名の通りの場所だった

2014-03-06 23:15:34 | その他旅行き
鎌倉観光 その十三



ずいぶんと間を開けてしまったが、鎌倉観光の続き。
次は銭洗弁財天。
銭洗弁財天への入口はトンネルになっている。
潜って抜ければ鳥居が林立する境内。
この鳥居、形がまちまちで立てられ方も統一感がない。
鳥居と鳥居の間が開いているところもあれば、くっつく様に並び立っているのもある。

私のこれまでの認識では鳥居は神社が自分で?立てるものだと思っていた。
なのでこの乱れ様に驚いたが、幟の様に奉納するものとしても存在するのだという事を知った。
奉納する人がどう立てるか決めれるのだろうか。
この不揃いな立て方を見るとそんな風に思える。

ここは訪れる前にネットで鎌倉のお薦めどころを検索して知った。
鳥居が沢山立っていて不思議なところとの記載があったのでピックアップしたもの。
確かに鳥居は面白かったが、訪れて驚いた。
奥の泉でみんなザルにお金を入れて「洗って」いた。
そういえば入口の説明板に、湧水でお金を洗って使うと何倍にもなって返ってくると信じられている、と書かれていた。

紙幣を洗っている人も。
硬貨を洗うのは分からんではないが紙幣をビチャビチャにしてどうするんだろう。
泉に投銭するくらいのイメージでいたが、こんな本格的な銭洗い場があるとは。
砂金採り体験施設みたいだ。
ここはお金を洗い、金廻り向上を願う所だったよう
そうとは知らなかったので、洗い方の作法が分からず、普通にお詣りしただけになってしまった。
ま、いいか。



鮮明。そして繰り返し。

2014-03-05 22:58:15 | Weblog
アンドレアス・グルスキー展を見てきた。
開催場所は大阪国立国際美術館。
面白かった。
絵画の美術展はよく分からないものが多いんだけど、写真のそれは身近でもあるからか結構楽しめるものが多い。

このアンドレアス・グルスキーさん、ドイツ人だ。
だからなのかどうなのか、一言で言っちゃうと緻密な作品を作られる。
緻密にデジタル加工・合成を施した写真は、現実の物を写しているのに非現実感が漂う。
初期の作品は加工されていないようなのでまだ普通の写真だが、中期以降の写真は鮮明度、クッキリ感が異様に立ち上がる。


グルスキーさん、いくつもの表現方法をもっておられる。
バンコクシリーズは川面に揺れ、映る対岸の光と影を絵画的に表現したもの。
ゴミの浮かぶ汚い川なのに、反射するビルの壁と思われるカラフルな色が暗い川面にゆらゆらと揺れる様が美しい。
窓枠なのかベランダの柵なのか、細くペンで描いたようなクルクル巻いた黒い曲線が印象的。


同じリズムが繰り返される被写体にも強く惹かれるよう。
奥行きのある被写体を、それぞれの距離でピントをピッタリ合わせたものを合成しているようで、手前から最奥までパンフォーカス。
非常に広範囲を撮っているので広角レンズで撮影したように見えるけど、画面の圧縮感は望遠レンズで撮ったもの。
これが非現実感を醸す。

繰り返しなんだけどひとりひとりの人物、ひとつひとつの事物に同じものはない。
全ての個に独自性がある。
なのに、個々が同じ設定、行動を取っているが故、繰り返し、パターン、リズムが立ち現われている。
こんな表現ができるんだ。
すごいな。

オーシャンシリーズは自身が撮った写真でなく、地球表面を撮影した衛星写真を使用。
やはりデジタル加工で色味、コントラストを深くし、異常に深い色の海とクリアな地表を表現。
無茶苦茶きれい。
黒い程の海と雪の大陸のコントラスト。
碧い地球を大画面で堪能できる。

この写真展、5月11日(日)まで。
お近くの方は是非どうぞ。

<スケールが桁違いだけど>


良き変化、悪き変化

2014-03-04 23:43:24 | Weblog
今朝はまた寒くなった。
けど目覚めた時、その時間これまで暗かったカーテンの向こうは薄っすらと明るく、出掛ける頃には窓は日の光に輝いていた。
停滞の季節は終了し、五感で変化を感じる事のできる季節へと移り始めたのだなあと実感した。
それは喜ばしい事なのだが、私の身体にも変化が…。
先週末から鼻水がとまらない。

