『観覧車』 柴田よしき 著 祥伝社文庫
切ない。しみじみと切なく悲しい物語。
突然失踪した夫、貴之を待ちつづける下澤唯。
彼の仕事であった探偵事務所を引き継ぎ、必死で気を張って生きている女性。
この本は、小さな個人の探偵事務所で一人孤軍奮闘しながら、その底辺に理不尽なほどの淋しさを抱えた一人の女性の物語。
事務所に依頼される件を追いながら、失踪から7年の彼女の心の移り変わりを描いた、ほんとうに切ない物語。
短編集なので、単独でも楽しめる。火サスのような大事になる話ではなく、日常に起こる普通の人が普通に(といっていいならば)探偵を頼もうとしたときに依頼される事柄、浮気調査や人探しなどをこなしながら、たった一年しか結婚生活を送れなかった夫を待つ日々。その仕事の中身には、もし長年連れ添っていたらそんな気持ちを持つことが出来るのか、と唯に非常に悲しい気持ちを抱かせるものもある。
積み重なる時間。
積み重ねる日常。
それを積み重ねていくはずだった人を、最初の数年は意地で、その後は、ただ淡々と待ち続ける。
ラスト。
最初の「観覧車」という話で、浮気の末会社のトラブルで自殺をした父親の娘が唯にいう。
知らないほうが幸せなんて、そんなのは嘘だ。と。
自分は彼氏がムチャクチャ好き。ためらいもせずに唯の問いかけに答え、もし浮気したのならこっちからふってやる。お母さんのように、浮気した挙句に自殺されても追い続けるのはいやだ、と。
そして唯は。
7年間待ち続けた唯は。
むちゃくちゃに、好き
まだ。
そう自分に認めて歩き出す。彼をみつけ、この待ち続けた時を取り戻すため。
どんな結果が待っているのか、多分それは決して気持ちのいい「真実」ではないのだけれど。
彼が生きているとわかった以上は探す。私も生きているのだから、と。
ようやく、そう決意して、話は終わる。
唯の切ない気持ちを底辺に、淡々と事務所に依頼された件の人間模様を描くミステリー。
おそらく、待つという行為の、一番悲しい待ちかたじゃないのか、、
人と人との関係について、考え込んでしまった作品だった。
乞う。続編!
切ない。しみじみと切なく悲しい物語。
突然失踪した夫、貴之を待ちつづける下澤唯。
彼の仕事であった探偵事務所を引き継ぎ、必死で気を張って生きている女性。
この本は、小さな個人の探偵事務所で一人孤軍奮闘しながら、その底辺に理不尽なほどの淋しさを抱えた一人の女性の物語。
事務所に依頼される件を追いながら、失踪から7年の彼女の心の移り変わりを描いた、ほんとうに切ない物語。
短編集なので、単独でも楽しめる。火サスのような大事になる話ではなく、日常に起こる普通の人が普通に(といっていいならば)探偵を頼もうとしたときに依頼される事柄、浮気調査や人探しなどをこなしながら、たった一年しか結婚生活を送れなかった夫を待つ日々。その仕事の中身には、もし長年連れ添っていたらそんな気持ちを持つことが出来るのか、と唯に非常に悲しい気持ちを抱かせるものもある。
積み重なる時間。
積み重ねる日常。
それを積み重ねていくはずだった人を、最初の数年は意地で、その後は、ただ淡々と待ち続ける。
ラスト。
最初の「観覧車」という話で、浮気の末会社のトラブルで自殺をした父親の娘が唯にいう。
知らないほうが幸せなんて、そんなのは嘘だ。と。
自分は彼氏がムチャクチャ好き。ためらいもせずに唯の問いかけに答え、もし浮気したのならこっちからふってやる。お母さんのように、浮気した挙句に自殺されても追い続けるのはいやだ、と。
そして唯は。
7年間待ち続けた唯は。
むちゃくちゃに、好き
まだ。
そう自分に認めて歩き出す。彼をみつけ、この待ち続けた時を取り戻すため。
どんな結果が待っているのか、多分それは決して気持ちのいい「真実」ではないのだけれど。
彼が生きているとわかった以上は探す。私も生きているのだから、と。
ようやく、そう決意して、話は終わる。
唯の切ない気持ちを底辺に、淡々と事務所に依頼された件の人間模様を描くミステリー。
おそらく、待つという行為の、一番悲しい待ちかたじゃないのか、、
人と人との関係について、考え込んでしまった作品だった。
乞う。続編!