年末に撮り溜めした「バス旅」(テレビ東京)を観て、改めて思うことがあった。
まず、長距離を歩いて大変な思いをするのはメンバーの3人だけでなく、それに随行するカメラ・マイクを持ったスタッフたち。
重い機材を持っての長距離歩行なのだ(彼ら用の車も随行しているはずだが、一緒に歩いてメンバーの会話の撮影が必要)。
まず、長距離を歩いて大変な思いをするのはメンバーの3人だけでなく、それに随行するカメラ・マイクを持ったスタッフたち。
重い機材を持っての長距離歩行なのだ(彼ら用の車も随行しているはずだが、一緒に歩いてメンバーの会話の撮影が必要)。
そして「バス旅」のメンバーは(対抗する鉄道旅も)、なぜ3人なのか。
そもそも日本では旅には「弥次喜多」という2人パターンが伝統的に存在していた。
ところがそれを踏襲せず、1名増えた状態を構築し、それがうまくいっている。
なぜなのか。
そもそも日本では旅には「弥次喜多」という2人パターンが伝統的に存在していた。
ところがそれを踏襲せず、1名増えた状態を構築し、それがうまくいっている。
なぜなのか。
実は、2人事態と3人事態とでは、量的だけでなく質的にも異なる対人場面であることが私を含めた一部の研究者が指摘している。
それは”集団”の最小単位すなわち集団の定義※に関わる問題でもあるのだが、ここではその問題には立ち入らいものの、できるだけ理論的に説明したい。
※:既存の心理学では、集団は「2人以上」と定義されているが、私も含めた一部の研究者は「3人以上」を主張している。2人事態は”対人関係”に等しいため。
それは”集団”の最小単位すなわち集団の定義※に関わる問題でもあるのだが、ここではその問題には立ち入らいものの、できるだけ理論的に説明したい。
※:既存の心理学では、集団は「2人以上」と定義されているが、私も含めた一部の研究者は「3人以上」を主張している。2人事態は”対人関係”に等しいため。
社会学者のジンメルは、3人事態では、内部的連合形成が可能となり、その結果、メンバー間に”中心者”や”孤立者”あるいは”仲介者”という構造的差異が発生しうる点を2人事態との質的相違としている。
心理学者の松村康平は、3人事態で初めて、自分Aが直接関われない関係(BC)が発生し、その関係に対する間接的関係として「間関係」(A→(BC))の発生を質的相違としている(人数が増えると間関係の数が飛躍的に増え,それが集団固有の現象となる)。
私は主に松村の「間関係」を使って集団を3者関係モデルとして構築した※。
※:卒論で構築し、『人のこころ 人のからだ』(市川・氏原・成田編 ミネルヴァ書房)内で紹介している。
心理学者の松村康平は、3人事態で初めて、自分Aが直接関われない関係(BC)が発生し、その関係に対する間接的関係として「間関係」(A→(BC))の発生を質的相違としている(人数が増えると間関係の数が飛躍的に増え,それが集団固有の現象となる)。
私は主に松村の「間関係」を使って集団を3者関係モデルとして構築した※。
※:卒論で構築し、『人のこころ 人のからだ』(市川・氏原・成田編 ミネルヴァ書房)内で紹介している。
この問題を「バス旅」に当てはめてみよう。
2者関係だと、2人の仲(例えば太川氏と蛭子氏)が悪化すると、旅を維持するのが困難になる。
3者関係では、まず両者ともう1人(ゲスト)との関係が残っているので3者レベルではまだ破綻していない。
それにその人が仲介者となり、2人の仲が第三者によって調整可能となる。
言い換えると、直接関わる2人の相手以外に、その2人の関係に対しての働きかけが発生しうる。
2者関係だと、2人の仲(例えば太川氏と蛭子氏)が悪化すると、旅を維持するのが困難になる。
3者関係では、まず両者ともう1人(ゲスト)との関係が残っているので3者レベルではまだ破綻していない。
それにその人が仲介者となり、2人の仲が第三者によって調整可能となる。
言い換えると、直接関わる2人の相手以外に、その2人の関係に対しての働きかけが発生しうる。
2者関係ではABの直接関係1つだが、3者関係ではAB,BC,ACの直接関係が3つ、それに新たな間関係が3つとなる。
このように3人事態では質的も量的にも新たなシステムとなることで、関係状態が単純ではなく、多様性をもつ。
例えば、1人がリーダー(上位者)となる場合、2人事態では状態が固定されるが、3人事態だとフォロアーが2人いるため、人数的にはフォロアーが多数派となりうる(対抗可能)。
3つの対関係(AB,AC,BC)にそれぞれ第3の力が作用し、ハイレベルのバランス(調整)機能が作用する。
すなわち、2人事態は”対人関係”レベルだが、3人事態は個人を超えた”社会”の原初状態に相当する。
それが3人旅の妙味を形成する。
このように3人事態では質的も量的にも新たなシステムとなることで、関係状態が単純ではなく、多様性をもつ。
例えば、1人がリーダー(上位者)となる場合、2人事態では状態が固定されるが、3人事態だとフォロアーが2人いるため、人数的にはフォロアーが多数派となりうる(対抗可能)。
3つの対関係(AB,AC,BC)にそれぞれ第3の力が作用し、ハイレベルのバランス(調整)機能が作用する。
すなわち、2人事態は”対人関係”レベルだが、3人事態は個人を超えた”社会”の原初状態に相当する。
それが3人旅の妙味を形成する。
さらにその3人の役割、特性を考慮して配置するのがあの番組の構成だ。