青っ洟ではなく水の様にサラッとした奴がつつつと落ちてくる。
風邪を引いたのかと思ったが、鼻水以外に体調が悪化するわけでも無し。
もしかして、これは花粉症という奴か?
私もとうとう花粉の免疫物質だか抗体だかが体内の発症レベルを超えてしまったか。
いやいや、少し寒気がするから軽い風邪である可能性も残っている。
もう少し様子をみよう。



二枚になった

2014-03-03 01:30:11 | お酒
私のDVDコレクションに「男はつらいよ<拝啓車寅次郎様>」がある。
昔テレビで男はつらいよシリーズを見た時、寅さんと甥の満男が酒を酌み交わすシーンがあり、酒好きの私の記憶に残った。
初めて酒を飲む満男に熱燗の飲み方を教える場面で、寅さんが例の口調で話す。
これがなんともうまそうなのだ。
うまい事言うなと感心。
ある時その事を思い出しもう一度見てみたいと思い、これだったかと上記のタイトルのDVDを買ったが違っていた。

上記の作品はそれはそれで面白かったのでいいのだが、さてそれではどの作品だったのだろう?
満男が出てくる奴は結構数があり、手当たり次第に買うわけにもいかず。
そうこうしている内に購入したお店のDVD売り場から寅さんシリーズが消えてしまった。
売れても補充されなかったようだ。
タワーレコードに行っても置いて無いし、もう手に入らないかと諦めていた。

が先日、知ってはいたがあまり入ったことのないDVD屋に足を踏み入れた。
最初は寅さんの事は頭に無かったが、邦画コーナーが結構充実していたのでもしかしてと思い探してみたら、なんとありましたありました寅さんシリーズ。
ほぼ全巻揃っていたのでは。
これ幸いと最終巻から順に裏面のあらすじを確認して行く。
これかな、どうかな…。

そして、主役格で満男の登場するシリーズの一番初めの作品のあらすじを読むと、オカマライダーが出てくるとある。
旅先で寅さんと偶然出会い上記の酒を飲むことになるのだが、その前振りでオカマライダーが出てくることを覚えていた。
これだ。
作品名は「男はつらいよ<ぼくの伯父さん>」だった。
前回上記の作品を買った時は覚えがないので、これは置いていなかったようだ。

迷わず購入して、さっそくその晩鑑賞。
例のシーンは記憶に残っていた通りだった。
相変わらず旨そうだった。
ただ旅先で飲んだのではなく、柴又に久しぶりに帰ってきた寅さんに、最近荒れている浪人生満男の話を聞いてやってほしいという妹さくらと博の依頼に、食べに出掛けた先での事だったのでこちらは記憶違い。

ではその熱燗の一節を。

 寅  「さっ、満男…。お前も一人前だ、な…。さ一杯いこ…。うん。」(こここ)
 満男 「いただきます。」(ぐびぐび)
    「ぶふっ。ぐふっ。…あー。はー。」
 寅  「なんだおぇ、酒の飲み方から教えなきゃなんねえのか…。」
 満男 「どうやって飲むの?」
 寅  「どうやってって…。」
    「いいか…。まず片手に杯をもつ…。酒の香りを嗅ぐ…。なぁ?」
    「酒の匂いが鼻の芯にジーンと染み透った頃、…おもむろに一口飲む。」 
    「さあ、…お酒が入っていきますよということを五臓六腑に知らせてやるんだ。」
    「な。そこでここに出ているこの突出し。これを舌の上に、…ちょこっと乗せる。」
    「これで酒の味がぐーんと良くなる。」
    「それから…、ちびり…、ちびり…。」
    「だんだん酒の酔いが体に染み透っていく…。」
    「それをなんだお前、かけっこしてきた奴がサイダー飲むみたいにグーっと飲んで。」
    「胃袋が驚くよ、それじゃあ。…分かったか?」(うなずく満男。)

