夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

風光る薫風の中、独り散策すれば、私たち夫婦は最良の日々かしら、と私は深めて・・。

2015-04-24 15:37:08 | ささやかな古稀からの思い
私は年金生活の70歳の身であるが、平素の買物専任者の私は、午前中のひととき、
家内から依頼された品を求めて帰宅した後、いつものように独りで散策に出かけた・・。

青空が広がり、ときおり風が吹く中を歩けば、心地良く、薫風だよなぁ、と心の中で呟(つぶや)いたりした。

そして周辺の数多くの樹木は、木の芽時(このめどき)から幼いあまたの葉を広げて、萌黄(もえぎ)色に染めら、
中には早くも若葉となる中、立ち止まりながら長らく見惚(みとれ)れたりした。
          

私は民間会社の中小業のある会社に35年近く奮戦し2004年(平成16年)の秋に定年退職し、
最後の5年半はリストラ烈風の中、あえなく出向となったりし、敗残者のようなサラリーマン時代を過ごした。

私は定年退職するまで人生は、何かと卑屈と劣等感にさいなまれながら、つたない言動も多く、
ときおり敗残者のように感じることも多く、悪戦苦闘の多かった歩みだったので、
せめて残された人生は、多少なりとも自在に過ごしたと思い、定年した後、年金生活を始めた・・。
                
私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住み、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

そして我が家の周辺は住宅街の片隅に住みにあり、
最寄駅としては、京王線の場合は、『つつじが丘』、『仙川』の両駅は徒歩15分である。

或いは小田急線の場合は、『喜多見』、『狛江』の両駅は徒歩20分となり、
そして私が長年通勤で利用した『成城学園前』駅は徒歩30分となっているが、
何かしら京王線と小田急線にサンドイッチされたかのような辺鄙(へんぴ)な地域に住んでいる。

いずれの最寄駅までの路線バスの利便性は良い所で、たとえば都心の新宿のデパートに買物に行っても、
電車を利用すれば、我が家よりデパートの店内に45分ぐらい、
或いは東京駅でも我が家から一時間前後となっている。
          

2004年(平成16年)の秋、年金生活の当初から、私は平素の買物を自主的に専任者となり、
独りで殆ど毎日のように家内から依頼された品を求めて、
最寄のスーパーに買物に行ったり、或いは駅前までの片道徒歩20分ぐらいのスーパー、専門店に行ったりしているが、
根がケチなせいか利便性のよい路線バスに乗るのことなく、歩いて往還している。

その後、自宅から数キロ以内の遊歩道、小公園などをひたすら歩き廻ったりして、季節の移ろいを享受している。
                           
こうした私の根底には、定年前のサラリーマン時代の私は、数多くの人たちと同様に多忙で、
家内は我が家の専守防衛長官のような専業主婦であり、日常の洗濯、買い物、料理、掃除などで、
家内なりの日常ペースがあり、この合間に趣味などのささやかな時間で過ごしてきた。
          

そして定年後の年金生活を始めた私としては、このペースを崩したくなく、
平素の買物専任者を自主宣言したりした。

私は年金生活の中で、日中の大半を随筆、ノンフィクション、現代史、総合月刊雑誌などの読書、
ときおり20世紀の私の愛してやまい映画を自宅で鑑賞したり、
或いは音楽も聴いたりする時間を確保したく、積極的に買物メール老ボーイとなった。

こうした中で、家内は料理、掃除、洗濯などを従来通りしてくれるので、
せめて家内が煎茶、コーヒーを飲みたい時を、私は素早く察知して、日に6回ぐらい茶坊主の真似事もしている。

そして私は家内が外出する時は、殆どボディガード兼お供となり、
最寄のホームセンター、スーパーなどに買物に行く時、荷物持ちの責務を果たしている。
          

或いは私がときおり小庭の手入れをする時、年に4回ぐらい家内が手助けをしてくれる。

こうした私たち夫婦の年金生活を、ご近所の方の奥様たちが見かけて、
あなたたちは仲良し恋しねぇ、と社交辞令のお世辞を頂くこともある。

しかしながら日常生活の実情は、私は家内のことを、婚約する前の頃から、『XXちゃん・・』と呼んでいるが
家内は日頃の多くは、私のことを『あなた・・』と呼ぶことが多いが、
ときには、たわむれで、『XXクン・・』と苗字で呼ぶこともある。

しかしながら2004年(平成16年)の秋、年金生活を始めてまもない頃、
私は家内から依頼された買物の購入品などで間違えたりすると、
『ボケチィンねぇ』
と家内は笑いながら、私に言ったりした。

この日以降、私が何かで日常生活で失敗した時、
『ボケチィンねぇ・・』とか、ある時は『ダメオ(駄目夫)クンねぇ・・』
と家内は微苦笑しながら、私に言ったりしている。
          

こうした中で、私たち夫婦の共通趣味のひとつは国内旅行であり、幾たびか各地を旅路を重ねてきた。


私は70歳の身であり、私より5歳若い家内も、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。

私たち夫婦は年金生活を過ごして、早や11年目になっているが、
幸いにもお互いに大病に遭遇せず、過ごしてきた。

もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないことが多く、
私たち夫婦は38年寝食を共にしてきた結婚生活の中で、幾重かの人生の荒波を乗り越えて、
ここ10年は安楽の日々を過ごしてきた。

世の中は少年時期から青年時期を過ごした後、やがてボクの青春時代はあの時期だった、
と後年になって走馬灯ように思い馳せたりすることがある。
このようなこともあるので、今こうして過ごしている私たち夫婦は最良の日々かしら、と私は感じたりしている。

これからの日々は、体力の衰えを増すことを実感しながら、
やがていつの日にか、どちらかが不運にも大病になったり、最悪の場合は死別して、おひとりさまとなったりする。

こうしたことは自助努力も必要であるが、こればかりは天上の神々の采配に寄る。
          

このように思案している私は、こうして過ごしている昨今こそが、
いつまで続くか解らないが、私たち夫婦にとっては最良の日々、と私は感じ深めている。


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コメント (2)
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