関する解説情報
(←リンク)下の「全国の活火山の活動履歴等」からその山をクリックし、「有史以降の火山活動」をチェックして、その頁を開いて、読む。
たとえば御嶽なら、9月の地震の解説が載っていたし、
過去の活動から、噴火の可能性は、王滝口の奥の院から剣ケ峰の間(地獄谷に面した部分)に限定できる。

④その場所をルートから外すか、エスケープルートを確保する。
御嶽なら、王滝口ではなく、黒沢口や濁河温泉、開田高原のルートに変更する。
どうしても王滝口から登る場合は、王滝頂上小屋で様子を窺う(小屋の人から情報を得る)。

⑤最低限、危険地帯で(昼食をとるなど)滞在する予定はたてない。

今回ここまでやっていれば、直接被害に遭うことは避けられた。
もちろん、被害があったからこそ、事後的にここまで言えるわけで、
どうすれば避けられたか、このようにして事後的にシミュレーションするべきなのだ。

⑥装備を対応化する
ヘルメット持参が最適だが、活動中の火山でない限りなかなか現実的ではない。せめて帽子は持参しよう。
即座に全身を覆える衣服(雨具兼用でよい)、懐中電灯、口と鼻を塞ぐタオル類はもともと登山では常備品。

気象庁によると、草津白根山(←リンク)も地震が続いているので注意を呼びかけている。
草津温泉の上にあり、バスで簡単に観光として行ける所なので、なおさら注意が必要だ。