今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

安物スマートウォッチに過分な機能

2021年09月08日 | 生活

1年使っていた中国製の安いスマートウォッチが壊れたので(時計の裏面が剥がれた)、今まで通り、心拍と睡眠を計測できる安いスマートウォッチを購入した。

本来なら、マカーの私はアップルウォッチが第1候補になってしかるべきだが、バッテリの持ちの悪さで対象外(それにスマホがアンドロイドだし)。
次に同じくSuicaが使えるガーミンに食指が動いたが(こちらはアンドロイド対応)、ガーミンなら地図表示がほしくなり、またバッテリが劣化するという評価を見て躊躇。
そこで当面は、心拍数と睡眠の2つが測れりゃいいや(Suicaは諦め)と安い中国製(ただし今までとは違う製品)にしたわけ。

買ったのはWINS-JPというブランドのVIRMEE-VT3Plusという製品で、価格は4990円でしかも買った時はクーポンで2000円引き。
同梱の説明書には一通りの操作法しか書いてなかったが、連携するスマホアプリ(2つのどちらにも対応)をダウンロードして接続し、一晩自動計測して驚いた。

まず心拍数は普通に測れて、それがスマホでは時系列データとなると思った(前の製品はこれ)。
ところがスマホ画面だとそれで終らずに、2次元散布図が出て、心臓の健康度が評価される。
この散布図、ローレンツプロットといって2心拍間(n,n+1)の変動(RR間隔)の差異(単位はmsec)をnとn+1の2次元(それぞれ0-2000msec)でプロットしたもの。
こんな専門的グラフが出るなんてすごい。

次にストレスチェックなるものをやってみた。
時計の指示に従って呼気と吸気を同じ秒数繰り返す。
時計には結果の判定だけが出たのだが、スマホでは「心拍変動 (HRV)に基づいて算出される」という説明が出ていた。
やはり、心拍ではなく、心拍変動を計っているなんて。

心拍変動は、心拍間隔の時間変動のことで、この変動は拍動をコントロールしている自律神経(交感神経と副交感神経)の活動バランスによるもの。
それゆえストレスの生理的指標(システム0)として注目されていて、私は研究で被験者のストレスを計るために専門の心拍変動計(チェック・マイハート)を10万円以上出して購入しているほど。
ただしそちらの装置はセンサーを腕に装着して5分間安静にするので、手軽にいつでもというわけにはいかない。

心拍変動がストレス指標として優れているのは、交感神経の活動と服交感神経の活動を別個に測定できる点(幾種もの統計指標が算出されるが、この時計はそこまでは出ない)。
おおざっぱに言えば、心拍変動が大きいほどストレス(交感神経興奮)が低いという評価(つまり心臓が規則正しく波打ちすぎているのはストレス状態)。
統計的には、男性の高齢者ほど心拍変動が小さく、また寿命とも関連があるという。

さらに心拍変動の散布図で、心臓の健康状態(心室か心房かなどの心臓のより細かな問題)も判定できる(右図。ただし医療用ではないと明記)。
心拍変動は、不整脈のように自覚できるほどの(周波数の)大きな振動ではなく、普通に波打っている時の自覚できないレベルの振動(だからこそ計器による分析が必要)。
狭心症を患った者であることを加えて、心拍変動がいつでも計測できるのは二重に嬉しい。

まさか、こんな安物で心拍変動が計測されるとは驚き。
もっともメカ的には心拍が計れるなら当然心拍変動も計れるので難しくない。
後は心拍変動の価値を知って解析ソフトを作ればよいだけ。
なにしろ、Amazonサイトでは「心拍数」としか触れていない(寂しいことに心拍変動を求めるユーザーがいないか)。
さらに今話題の血中酸素濃度(これはコロナ過でやっと世間に価値が認められた)もいつでも計れる。
さらにさらに、睡眠の経時的集計も、今までの製品は浅い睡眠と深い睡眠の二種類だったが、こちらはレム睡眠とノンレム睡眠の浅い/深い※の計3種(覚醒を入れると4種)に別れるので、こちらも嬉しい。
※ノンレム睡眠は細かくは浅い睡眠のS1とS2、深い睡眠のS3とS4 の4つに別れるが、S1とS2およびS3とS4 の違いは特定脳波の出現頻度の違いなので、質的なものではない。

以上をまとめる
常時自動計測:心拍、心拍変動(ローレンツプロット)、歩数(距離)、消費カロリー、睡眠段階(睡眠中のみ)
任意計測(記録は経時):血中酸素濃度、心拍変動によるストレス評価

ということで、とりあえずは期待以上のスマートウォッチをゲットした。