人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
歌意: 人がいとおしくも、また人が恨めしくも思われる。
おもしろくないものと この世を思うところから、あれこれと もの思いをするこの私には。
作者: 後鳥羽院(ごとばいん)
1180~1239 高倉天皇の第四皇子。承久の乱で隠岐に配流され、在島19年で崩御。
建暦2(1212)年12月の二十首御会で詠まれた歌で、「述懐」の題で詠まれた五首の中の一首。
後鳥羽院33歳の詠作である。
初めの二句で「惜し」「恨めし」という相反する二つの感情が対比的に用いられている。
「人」への強い執着が読み取れる表現である。
この歌は承久の乱のほぼ9年前の作であるが、
あるいは鎌倉幕府との関係をすでに憂慮していたのかもしれない。
特に、「あぢきなく」という表現から、その苦悩の深さを読み取ることもできよう。
政を掌握しなければならぬ位置にありながらも、思うに任せない帝王の心のゆらぎをも感じられる一首である。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
桜の花の季節もあっという間に過ぎて、季節は新緑が眩しい初夏になってきました。
GW前半が終わって4月もおしまい・・・
明日はやっと、のびのびになっていたオーディオシアタールームの工事です。
楽しみ~
百人一首も残すはあと1首となりました・・・
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