賑やかな無人島

2016-03-25 01:17:04 |  神奈川県全市町村探訪
神奈川県全市町村探訪シリーズ、次は以前に訪れた先と少し重なるが横須賀市。
市内だがとても辺鄙な場所に行ってきた。
海上に浮かぶ無人島、猿島だ。
江戸時代の昔から第二次大戦まで砲台が置かれた島で、それ故一般人は立ち入れず、自然が手付かずで残された東京湾最大の自然島だそう。
砲台跡や弾薬庫などが残っていて、猿島公園として管理されている。



あれ?どこかで聞いた事があるような…。
そう、和歌山市にある友ヶ島と同じような生い立ちの所だ。
友ヶ島訪問時は時間が限られてしまい不完全燃焼に終わったから、場所を変えてまたレンガに萌えよう。
猿島へは1時間に1本船が出ている。
何十人もの乗客ときれいな双胴船に乗って10分ほどで到着。



さあ、島内を探検だ。
と出発したが有料の公園でもあり、通路はとてもよく整備され、探検て感じはない。
廃墟感は乏しく、史跡見学している感覚。
レンガ造りの弾薬庫や兵舎跡の入口は鍵付きの鉄格子がはめられていたり、板で塞がれていたりして内部に入る事はできない。
残念ではあるが、子供やお年寄りの方でも安心して見学できる所である。



それでもレンガや石積みの壁は重厚で、その苔むした佇まいは時の流れを感じさせる。
常緑の木で覆われた植生が意外だった。
落葉広葉樹がもっとあっても良さそうな緯度にあるのに。
海に近いと常緑樹優勢になるのだろうか。
あるいは防衛上の観点から葉が落ちて見通しがよくならないよう常緑の樹々で覆うような対策が取られた結果なのだろうか。



弾薬庫や司令室につながるトンネルなどは見応えたっぷりなのだが、五つある砲台跡はあっさりしていてさみしい。
一つを除き、丸く敷かれたコンクリートの土台が残るだけなのだ。
平べったい。
もう少し立体的な何かを遺してくれても良かったのに。
コンクリートに埋め込まれた鉄筋が地面すれすれに切断されて円を描いて並んでいるのがわずかばかりのアクセント。



島の一番の高みには展望台があり、半地下の弾薬庫とかとは違うコンクリート製の建物がある。
建物の出自は不明。
やはり中には入れない。
まあここは多人数で入ると床とか崩れるかもしれない。
一番廃墟然としている。
壁のひびやしみが素敵である。



島を一巡りし桟橋のある浜に戻った。
冷えた身体を海の家で買ったホットコーヒーであっためた。
海の家はガッチリとした建物で、広いデッキにベンチが並び、とても立派である。
観光シーズンだけ食事や飲み物が供されるようだ。
バーベキューの器材も貸してくれるので、食材だけ持っていけばよい手軽さ。
まだ寒さが残る日だったけど、海の家前の小さな砂浜では何組もバーベキューを楽しんでいた。
島内には3時間滞在。
コーヒーを飲んでたら、我々が来た時より多く乗客を乗せた船がやってきた。
上陸客と入れ替わり乗船。
猿島よ、ではではさらばじゃ。





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