秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ
歌意: 秋風によってたなびいている雲の切れ間から、
もれさしてくる月の光の、なんとくっきりと澄みきっていることよ。
作者: 左京大夫顕輔(さきょうのだいぶ あきすけ)
1090~1155 藤原顕輔。 藤原顕季(あきすえ)の子。
勅撰集『詞花集』の選者。
『新古今和歌集』の詞書に、「崇徳院に百首歌たてまつりけるに」とある。
(この百首歌というのは『久安百首』→77番 のこと)
爽やかな秋風が吹きわたり、雲が流れるように動き、
そのたなびく雲の切れ間から、澄んだ月の光がもれ出てくる、その一瞬をとらえた
秋の夜空の光景である。
このように刻々と変化する夜空の景は、まさしく秋という季節だからである。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
今回の一首は、去年の書道展で書いた作品です。
去年は百人一首の中から、春夏秋冬一首づつ書いて軸装に仕上げました。
同じ首でも、文字の形、散らし方で全然違う雰囲気になるので、
どんな字体で書くかを決めるまでが大変ですが、それもまた書の楽しみのひとつでもあります。
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