先程、ときおり愛読しているネットの【マネーポストWEB】を見ている中で、
【 人生100年で「生涯年金1億円」時代へ
高齢者の信用力も高まる 】と題された見出しを見たりした・・。
私は年金生活の14年生の身であるが、どのようなことなのょ、精読してしまった。
この記事の原文は、『週刊ポスト』の2018年7月20・27日号に掲載された記事のひとつであり、
関連ネットの『マネーポストWEB』で2018年7月12日に配信されていたが、
無断であるが転載させて頂く。
《・・人生100年で「生涯年金1億円」時代へ 高齢者の信用力も高まる
これまでの人生80年時代は、「貯金が3000万円あれば老後は安心」と思われていた。
定年後に夫婦で時々旅行に出かけたり、仲間とゴルフや釣りなど趣味を楽しむ「ゆとりある生活」をするには
月額36万円程度かかるとされる。
厚労省の標準モデルでは、サラリーマン世帯(妻は専業主婦)の年金受給額は、夫婦で月額約22万円。
年金だけでは必要額に毎月14万円足りない。
定年後の第二の人生をざっと20年間(65歳の年金受給開始から85歳前後まで)と考えると、
3000万円の貯金があれば、不足分を貯金から取り崩しながら“豊かな老後”を送ることができる計算になる。
“貯めたカネをチビチビ使う”という「貯蓄取り崩し」型の生涯プランだ。
実際、多くの人は定年を迎えたらそうした青写真を描き、退職金のほとんどを貯金して、老後に備えてきた。
総務省の最新の家計調査報告で60歳以上の世帯の平均貯蓄額が
2384万円(2017年平均)に達していることからもそれがわかる。
ところが、人生100年時代に、そんな“未来年表”は成り立たない。
定年後の人生が20年から40年に延びると、毎月「36万円」の生活を維持するには、
年金の他に7000万円近い貯金が必要になる。
2000万~3000万円の貯金があっても、いわば“焼け石に水”だ。
「そんなこといっても7000万円貯めるなんて絶対無理だ。
定年後は爪に火を灯すようにギリギリまで出費を切り詰め、いまある貯金を細く長くもたせるしかない」
そう悲観的に考え、ため息をついているシニアが多いのではないか。
せっかく豊かな老後を求めてまとまった老後資金を貯めたはずだったのに、
「今後は、孫にあげる小遣いをケチり、七五三や進入学のお祝儀も減らそう。
旅行や趣味もあきらめ、晩酌はせいぜい週1回。
貯金の一部は、株で運用してみようと思っていたが、そんなリスクを負うのはもってのほか。
安全な定期預金に置いておくしかない」と。
だが、それこそ、ジリ貧の選択だ。
趣味や旅行にお金が使えずに、老後が暗くなるだけでは済まない。
定年後の「未来年表」を考えると、人生が長くなるほど、
まとまったカネが必要になる場面は確実に増える。
自分や妻の病気や介護の出費、家のリフォームも必要になるだろう。
老人ホームに入居するにも、相当額のカネがかかる。
いざそうなったとき、「貯金が減るから」と必要なカネを使わず、
家にこもって“細く長く”貯金を大事に使うだけでは、老老介護で疲れ果て、精神的にも追い込まれていく。
「出ていくカネ」だけを数えると、どうしても悲観的になってしまう。
ならば、「入ってくるカネ」に目を向けると違った景色が見えてくる。
☆1億円の「超・安定収入」
人生100年時代は「生涯年金収入1億円」の時代になると聞いたら、
驚く人が多いだろう。
夫婦で月額約22万円の年金を85歳まで受給すると総額は5280万円だが、
100歳まで35年受給すると9240万円になる。
ざっと1億円だ。
寿命が延びる中で、老後の人生を豊かに送るためには、
この1億円の“年金預金”や老後貯金の使い方のコンセプトの大転換が欠かせない。
見落としてはならないのが、高齢者を取り巻く社会環境そのものが大きく変わることだ。
そこにチャンスが生まれる。
相沢幸悦・埼玉学園大学経済経営学部教授が指摘する。
「日本社会では長い間、リタイアした無職の高齢者は、
