世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

海鼠(ナマコ)・赤ナマコ・青ナマコ

2017年12月17日 21時09分36秒 | Weblog

    赤ナマコ

海鼠(ナマコ)・マナマコ



【語源】
海の鼠(ネズミ)と書いて、ナマコと読むのは、夜になるとネズミの
ように海底をはいまわるからとか、見た目が、ネズミの後姿に似て
いるから・・・・などと言われています。

古くは、ナマコは単に「こ」と呼ばれていたようです。
生の「こ」が「なまこ」と言うわけです。
また、中国名は「海参」海のニンジンです。英名は「sea cucumber」
海のキュウリとか「sea sausage」海のソーセージと言います。

インパクトある姿をしているので、見た目から命名が多いようです。



        青ナマコ



          海鼠腸の塩辛

【旬】
ナマコは冷たい海が好き。
水温が16℃以上になると、冬眠ならぬ夏眠に入ります。
北海道では夏眠しないものもいますが、秋も深まり水温が下がると
目覚めます。そして、待ちに待った漁期となります。

海鼠(ナマコ)の旬は冬です。「冬至ナマコ」と言う言われ方も
します。

地域によって違いますが、ナマコ漁の解禁は11~12月です。



      (上)青ナマコ、(下)赤ナマコ



【種類】
マナマコは体色によって、呼び分けられます。
赤褐色のものを「赤ナマコ」、暗青緑色から黒に近いものを「青ナマ
コ」と呼び分けます。
色の違いは、生息場所の違いで、赤ナマコは岩礁地帯に住み、青ナマ
コは砂地の海底に生息します。

味は赤ナマコの方が良いとされ、高値で流通しているようです。

青ナマコの中でも特に黒色に近いものを、「黒ナマコ」とも、呼び分
けますが、沖縄以南には、標準和名で「クロナマコ」と言う別種が
存在しますので、お間違いなく・・・・ややこしい~!


       ナマコ酢

【うんちく】
一般的に流通しているのは「マナマコ」です。
ナマコは軟体動物ではなく、ウニやヒトデの仲間で棘皮(きょくひ)
動物です。

海へ行って知らずにナマコを踏んでしまった時に、ナマコがネバネバ
した糸状のものを吐き出したり、内臓を吐き出すのを見たことがある
と思いますが、この糸状のものは「キュビエ器官」と呼ばれるもので
、刺激されると肛門から吐き出します。
この糸が魚のエラブタにからみつくと、魚はエラを動かせなくなって
死んでしまいます。


もう一つの技は「自切」です。トカゲの尻尾のように危険を感じた時
に体の一部を自分から切り離します。
動きの遅いナマコの地味な抵抗ですね~!

こんな、強い生命力から、中国では古くから精力剤として珍重され
ました。陸の精力剤「高麗人参」になぞられて中国で「海参」呼ばれ
る事は既に記しましたが、ニンジンはニンジンでも、高麗ニンジンの
事なんですよ~!





     ナマコのくちこ干し


       くちこ干しを炙った物


【ナマコの珍味】
ナマコの加工品は、高級珍味として流通しています。
海鼠腸(このわた)は、ナマコの腸を塩辛にしたもの・・・。
ウニ、カラスミとならび、日本三代珍味と呼ばれています。

海鼠子(このこ)は、ナマコの卵巣の塩辛。

「このこ」を干した「干このこ」も超のつく高級品で酒の肴に最高
「くちこ干し」、「干口子(ひぐちこ)」とも呼びます。



【ブランド・産地】
ナマコは北海道から九州まで、生息している為、特別な産地は見当た
りませんが、漁獲量の最も多いのは北海道です。続いて、青森・山口
・兵庫の順となります。

ブランド化はされていないようです。



     海鼠腸(このわた)の酢の物
【産地ならではの漁師料理】
ナマコの代表的な食べ方は酢の物です。コリコリした歯ごたえと、
磯の香りがたまらないですよね~!

