大学で「安全学」(自然災害)というオムニバス授業の構成を検討している。
「防災士」や「危機管理主任」の資格を取った経験から、
現行のカリキュラムに不足しているのは、災害に関連する法規であると主張した。
ところがそれを講義できる教員が見当たらない。
学部的に法律の専門家はいるのだが、それぞれ分野が細分化され、防災関連法(たぶん行政法に属す)は講義できないらしい。
防災になぜ法知識が必要か。
法治国家においては、緊急時には緊急時用の法律が適用されるからだ。
つまり平時とは異なる権利、義務、罰則が発生する。
これを知らずして適法な防災行動はありえない。
さて、防災に最も重要な”国民の義務”をご存知か。
今日のニュースによると、御嶽山の噴火の数日前に、山にいた人たちは前兆らしい異変を認識していたらしい。
そのうちの一人でも、防災の国民の義務を遂行していたら、被害者を減らせたかもしれない。
その義務とは、「災害対策基本法」の54条。
(発見者の通報義務等)
第54条 災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、
遅滞なく、その旨を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
遅滞なく、その旨を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
御嶽山中に市町村長や警察官はいない。
なので遅滞は免れえないが、下山後に警察や自治体に通報することは可能だ。
なので遅滞は免れえないが、下山後に警察や自治体に通報することは可能だ。
ただし、この義務を知っていないと、その気も起きないだろう。
だからこそ、防災のために関連法を知っておくことが必要なのだ。