二枚になった

2014-03-03 01:30:11 | お酒
私のDVDコレクションに「男はつらいよ<拝啓車寅次郎様>」がある。
昔テレビで男はつらいよシリーズを見た時、寅さんと甥の満男が酒を酌み交わすシーンがあり、酒好きの私の記憶に残った。
初めて酒を飲む満男に熱燗の飲み方を教える場面で、寅さんが例の口調で話す。
これがなんともうまそうなのだ。
うまい事言うなと感心。
ある時その事を思い出しもう一度見てみたいと思い、これだったかと上記のタイトルのDVDを買ったが違っていた。

上記の作品はそれはそれで面白かったのでいいのだが、さてそれではどの作品だったのだろう?
満男が出てくる奴は結構数があり、手当たり次第に買うわけにもいかず。
そうこうしている内に購入したお店のDVD売り場から寅さんシリーズが消えてしまった。
売れても補充されなかったようだ。
タワーレコードに行っても置いて無いし、もう手に入らないかと諦めていた。

が先日、知ってはいたがあまり入ったことのないDVD屋に足を踏み入れた。
最初は寅さんの事は頭に無かったが、邦画コーナーが結構充実していたのでもしかしてと思い探してみたら、なんとありましたありました寅さんシリーズ。
ほぼ全巻揃っていたのでは。
これ幸いと最終巻から順に裏面のあらすじを確認して行く。
これかな、どうかな…。

そして、主役格で満男の登場するシリーズの一番初めの作品のあらすじを読むと、オカマライダーが出てくるとある。
旅先で寅さんと偶然出会い上記の酒を飲むことになるのだが、その前振りでオカマライダーが出てくることを覚えていた。
これだ。
作品名は「男はつらいよ<ぼくの伯父さん>」だった。
前回上記の作品を買った時は覚えがないので、これは置いていなかったようだ。

迷わず購入して、さっそくその晩鑑賞。
例のシーンは記憶に残っていた通りだった。
相変わらず旨そうだった。
ただ旅先で飲んだのではなく、柴又に久しぶりに帰ってきた寅さんに、最近荒れている浪人生満男の話を聞いてやってほしいという妹さくらと博の依頼に、食べに出掛けた先での事だったのでこちらは記憶違い。

ではその熱燗の一節を。

 寅  「さっ、満男…。お前も一人前だ、な…。さ一杯いこ…。うん。」(こここ)
 満男 「いただきます。」(ぐびぐび)
    「ぶふっ。ぐふっ。…あー。はー。」
 寅  「なんだおぇ、酒の飲み方から教えなきゃなんねえのか…。」
 満男 「どうやって飲むの?」
 寅  「どうやってって…。」
    「いいか…。まず片手に杯をもつ…。酒の香りを嗅ぐ…。なぁ?」
    「酒の匂いが鼻の芯にジーンと染み透った頃、…おもむろに一口飲む。」 
    「さあ、…お酒が入っていきますよということを五臓六腑に知らせてやるんだ。」
    「な。そこでここに出ているこの突出し。これを舌の上に、…ちょこっと乗せる。」
    「これで酒の味がぐーんと良くなる。」
    「それから…、ちびり…、ちびり…。」
    「だんだん酒の酔いが体に染み透っていく…。」
    「それをなんだお前、かけっこしてきた奴がサイダー飲むみたいにグーっと飲んで。」
    「胃袋が驚くよ、それじゃあ。…分かったか?」(うなずく満男。)

どですか。
どぜう屋での一コマですぜ。
酒好きのあなた、ぜひぜひ本物の映像で見てみてやってください。