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「フォー・ディア・ライフ」「フォー・ユア・プレジャー」

2007年01月23日 17時58分09秒 | ★★柴田よしき
柴田 よしき 著
講談社文庫

2冊一緒に。シリーズもの。

主人公は新宿2丁目で無認可保育園の園長さんを勤める花咲慎一郎。嫌いな呼ばれ方は「ハナちゃん」
あくまで、本人の本業は保育園の園長さんなのだけれど、場所柄、不法滞在の女性たちのお父さんのいない子ども達などなどを預かることが多いため、資金繰りはいつも切羽詰っており、裏家業・・ヤバイ仕事も引き受ける「探偵業」をして、必死に赤字補填をしている大変いそがしい園長さん。

彼の前身は刑事。それもマルボウ刑事さん。
ある事情で警察をやめ、ついでに警察に疎まれ、春日組の前組長の愛人さんに見込まれて、この保育園の園長さんを任される・・

探偵業が主体な話かな、と思っていたら、なんだかおもしろい構成で。
保育園のやっかい事も探偵業のやっかい事も、気が付くと一緒にもつれてつながって解決する。
特にシリーズ2作目はほんとに「こいつ気にくわん!!」と思った父親が、ほんとに莫迦であほでどうしようもなく(失礼)、、ラストにきっかり絡んできてハナちゃんを激怒させ(私も一緒に激怒して)、保育園の問題を解決するし。

このシリーズ。山内錬君が出てくるのよね。
すっかり春日組の「若頭」に納まってしまっている彼で、かなり人格も危ない状態になっているんだけれど。
「聖なる黒夜」を初めに読んだ私としては、辛いなあ。
それでも、ほんの少し、ほんのちょっぴりだけれど、昔の彼を思い起こさせるシーンがあったりも、する。
そんなこんなで、山内を罵倒するハナちゃんを、私は悲しい思いで見てしまう。

ハナちゃんと山内がどのくらいこれから絡むのか、気になるところだけれど、続きは文庫じゃないみたいなので、また気長に待つ作品になってしまった。
(実際、ここが気になるっていうのは、正直この作品の主軸からちょいと外れているかも。。なあ。。。)

そうそう。それぞれの文庫の文頭に、タイトルの和訳がでている。
「フォー・ディア・ライフ」は「一所懸命・命からがら」などの意味。
「フォー・ユア・プレジャー」は「楽しみに」などの意味。
なるほどね。
まさにその通りの内容、なのだなあ。上手いね。タイトル。

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