乗鞍高原の朝と夜

2010-03-18 02:13:02 |  乗鞍話し
季節はまた夏に跳びます。

誘われたユースホステルは乗鞍高原のペンション、民宿、旅館の並ぶ一画にあったと思います。
麓側から鈴蘭の駐車場を見て、右手奥だったような。
もうはっきりしません。

ユースホステルってお金の無い若人が泊まる所で、夜は暖炉を前に集まり、ギター伴奏でみんな山の歌を歌う、なんてイメージがありました。(どんなイメージだ・・
でも実際は、年のいったおじさんもたくさんいて、年齢に関係なく安く旅したい人が普通に利用する宿のようです。
宿泊料は確かに安かった。
代わりに部屋は相部屋で、そこは朝食の時間がやたら早い。
6時ごろから食べさせられたような覚えが・・。(後で書きますが、この宿だけのことです。)
食後はみんなで自分の使った食器を洗います。
ふーん、こんなこともするんだ。
お蔭で出発までの時間があまり、宿の外でぼんやり。

すると浴衣を着た若いお父さんが男の子を連れて出てきました。
おぼつか無い足取りで駆け回る2、3歳くらいの子を楽しませつつ写真を撮っています。
んん??
その光景を見ていて疑問が湧き上がってきました。
浴衣なんか備えてあったかな?
さっき朝食時にも見かけなかったし、どこに泊まってたのだろう??

疑問に思いつつ建物の中に戻ると、宿のご主人さんがまた料理を作っています。
食堂には三々五々浴衣を着た宿泊客が集まってきてます。
この人たちは誰?
と見ていると、後から入ってくるお客さんは我々の泊まった棟とは別の棟からやってきます。
あっちにも部屋があったんだ。

んん??
彼らへの対応が違う。
我々はセルフサービスだったのですが、彼らは座った席で給仕してもらっています。
どうやらユースホステルと普通の旅館の両方を経営しているようで、食事は両方同じ食堂を使っているようだと分かりました。
それであんなに早い時間に食べさせられたんだ。
納得すると共に、かかる費用と受けるサービスの相関関係を直接比較され、その差のあまりの分かりやすさに苦笑してしまいました。

ここのユースホステルには翌夏もう一度お世話になりました。
二度の宿泊の内、どちらであったか忘れましたが、晩にみんなで外に出て夜空を見上げたのを思い出します。
星がきれいだった。
とても。
この時の旅を思い起こすと必ずこのシーンに繋がります。
その時は誰かが説明してくれて天の川を観察する事ができたのです。
天の川はふわふわとそこにあるようなないような、微細な星の集まりでした。
見たのはその時が初めて。
うーん、正確には初めて気付けたと言うのが正しいでしょうか。

私は田舎の出なので澄んだ夜の星空は珍しくないのですが、天の川は見る事ができませんでした。
と言うか、気付く事ができませんでした。
もっと明るい星々の集まりと思い込んでいて、そこに見えるでしょうと言われても全然分かりませんでした。
ユースの時は見え方を上手く表現してくれたのだと思います。
夜空に色は付いていなかったはずですが、以降にテレビや写真で見た映像と重なって、緑色やオレンジ色掛かった背景に無数の星が瞬く眺めとなって、頭の引き出しにしまわれています。