しかし、瀬戸内地方の漁師料理で「ふくらぎ」と言うナマコ料理が
あります。
ハラワタを取り除いて、適当な大きさに刻んだナマコを沸騰した
お湯にくぐらす・・・・ナマコのジャブジャブのようなもの。
これを、なます風に味付けし、すりおろした山芋などをかけて食べ
る料理。「ナマコは火を通すと柔らかくなり、また違った食感を楽し
めるんじゃ」と・・・・!なんとも精力のつきそうな一品ですね。



【栄養と効果・健康】
ナマコはコリコリとかなり堅い食材ですが、その成分は意外。
90%以上が水分です。堅さの原因はコラーゲンです。また、サボニン
、コンドロイチンなども含み、お肌の健康維持には最高の食材と言え
ます。女性は食べるべし。

東南アジアでは、美容に良いという事でナマコブーム。
ナマコゼリーやジュース、ジャムなどが登場して来ているとか・・!

ミネラルも、カルシューム・カリウム・マグネシュームをバランス
よく含んでいます。

       薄切りにした海鼠




        ナマコとコノワタの和えもの







          赤ナマコの酢漬け






       コノワタとホヤの和えもの









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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】




銀鱈(ギンダラ)

2017年12月17日 08時07分40秒 | Weblog

ギンダラ
【語源】
カサゴ目の魚ですが何故かタラ・・・?
切身にした時の見た目がタラに似ていた為と、魚屋さんが販売
しやすいネーミングと言う事で付けられたのではないかと思います。


  ギンダラの煮付け




同じ様なネーミングで、「銀ムツ」と言う魚がいます。
正式名称は「メロ」。今や標準和名が義務付けられ、「メロ」で
販売されていますが、この「ギンダラ」は、これがこのまま標準和名
になっています。





       ギンダラのムニエル
【旬】
産卵期は冬。よって、夏から秋が旬と言えますが、冷凍での流通が
大半ですので、いつでも変わらず美味しくいただけます。
煮付や鍋が代表的な料理法。
よって、需要の高まる冬を旬とするのが妥当かと思います。





【うんちく】
全長約1㍍。見た目はアイナメに似ているが、カサゴ目ギンダラ科
の魚です。
水深300~600㍍の低層に生息し、ニシンやスケトウダラ、甲殻類、
烏賊類を食します。
長寿な魚で20年以上生きると言われています。

以前は漬け魚位しか需要がなかったのですが、日本人の食生活が
「脂肪好み」に変化した為、近年、食卓で定番の魚になりました。





    ギンダラのチリソース炒め
【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。主な産地はカリフォルニア沿岸。
ほとんどが、アメリカからの輸入です。

非常に安価な魚だったのですが、その美味さの為、大人気に・・・!
ファミリーレストランなどでもメニュー化され、需要が跳ね上がり
ました。
この為、今や高級魚!一昔前の4~6倍の値です。
庶民には悲しい事ですね~





    ギンダラのピリ辛煮
【産地ならではの漁師料理】
産地といても、カリフォルニア沿岸からなどの輸入がほとんど。
代表的な料理は煮付ですが、西京漬けなどの漬け魚にも相性が良い
魚です。

マグロ君のお勧めは塩焼き。脂が強いこの魚は、煮るよりも塩焼き
の方が好きです~
ご飯がすすみます。






【栄養と効果・健康】
たんぱく質よりも脂肪分のほうが多い珍しい魚です。
水分は少ないのですが、その割には身が柔らかいです。

この魚の注目すべき点は、ビタミンAの多さです。
なんとウナギ以上~!
ビタミンAは抵抗力を強め、様々な病気を予防する働きがあります。
抗酸化作用が大きいので、動脈硬化や癌を抑制します。


    ギンダラの西京焼き



また、若返りのビタミンEも豊富に含んでいます。

DHA・EPAも多く、中性脂肪やコレステロールを抑えてくれます。

美味しい上に健康的な食材です。


ギンダラの塩焼き


  煮付け







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