漫画家水木しげる(敬称略、以下同)の訃報をネットニュースで見つけた途端、
思わず「えっ!?」と声を出あげてしまった。
高齢とはいえ、それほど唐突で、しかもショックが大きかった。
少なくとも、今年の訃報では声を出した物故者は他にいない(以前を含めると、ナンシー関くらいか)。
自分が物ごころついた時はすでに漫画家として活躍していたわけだから、まさに人生をともにしてきたことになる。
私にとって忘れられないのは、「墓場の鬼太郎」(「ゲゲゲの鬼太郎」の前身で、少年雑誌の連載だが鬼太郎が正義の味方になっていない頃)で、始めて死後の地獄の風景というものを見たことだ。
それを見た時分はまだ幼かったこともあり、これが死後の世界なのかと素直に納得してしまった。
地獄といっても伝統的な地獄絵図ではなく(それならリアリティがなく、受け入れなかったろう)、生命感のない無機的な風景で、死の世界にふさわしかった。
この時の印象がとても強く、私が死をリアルなものとして受け入れたきっかけかもしれない。
小学生ながらマンガを画くようになってから、「河童の三平」の主人公とシーンを拝借したことがある。
そういえば、「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌(自分のiTunes内に収録済)を歌っていた熊倉一雄も今年の物故者の一人。
ああ、昭和は遠くなりにけり。