強風は敵だったのか味方だったのか

2015-06-04 23:08:08 | テニス
にしこりくんの全仏準々決勝は残念だった。
これまでで最高の試合だったと言うベルディヒ戦の調子を持ち込んだツォンガの方が出来が良かったよう。
解説の誰かさんが仰ってたが、確かにあの体格から繰り出される速くて重そうなボールに手こずったようだ。
これが私には意外で、トップの選手にはショットの威力なんてポイントを大きく左右する要素ではないと思っていた。
我々のレベルならショットの威力は大きな武器になるが、彼らは如何にして相手のいない場所に打てるか、にかかっていると思っていた。
だってあんなすごいペースでバキバキ打ち合うのだから、『手の届くところに来たボール』 はスマッシュだろうが200kmを超えるサーブだろうが、難なく返せるものだと思っていた。

ラリーを見てると確かに押している方と押されている方はある。
そんな中、カウンターでダウンザラインとか逆クロスに如何に厳しくコントロールできるかがその選手の実力なんだと。
それがにしこりくんでも崩しにかかるショットが甘かったり、ミスになったりしてた。
過去にこんな打ち難そうにラリーしてる試合は見たことないよな。
威力あるグリグリスピンを打つ選手筆頭はナダルだろう。
クレーでは無いが昨年の全豪の対ナダル戦を見返してみた。
当時のナダルはまだランキング1位だ。
それでもにしこりくん、軽々と打ち返している(ように見える)。
今回のツォンガのパワーはナダルをも凌ぐものだったと言うことか。

ショットの威力vsショットのキレとなった試合だったが、出だしのにしこりくんの調子が上がらなかったのが痛かった。
吹き続く強い風にも影響されたのだろう。
強風による電光掲示板の部品落下事故で試合の中断があったので流れが変わり、2セットダウン後の2セットアップ。
第1セットでもう少しゲームを取れていたら、第2セットのもう少し早いタイミングで調子を戻せ、第2~4セットを取れてたかもしれない。
5セットマッチの長丁場の試合は本当に流れが行き来し、最後までどう転ぶか分からない。
ツォンガがまた息を吹き返し、第5セットを奪われた。

ジョコビッチ対ナダルはジョコビッチのストレート勝ち。
ジョコビッチが強かったのか、ナダルがかつての強さを失ったのか…。
ツォンガには準決勝そして決勝で同じ調子で戦って欲しいものだ。
バブリンカあるいはジョコビッチかマレーか、が手こずるものなのかどうなのか見てみたい。