今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

腸脛靱帯炎者による御在所岳登山

2017年05月15日 | 山歩き

湯の山温泉を後にして、今日は予定通り、御在所岳(最高点は望湖台1212m)に登る。
いつもなら朝食ではご飯を食べないのだが、今回は山に登るのでしっかり食べた。

標高700mが登山限界の腸脛靱帯炎者である私にとっては、限界を500mも超えた高さなので、車で行ける所(武平峠直下)まで高度をかせぐ(御在所岳は長大なロープウエイとリフトでほとんど歩かずに山頂に行けるのだが、それは登山ではない)。
一年前も、同じ登り口から南の鎌ヶ岳(1161m)に往復し、少なくとも腸脛靱帯は痛まなかった。 

湯の山温泉から”鈴鹿スカイライン”をぐいぐい上って滋賀県境の武平峠のトンネルを越えた所の駐車場(810m)に車を停め、リュックを背負って出発(実はトンネル手前の駐車場からも行ける)。

今回は、靴は山用でない、里川歩きに履いているメレルのカメレオン5ストームモック(アッパーがゴアテックスで底はビブラム)。
名古屋宅にある山靴は、かつての幅広志向で買ったため、履いて山に行くたびに拇指の爪を痛め、昨年の鎌ヶ岳では、爪が死んで丸々一枚ぺろりと剝がれてしまった。

なので、今回は脱幅広のぴったり志向(2E)で買った靴を履いて山を歩いてみる。

御在所岳は花崗岩の山なので、登山道も露岩だらけで(特に標高900m圏の急斜面)、登りはいいとして、下り時の衝撃が今から心配(写真は御在所岳の登りから武平峠の南の鎌ヶ岳)。

時たま左膝に違和感を覚えながらも、のびやかな山上(1150m)に達し、そこから先は整備された舗装道路となり、最後はコンクリの階段を上って登山客と観光客が交錯する一等三角点のある山頂(1209m)に達する。

登りはいつも問題ない。

昨日スーパーで買った菓子パンを昼食に摂り、水も充分補給する。

ところで、この山、国土地理院の地図では「御在所山」となっているが、山頂の標識は「御在所岳」とある。
国土地理院の地図は地形図としては最も信頼できるが、地名は必ずしも正確でないことも知られている。
鈴鹿山脈核心部の山はことごとく「…岳」なので、ここも御在所なのだろう。

さて、いよいよ下り。
腸脛靱帯が痛みだしたら、歩けなくなる。
難関の900m圏の露岩の下りをどう歩くか。

今回、足首の浅い靴(ローカット)を履いてきたのには、靴幅以外にも理由がある。

私は大学の山岳部を卒業した後は、山靴ではなく、あえてジョギングシューズに履き替え、その靴で日本アルプスもこなした(もちろん無積雪期のみ)。
この靴によって、歩きが丁寧になることがわかった。

すなわち足首が固定された(ハイカット)山靴だと、振り子の原理で足を前に出すだけでどんどん進める。
それに対し、ローカットのジョギングシューズだと、きちんと着地に気を使う。
特に下りでは足首の可動域が拡がることで、爪先着地ができる。 
山靴だと踵着地で、踵で道を削りながら、がむしゃらに降りるだけだが、 爪先着地によって足自体がクッションとなって膝への衝撃が緩和される。

そもそも腸脛靱帯炎は、下りにかかる過負荷によって歩行困難な痛みが発生するものの、山を下った後の平地では不思議なことにまったく痛まず、普通に歩ける。
ところが駅の下り階段でまた痛む。

すなわち、腸脛靱帯炎には負荷の閾値があり、その閾値に達しなければ 痛まないのだ。
ということは、下り時の力学的負荷(衝撃)を閾値未満に小さくすればいいのだ。
その方法は理屈で導ける。
着地を爪先→踵の二段階にして衝撃を分散し、しかも衝撃の絶対量を小さくするため歩幅(高度差)を小さくすればよい。
山靴だと歩きやすくまた足首が固定されるのが仇となって、ドシドシ降りてしまい、衝撃をまともに浴びてしまう。
その点ジョギングシューズのようなソフトで足首が浅い靴だと、自然に歩きが慎重になって、爪先着地で歩幅が小さくなる。 

実際、そのように歩いてまったく痛まずに下りきれた。

光明が見えてきた!

といっても、昨年の鎌ヶ岳も山靴で下って痛まなかった(その代わり拇指の爪が死んだが)ので、実際の400mという高度差の負荷が閾値以下だったのかもしれない。
なので、今回の仮説的試行は、まだ証明には至っていない。
700m代の山を麓から上り下りして、確認する必要がある。