今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

「我慢する系」ストレスに注意

2020年04月26日 | 新型コロナウイルス

(精神的)ストレスといえば、セリエの昔から、交感神経興奮(闘争か逃走か)の切迫事態と言われてきた。
なので、とにかく交感神経と拮抗的に働く副交感神経優位にすることが推奨されてきた。

そのあげく、世の中に”うつ”が蔓延した気がする(私の場合は過敏性大腸)。

それに気づいた一部の専門家からは、大切なのは、自律神経(交感神経と副交感神経)の”バランス”であるといわれるようになった。
実はバランスをとることの方が難しい。

このように、従来型の「闘争か闘争か」ではない、別のストレスの型があると思っていたが、それを概念化してくれる専門家にお目にかかれなかった。

そんな中、出合ったのは熊野裕明氏の『ストレスに負けない生活』(ちくま新書)。
この本には、精神的ストレスには従来型の「頑張る系」のほかに、「我慢する系」があると指摘。
はたと膝を打った。

「頑張る系」は、災害時のような緊急事態というストレス。
それに対し、「我慢する系」は、災害後の日常生活に戻る過程のストレス、あるいは平常時に徐々に積み重なるストレス。
ストレス強度は、前者の方がずっと強いが、ストレスに曝される時間は後者がずっと長い。
前者は、不安でパニクったり、脳や心臓の血管が切れたりする。
後者は、元気がなくなって”うつ”になり、内臓がやられ、ガンになりやすくもなる。

基本的に安全が確保されている(猛獣に襲われる心配のない)社会で、多くの人が苦しむ精神的ストレスは、後者の「我慢する系」であることがわかる。
竜巻のような目の前に切迫した危機があるわけではないが、見えないものに怯えてじっと堪えなくてはならない状態。
これって、外出自粛下でGWを迎えるわれわれだ。

ということで皆さん、「我慢する系」ストレスに注意しよう。
私が、今の時期、あえて”安全な外出”の記事を書いているのも、この理由。
つまり、適当に出歩いている人ではなく、まじめに家にじっとしている人のストレスが心配だから。
その人は、コロナに感染するリスクこそ確実に下げる代わりに、うつ・内臓疾患・発がんのリスクが高まるかもしれない(かといって、外出を勧めるわけではない)。

なので、こう言いたい。
”我慢すること”に押しつぶされないように、適度に”頑張ろう”!
つまり、”我慢”する以外のことを頑張ればいい.
一番のお勧めは読書。
こういう時こそ、読もうと思って読んでいなかった”あの本”(一人一人思い出して)を読もう。