今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

既婚女性も振り袖を着ていた?

2016年10月16日 | 作法

都立中央図書館で、江戸城の大奥についての展示があり、
明治になって楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)という絵師が元大奥の女性たちから見聞して描いた錦絵「千代田之大奥」があった。
その中で、御台所(将軍の妻)が晴れ着として振り袖を着付けられている絵があった(右図、ネットから引用)
解説にも「振り袖」とあるから間違いではない。
しきたりに最もうるさい江戸城内で作法を間違えるはずがない。
ということは、既婚女性も晴れ着として振り袖を着ていたことになる。

ただしそこに描かれている御台所には眉がある。
彼女に振り袖を着付けている年配女性には眉がない。
このへんが気にはなるが… 

私は江戸時代の風俗には明るくないが、江戸時代中期の故実家・伊勢貞丈の『貞丈雑記』(作法の百科事典)には、振り袖の原型は「脇あけ」という子ども服であると記されている。
それが未婚の若い女性に限定される根拠だと思っていた。

そもそも服装規範は、洋の東西を通じてあてはまる「ドレスダウンの法則」(前時代の平服が次の時代の礼装になる)のように、時代に応じて変化するのが本質だ(”正しい言葉”も同じ)。
服装を変化させる力は、作法の外にあるためだ。
作法は外的要因による変化を追認するにすぎない。
だから、特定の時期の規範を普遍化する発想そのものが、服装規範の法則に反することになる。 


都立中央図書館は良くなったか

2016年10月16日 | 東京周辺

国会図書館が休館となる日曜なので、久々に都立中央図書館に足を運んだ。

都知事も替わったことだし、国会図書館との落差が拡大した後、いくぶんでも改善されただろうか。

まずは、各フロアで無料の無線LANが使えるようになった(メアドで登録すると2週間はそのままで使える)。
この変化は大きい。
ちなみに国会図書館では新館しかつながらない。
つまりこの点は国会図書館(以下、国会)を追い抜いた。
また、パソコンが使える席も全フロアに拡大され、いずれもヘッドホンで作業できる(前はヘッドホン可は4階だけだった)。

それと一番の問題であった食堂のメニューが増えた(定食類)。
1階のカフェテリアでもパスタが食べれるようになった(数量限定)。
ただ私個人にとっては、以前の「揚げ焼そば」のような目玉になる、すなわちそれを食べたいから中央図書館に行くというものがなく、仕方なく選ぶという感じ。

残念ながら改善されていない点もある。
国会図書館の新館に比べると、一人当たりの卓上スペースが狭く、椅子も安っぽい。
卓上のコンセントが一人当たり1口しなかく、国会は2口得られる(パソコンの電源の他にスマホなどの充電もできる)。
すなわち、作業の快適性と、食事の質量ではいまだ国会にかなわない。

といっても、ここならではのアドバンテージが存在するのも確か。
日曜・祭日に開館している。
ヘッドホンが使える(国会はヘッドホン不可)。
開架式の本がたくさんある(群書類従系が開架なのはありがたい)。
それと自販機の飲料が豊富。
国会の自販機は缶コーヒーとペットボトルしかないが、こちらは紙コップのやつが加わり、しかもその場で豆を挽いてくれる。
豆のコーヒーは家で飲んでくるので、私はココアを賞味する。
もちろん、カフェテリアもあるので人が淹れたコーヒーも飲める。

こちらは年齢制限がないので、高校生などの若い利用客が比較的多い。
その分、多少は私の気分も若返る。

というわけで、若干だが国会との差は縮まった。 
ただ、この程度では、私の足を国会図書館から奪うにはまだ力不足の感は否めない。
なにしろ、地下鉄3駅+徒歩15分の遠さというハンディがあるのだ。 
揚げ焼そば復活級のパンチがほしい。