世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

北国赤海老(ホッコクアカエビ)・甘海老(アマエビ)

2017年12月06日 22時12分00秒 | Weblog


甘海老(アマエビ)・ホッコクアカエビ

【語源】
甘エビ(アマエビ)で親しまれていますが、正式名は北国赤海老
(ホッコクアカエビ)です。

語源は字のごとく、この海老の甘さから・・呼ばれるようになったと
考えられます。


【旬】
冷凍加工される事が多いため、1年中食べる事ができますが、旬は
冬です。






【うんちく】
寒海性の海老で、水深150~300メートルの泥底に生息する。
日本海での漁獲が多い。産卵期は3月~5月頃。

孵化後、雄として機能し、5年目で交尾を行う。その後6年目頃に
雌へと性転換し、産卵を行う珍しい魚です。一生に2~4回の産卵を
行います。

海老の頭部にはエラがあり、多量の血液があります。この血液に
チロシナーゼという酵素が存在し、これが空気に触れると酸化し、
メラニンが生成され、黒く変色します。
海老の鮮度のバロメーターは頭の部分の変色度合いです。

【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。国産物の主な産地は富山県
北海道、新潟県。

海外では、グリーンランドなどの北ヨーロッパと、アラスカです。



    アマエビとアマエビの卵のにぎり寿司




       素干し甘海老




【産地ならではの漁師料理】
主な食べ方はお刺身・寿司などの生食です。後は、唐揚げ、塩焼き
などにもされますが、漁師さんは・・・・
「やっぱり刺身でしょ~!でも獲れたての生きた奴は駄目!味も
何もない。1日おいたくらいでないと、甘みが出て来ないんだよ~」
と、魚は、鮮度良ければ全て良しと言うわけではないようです。

そして、刺身の後は、頭をす揚げにし、塩をひとふり・・・
ビールのつまみに最高。もしくは、かるく炙った後、味噌汁へ・・
海老の旨みを食べつくす漁師さん。流石ですね~!






【栄養と効果・健康】
高たんぱく、超低脂肪の食材。
このたんぱく質に含まれるグリシン・プロリン・アラニン・アルギン
などのアミノ酸が、強い甘みを生み出します。

カルシュームとビタミンEを極めて多く含むため、究極の美容食と
いえます。

コレステロールを多く含んでいますが、血中コレステロールを下げる
タウリンも豊富なので、気にする必要はなさそうです。

タウリンは血圧を下げたり、肝臓障害を改善したり、糖尿病を抑制
する効果があります。


        甘海老の塩辛















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真鱈(マダラ)

2017年12月06日 08時10分02秒 | Weblog

真鱈(マダラ)・タラ


      炙り白子の寿司

【語源
マダラの語源は背面に斑紋、すなわち、マダラ模様がある事から
呼ばれる。日本で水揚される鱈(たら)には、このマダラと
スケトウダラ、コマイの3種類があるが、タラと言えば、この
マダラだと思ってよい。




    白子の柳川風


【旬】
「鱈」タラの字のとおり、身は雪のように白く、雪のちらつく
1~2月、冬が旬である。



   白子焼き


             白子の天ぷら


【うんちく】
タラは非常に大食漢でエビ・蟹・タコ・貝など、何でも食べてし
まう。「鱈腹食う」とか、「矢鱈(やたら)」とか、「出鱈目(
でたらめ)」という言葉がこの魚から出来たとか・・・!
食欲もさることながら、性欲もすさまじく、マダラは一生に
10回ほど産卵し、一度に産む数は、なんと200~500万粒。
美味しいものを鱈腹食って・・・・・・!うらやましい人生(
魚生?)ですね!


     マダラの卵・・・真子
たら子、明太子は実はこのマダラではなく、スケトウダラの卵巣。
マダラの卵巣は「真子(まこ)」と呼ばれ、煮付けなどにされ、
かなり美味。
市場では、この真子のことを「きん○ま」と言う恥ずかしい通称
で呼ばれています。(見た目そのまま・・・・)


        白子の湯引き

卵はスケトウダラに負けますが、精巣、白子は最高級品。
高値で流通します。また、味もよく、湯引きや鍋などで食されます。


また「鱈は馬の息でも煮える」と言われるほど火のとおりが早く、
鱈料理のコツは火を通しすぎない事とか・・・!


    鱈と白子こがしバターソース(フレンチ)






         白子汁

【ブランド・産地】
ブランド化されていないが、下北半島、津軽海峡に面する青森県
脇野沢村で漁獲されるマダラは質が良いことで知られる。


        干し鱈

また、歴史も古く、それは江戸時代までさかのぼる・・・・!
青森から、江戸の市場までこのマダラを「新鱈」と呼び、運んで
いました。「新鱈」とは腹をさかずに、口からエラ、内臓を取り
出し、塩を腹に詰め込んだ塩蔵品。
腹を切らない事から切腹を嫌う武家に珍重され、年越しや初午の
祝膳には欠かせなかったとか・・・。

また、東北地方では冬季の神事の際の供え物にもされている。



       白子の柚子茶碗蒸し

【産地ならではの漁師料理】
タラは煮付け、塩焼き、フライ、バター焼き、鍋など、料理方法は
様々ですが、鮮度の良いものは昆布〆が最高に美味しい。
白子は湯引きして、ポン酢で・・・最高。




郷土料理では、干し鱈・棒鱈と、えび芋を炊き合わせた「芋棒
(いもぼう)」は京料理として有名。
また、青森県の漁師料理「じゃっぱ汁」もうまい。「じゃっぱ」と
は捨てる部分を意味する。頭、中骨、肝、エラ、胃袋、白子などを
大根やネギなどと味噌味で煮る料理。肝はすりつぶして、溶かし
込みます・・・・!聞くだけで美味しそうでしょ!

      真鱈のじゃっぱ汁

そして、地元の漁師さんに鱈鍋のコツを聞いてきました。
「鱈を鍋にする時は下準備が命。タラの切身は真っ白になるくらい
塩をふりかけて、30分ほど寝かす。そしてよく水洗いし、鍋へ
入れるんじゃ。こうする事によって、よりタラの旨みを引き出せる
んじゃ・・・・」と!  試してみる価値あり!ですね。


        マダラの切身




        タラ鍋(肝、白子たっぷり)






【栄養と効果・健康】
脂肪の含有量が極端に少ない白身魚で、消化吸収もよい。
ダイエット食、幼児の離乳食などに向く食材です。

ミネラル類はカリウム・カルシウム・鉄・亜鉛をバランスよく
含み、ビタミンはB群が多め。一方、絶品の白子は、身よりミネ
ラル、ビタミンに富んでいるが、コレステロールも多い。
食べ過ぎには注意が必要です。

      真鱈子のにこごり








  白子を使ったフレンチ





白子のフライ








      真鱈の煮付け




            白子の塩辛








            白子の明太子焼き








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