どですか。
どぜう屋での一コマですぜ。
酒好きのあなた、ぜひぜひ本物の映像で見てみてやってください。



10年物なのに若き酒

2014-03-02 11:06:31 | お酒
フラスクボトルの酒も飲みほして、家にあるウイスキーの種類が激減した。
正月にグラッパをお土産に買った他はここんところ安い酒ばかり買っている。
久しぶりに地方色豊かなウイスキーを買ってみようか。
なんて血迷ってアイラのシングルモルト、アードベッグの10年物を買ってしまった。
うわあ、いいのか?
いいのだ。



食後、さっそく封を切る。
グラスに注いで驚いた。
どんな樽を使って貯蔵していたのだろう、とても淡いレモン色。
ほんとに蒸留酒なのか?、少し濁っているのか透明度は低い。
こんなウイスキーが高値で売られていいのか。
琥珀色で透明な、きれいに作られたウイスキーしか知らない身には、少し白く見えるだけでどぶろくの様に見えてしまう。



リーズナブルなスタンダードウィスキーに比べれば、はるかに年代物の10 YEARS OLD。
なのに匂いは若々しい。
若い故に深みは感じられない。
が、その爽やかな香りは複雑玄妙。
ボトル一度きりの封の切りたて時の香りを何度も嗅ぎ、何度も陶然とした。
どれだけの香り成分が含まれているのか。
ふくよかさの芽がいくつもいくつも伸び始めていた。



口に含むと、生まれて10年経過した味わいがあるにもかかわらず、ここでも明らかに若く感じる。
しかし飲んだ後の余韻の豊かさ長さは年代物であるが故。
これらアンバランスな発展途上の旨味がおもしろい。
やはりもっと熟成させねばいけないだろう。
しかしどうすればこんなにゆっくりと醸すことができるのだろう。



この原酒の伸び代は18年、25年とあるのでは。
18年くらいしてようやく熟成し、25年で老成といったところか。
私が酒代を奮発して飲めるのは12年物がいいところ。
こんなこと書いておきながら18年物なんて飲んだことはない。
が、この原酒なら思いっきり背伸びして18年物、25年物を買って飲んでもいいかな、飲んでみたいな、と思わせる。
家にあるレモン・ハートを引っ張り出してきてページをめくってみると、アードベッグには17年物、29年物なんてのがあるらしい。



すでに旨いこの酒に刻の深みを加えたならどうなるのだろう。
空恐ろしい。
年を置き、今芽生え始めている予兆がどうなるのか想像をたくましくする。
気分は才能豊かな若き芸術家を見守るパトロンのそれだ。
おもしろき酒である。
こんなのに出会うとやはりシングルモルトを飲まないといけないな、と思う。

さらば如月

2014-03-01 00:54:03 | Weblog
ここ三日ほど寒さが緩んで嬉しい。
柔らかなは歩む路面を濡らし、れば空は春霞。
でも最近は霞の成分にPM2.5が含まれているようなので、気持ち良い眺めなのに胸いっぱいに深呼吸、なんてできない。
悲しい事よのう。

さて一月が終わったと思ったら、二月すら早くも過ぎ去ってしまった。
はや今年も六分の一が終了である。
春は近いが次の冬も近そうだ。
冬を過ごす時の様に感覚を閉ざさず、暖かくなったらしっかり季節を感じて、刻の進みを抑えないと。

若い頃は休日にする事がなく、昼近くまで寝て、午後もブラブラぼんやりして時間を浪費した。
一年は今より長かったが、一日はなんとも短かったな。
昼からの半日だけだもんな。

年を取ると長時間続けて眠れなくなり、夜更かししても翌朝は遅くとも9時には起き出す。
今や私は趣味人となった。
テニスを始め、山を歩くようになり、頻繁に旅に出、写真を写すようになってからは、休日にはなんらかの予定を入れ、しっかり楽しんでいる。
旅に出、山に入れば6時から行動を始めることも珍しくはない。
一日が長い。

一年の長さと一日(休日限定)の長さが、若い頃と逆転しているよ。
そんな事を思った。