北鎌倉の名刹建長寺と円覚寺は11月の最初の三日間、こぞって「宝物風入れ」として、寺宝を一般公開する。
そういえば、鎌倉にしばらく足を運んでおらず、
宝物風入れには、高校時代に訪れて以来だ☞10年前の2005年に行った(記事あり)。
横須賀線の北鎌倉で降り、近い順として円覚寺に行く。
仏殿にある本尊の宝冠釈迦如来は拝み甲斐のあるたたずまい。
国宝の舎利殿もこの時だけは間近で見れる。
内部の厨子と両脇の仏像もしっかり拝めた(写真)。
方丈に上って、展示されている宝物を拝見する。
ほとんどが絵画と文書で、高校の時は仏像しか興味なかったので愉しめなかったが、「関東御教書」などを見ると、関東に突然政権が誕生した歴史的インパクトを痛感する。
線路沿いの裏道を通り、あじさい以外に見るものがなさそうで今までスルーしてきた明月院に立寄り、建長寺に達する。
こちらは新築の大庫裡に展示されている。
休憩所にお茶と菓子がおいてあって自由に飲める。
サービスは建長寺の方がいいのは、昔からだ。
こちらの仏殿には、ガンダーラ彫刻の釈迦苦行像の模造が本尊の前に置かれてある(写真)。
改めて見ると、壮絶な姿に敬意を覚えるが、この姿は釈迦が否定したものであることを忘れてはならない。
釈迦は意味のない苦行を捨て、中道の道を選んで悟りを得たのだ。
だから、この像だけでなく、出家前の安楽な生活時の像と並べるのがいいと思う。
建長寺向かいの円応寺にも立寄り、十王像を見る(一番造りがいい初江王は不在)。
さらに尊氏開基の長寿寺に初めて拝観(昔は拝観不可だった)。
庭がきれいだが、紅葉時期でないのが残念(写真)。
裏に尊氏の墓もある。
久しぶりに北鎌倉の寺を歩いて気づいたのだが、観光客のマナーが著しく低下しているらしく、迷惑を被っている様子があちこちの掲示によって伺い知れた。
鎌倉は京都よりは”通”向きなのだが、東京から日帰りで行ける点が災いしているのか。