台風一過の秋の連休最終日。
ある目的で山に行きたい。
その目的とは、健康診断で、体重は増えていないものの、腹囲が増えてしまったのをなんとかしたい、ということ。
腹囲の増加=内臓脂肪の増加なので、有酸素運動で脂肪を燃焼させるのが一番手っ取り早い。
平地の歩きだと負荷が低いので、傾斜のある山にする。
といっても3月下旬に姪を連れての超低山に行って以来(→6歳の姪と天覧山に登る)、運動といえるものをまったくしていないため(だから内臓脂肪が増えた)、久々の山といっても、気楽に(ゆっくり起きて)安心していける高尾山(599m)しか選択肢がない。
ここは山中・山頂に店があって、昼食の持参が不要なのを幸い、できたらカロリー補給なしに歩きたい。
日曜の京王線に乗ろうとしたら、なんと新宿から高尾山口までノンストップの京王ライナー(Mt.TAKAO号)が9時00分に出るところ。
座席指定410円かかるが(フェリカ可。乗車後だと700円)、二人掛けのクロスシートでもあり、空いているので飛び乗った。
そうでないと今日の高尾山口までは立ちっ放しになる(アレ?今日は身体に負荷与えた方が…)。
この電車なら、広い車窓から景色を見ながら(ロングシートだと座った状態で車窓の景色は見れない)、車内で朝食のおにぎりを食べることもできそう。
10時前に高尾山口に着いて、いつものようにケーブルカー駅の脇を通って谷沿いの6号路を進み、病院手前で6号路から別れて、琵琶滝道へのショートカットルートを取り、琵琶滝からの道と合流したら、稜線へ直登する高尾山の中で一番の急斜面ルートを登る。
樹林帯の山道を登っていると、なんとミンミンゼミの声がする。
盛夏の象徴のあの蝉の声。
山は里より早く秋が訪れるはずなのに、むしろ山に夏が置き忘れられたようだ。
久しぶりの山の登りで、すたすた歩けず、息というより心臓がちょっと苦しい。
実際、どんどん追い抜かれていく(昔はどんどん追い抜いていったのに)。
スマートウォッチで心拍数は管理していて、それが異常を知らせることなく、
稜線上に出て、高尾山のメインルートである1号路と合流する。
ここからはベビーカーも通れる舗装道路で、ケーブルカーに乗ってきた観光客と一緒に進む。
服装・装備は区々(まちまち)なれど、マスクは歩いている全員に共通(ただし山だし、息苦しいので鼻出しでもOK)。
出がけにおにぎり一個食べただけなので(もちろん内臓脂肪を減らすため)、空腹で力が出ない。
せめて胃に何か入れようと、薬王院手前の茶屋に並んで、冷やしきゅうり(200円)を食べる(これならカロリーほとんどなし)。
やはり高尾山に来たからには、ここを霊山※にしている薬王院を参拝したい。
※:高尾山は2020年に文化庁から日本遺産に認定された。
薬王院では予約すれば精進料理が食べれるのだが、登山のついでというわけにはいかない。
すると、季節限定の「そば御膳」セット(1900円)が予約なしで、食べれるというサービスをやっているではないか。
高尾山は麓も山頂も蕎麦が売り物だが、薬王院で食べれるならそれにこしたことはない。
いずれこのサービスを味わいたい(山頂に達しての帰りがいい)。
薬王院境内の石段もきつく感じたが、なんとか正午前に山頂に達した。
台風一過で天気はいいので、雪がまったくない今の時期だけの富士山がよく見える(写真)。
ただし、いつもどおりの混雑が復活しており、腰を下ろす場所がない。
空腹なので、山頂にある蕎麦店で、軽く「もりそば」をと思ったが、人出が多く、その一方で店は室内の客数を制限しているため、外に行列が伸びている。
行列自体好ましくはないので、すぐにあきらめ、下山して食べることにする。
下山路は、いつものように高尾山では一番長い稲荷山道。
あえて長い山道を下って左脚の腸脛靱帯の様子を見るのだ。
といっても、靭帯が痛みだすと途端に歩行困難になるので、専用のサポーターを装着し、ストックを右手に持つ。
この道は樹の根や露岩がずっと地面を覆っているため、膝に負荷がかかる。
それでも、靭帯が痛むこと無く、無事にケーブル脇の麓に降り立った。
時刻はまだ13時台なので、いまから登る人もいる(ケーブルカーは夕方まで)。
また麓の蕎麦屋はこの時間でも軒並み行列。
こういう時は、一件だけ離れた所にある日光屋しかない。
案の定、そこは入れてすんなり、もりそば(550円)を注文したら、私の後から客が流れてきて、ここも店の外に行列ができた。
あとは駅前の案内川の河辺に腰掛けて缶ビールで下山を祝いたいのだが(高尾山は山中の店でも酒を売っているが、登山中に飲酒はありえない)、河辺が改修工事中で入れない。
なので、駅の売店でチーズちくわも買って、駅のホームのベンチで祝杯。
かくして無事歩き通せたのはいいが、内臓脂肪を減らす目的はどこへやら…。