夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

秘かな木槿(ムクゲ)の思い・・。

2010-07-01 18:27:24 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活6年生の65歳の身であるが、
昨日の朝、小雨が降る朝を迎え、いつものように私は玄関の軒下で煙草を喫ったりしている。

軒下から観えるたった1本の木槿(ムクゲ)があるが、
たわわな莟(つぼみ)から、一輪だけ恥ずかしそうに咲いているのに気付いた。
底紅で花びらは淡紅色した高砂木槿(タカサゴ・ムクゲ)であり、
毎年、この時節から8月の中旬の頃まで彩ってくれ、
ときおり私を慰めてくれる夏の花のひとつである。
この高砂木槿は、旅先で偶然に買い求めた花であった。


私は定年退職後、買物担当となり、初夏のような陽射しの中、
買物に行った時、住宅街を歩いていると、
あるお宅の庭先で宗旦木槿(ソウタン・ムクゲ)が咲きはじめていた・・。

私は宗旦木槿の底紅で白い花で、
心澄んだ気品を秘めたような花と感じながら、15年近くなっていた。

これまでは公園、ご近所のお宅にも咲いていたと思われるが、
意識させられたのは、一冊の文庫本であった・・。

今は亡き作家・山口瞳(やまぐち・ひとみ)・著の『男性自身 木槿の花』(新潮文庫)を平成6年夏に読み、
亡くなわれた作家・向田邦子(むこうだ・くちこ)女史への鎮魂曲のような随筆であった。

この随筆を読んでから、白の花の木槿、と綴られていたのであるが、
向田邦子女史であったなら、宗旦木槿が相応しい、と私は勝手に連想したのである。

この時以来、私は宗旦木槿を見るたびに、山口瞳の随筆に導かれて、
向田邦子女史の顔立ちを思い浮かべながら、
数多くの遺(の)こされた作品を甦(よみがえ)ったりしているのである。

いつの日だっか、都立公園で五種類ばかりの色とりどりの木槿を観たが、
どこかのお宅で、さりげなく咲いている宗旦木槿の方に、遥かに魅了される。


こうした思いもあり、
底紅で花びらは淡紅色した高砂木槿(タカサゴ・ムクゲ)より、
底紅であるが、花びらは純白の色合いの宗旦木槿(ソウタン・ムクゲ)に魅了され、
高砂木槿の淡紅色は洋室、ホテルなどのロビーに相応しく、
宗旦木槿の純白の色合いは和室に相応しい、と確信を強めている。
されど茶花に愛用される花のひとつであるが、
私は独りたたずんで、毎年この時節で心を慰めてくれる花である。


このような心情を重ねた年金生活3年生の夏、
伊勢の鳥羽に2連泊する団体観光ツアーに参加した帰路、
道の駅のドライブ・インの売店の外れで、木槿を偶然に見かけたのである。

簡素なビニール鉢に入り、樹高が20センチ足らずで、
花芽は5つ前後付いていた・・。
値段は200円程度であったと記憶している。

そして売店の販売員の中年の女性のお方に
『宗旦木槿は、ありませんか?・・』
と尋ねたのであるが、
花に全く無知なお方である上、観光バスの出発も迫ってきたので、
妥協して購入したのが、高砂木槿であった。

帰宅後、地植えにしたが、かぼそい樹形であったが、
夏の終わりの頃まで、10数輪咲いてくれた。

そして翌年になると、樹高は50センチ前後を期待した以上に伸び、
先程、眺めたら私の背丈以上に伸び、10数輪咲いていた。


私としては底紅で花びらは淡紅色した高砂木槿より、
底紅であるが花びらは純白の色合いの宗旦木槿を植えたかったのであるが、
このような成り行きで、宗旦木槿は秘かなあこがれの花でもある。

しかし、この時節に咲いてくれる高砂木槿は、
それなりに可愛いよ、と心の中で呟(つぶや)いたりしている。



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水無月(みなづき)の6月に別れを告げ、文月(ふみづき)の7月を迎え・・。

2010-07-01 00:09:24 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活6年生の65歳の身であるが、
昨夜、水無月の6月のカレンダーを破り、早や一ヶ月が過ぎ去ったと思ったりした。

5月の下旬より、たまたま私達夫婦の結婚して35年目となり、
記念旅行と称して北東北地方の青森県の一部を周遊し、9泊10日間の旅行をし、
帰宅したのが、6月2日であった。

その後は、いつものように買物に行ったり、散策を重ねたりしたが、
初夏のよう暑さが続き、快晴の中、ハンドタオルで朝を拭ったりしていた。

そして平年より遅ればせながら、13日に梅雨(つゆ)入り宣言が気象庁から公知され、
ここ10日ばかりは夕方から明け方まで小雨が降ることが多く、
私なりに戸惑ったりしていた。

樹木のたわわな葉は雨に濡れて、清麗な色合いを見せたり、
半化粧(ハンゲショウ)の上部の数葉は白く化粧をほどこしたような色合いとなったり、
朝夕の小雨の中、私は眺めたりした。

そして私は小雨の中、傘を差(さ)しながら、近くの小さな公園に行ったりし、
花菖蒲(ハナショウブ)、杜若(カキツバタ)、そして紫陽花(アジサイ)の
花の色合いを誉(ほ)めたりして、
水無月の風情ある情感に心を寄せたりしていた。

そして私の住む地域の梅雨明けは、
平年ならば小・中学生が夏休みに入る7月20日頃であり、
今年はどうかしら、と小雨降る空を見上げたりすることもある。

このように思いながらも、今年も早くも半年が過ぎたと感じたりし、
水無月の6月に別れを告げた。


そして新たなる文月の7月のカレンダーを見て、
古人より、夜のひとときも長くなるので書物を開きなさい、と伝えられているが、
私なりに更に読書をし、心を深めなさい、
と天上の神々から告げられていると解釈している。

しかし、殆どの毎日は買物の責務を果たした後、
散策しながら初夏の樹木、草花を移ろいを享受したり、
暑さの苦手な私は、エアコンの冷風の中で、このサイトに綴ったり、
読書をすることが多く、その上に昼寝をしたりする。

そして、ときおり庭の手入れをし、汗まみれ泥まみれとなり、
初夏の樹木、草花を愛(いと)おしく思いながら、剪定や草むしりをしたりする。

このようなことが年金生活のこの時節のならわしとなっているので、
今年も同じような日々を過ごすのかしら、と微笑んだりしている。


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