狭さを武器に戦う

2016-02-09 00:00:05 | Weblog
初めての本屋さんに、時間があったのでふらりと入ってみた。
小さな店だ。
目的があったわけで無く、目に入ったから寄っただけなのだが、アッサリと文庫本を買ってしまった。
最近の自分としては珍しい。

家の近くにまずまず大きな書店があり、雑誌の発売日や適当な本が無いか探す時などそこを利用していた。
ところが度々行ってはみるのだが、購入に至ったのはこれまで一回のみだった。
大書店はその品揃えが魅力だが、目移りして購買意欲散漫となることもある。
欲しい本をこれと決めて買いに行くには良いが、何か良い本は無いだろかと標的なく入ると、選択肢が多過ぎて決められず出てきてしまう。
それで最近新刊本とは疎遠になっていた。

小さな店は扱える商品は限定的だ。
記憶容量の少なくなった私の頭でも、気になる本を整理して比較することができるということか。
しかし気になる本が無ければ食指も伸びず、サラッと本棚をみて直ぐに退店だ。
店主店員の商品選択眼が問われる。

その店は商品陳列方法も良かったのだろう。
背表紙がズラリと並び、売れ筋は平積み、なんてよく見るものでなく、そもそも平積みするスペースすら無い狭い通路の両脇に、これはどうだ、と推す商品が横向き前向き斜め向きに密度高く並んでいた。
ディスプレイの手法に詳しくはないが、きっと効果的なのだろう。
普段興味のない本すら魅力的だった。

本だけではない。
文具のスペースも少しあり、そこにも足が向いた。
まあ狭いから少し本棚エリアから足を踏み外しただけというのもあるが。
壁面を小さな文具たちが覆っていた。
最近の文具の流行りを知らないのだが、なんか使い良さが工夫されたプラスαのある商品が目についた。

こんなこと書きつつ買った本は特殊なものでもなんでもなく、どんな書店でも扱ってるはずの人気作家の最新(文庫)版だ。
それでも選択にいたるプロセスもその買い物の満足感に影響を与える。
どんな理由であれ面白く買えるのが良い。
いい買物をしたと思っておきたい。