現役サラリーマンより社会的信用が低いと見られていた。
銀行はカネを貸したがらないし、賃貸住宅を借りようと思っても、高齢者に貸すのを嫌がる大家が多かった。
だから、多くの国民は、現役のうちに住宅ローンを組んで“終の棲家”のマイホームを買い、
定年後に備えて貯金に励んできたわけです。
しかし、これからは間違いなく高齢者の社会的信用が高まります」
高齢者の武器は、なんといっても安定した年金収入だ。
「考えてみてください。現役サラリーマンは、リストラされると収入がなくなりますが、
高齢者は無職でも、年金収入が生涯保証されます。
月々の年金額は少ないものの、多くの高齢者は別にまとまった貯金も持っている。
銀行にとってはお得意様になるし、全国的に空き家が深刻になっている時代に、
賃貸住宅の大家は、いつまでも“高齢者には貸さない”などとは言っていられません。
むしろ高齢者は、優良な借り手として重宝されるようになるでしょう。
なにより、日本の個人金融資産1800兆円の53%を60代以上が持っているのです」(相沢教授)
高齢者の社会的信用が高まると、老後の生活設計の選択肢は大きく広がる。
家が借りやすくなれば、マイホームを「終の棲家」と考えるのではなく、
定年後に賃貸に住み替え、自宅を売却して、まとまった手元資金をつくるという選択が容易になる。
銀行などの融資を受けやすくなれば、不意の出費が必要な時のために、
貯金を死ぬまで残しておく必要はない。
運用も手堅いだけの定期預金ではなく、投資に回しやすくなる。
人生100年時代には、「老後の資金」は守るものではなく、
豊かな老後の可能性を広げるために「戦略的に使う」という考え方が重要になる。
過去の年表を改竄することはできないが、「お金の未来年表」は、いくらでも書き換えられる。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
私は何かとプラス思考であるが、この記事を読み終わった後、
余りにも人生100年に対して楽観過ぎて、あきれ果ててしまい、微苦笑を重ねた。
①総務省の最新の家計調査報告で60歳以上の世帯の平均貯蓄額
2384万円(2017年平均)と公表されているが、一部の裕福層が突出した貯蓄を含めた額があり、
実際のサラリーマンを退職した御方の平均額は1700万円前後、と私は学んできた。
②厚労省の標準モデルでは、サラリーマン世帯(妻は専業主婦)の年金受給額は、夫婦で月額約22万円
これは標準モデルであり、多くの平均額は月額約21万円、と私は学んできた。
ましてここ10年、中高年の賃金が抑制されているので、やがて年金受給額は、減少する。
③少子高齢化の現在、これから益々高齢者が増大し、社会福祉費の年金、介護は増大されるが、
無念ながらひとり一人当たりは抑制されなければ、日本は益々衰退する。
④人生100年まで、たとえ生きられても身体が衰弱し、介護にお世話になる。
このようなことを私は瞬時に思い浮かべて、この記事は余りにもバラ色過ぎ、と思ったりした。
総務省の2006年の家計調査に於いては、
夫65歳以上、妻60歳以上の平均的な無職夫婦のみ世帯の実収入(年金を含む)は、
約21万3000円であり、支出は生活費、非消費支出を含めて27万円、差額は約5万5000円、
と報じられている。
そして多くのご家庭では、貯金を取り崩して生活されている現実である。
やがて永らえて人生100年・・と言われても、無念ながら長寿貧乏の家庭が多くなる、
と私も含めて憂いたりした。
私は現実理想派のひとりであり、健康上の問題で日常生活が制限されずに、行動できる健康寿命は、
男性72.14歳、女性74.79歳、平均寿命と健康寿命との差は、男性8.84 年、女性12.35 年
(厚生労働省平成30年「健康日本21推進専門員会」資料)、と公表されている。
そして亡くなるまでの日常生活に制限されるこの期間、
それぞれ多くの御方が自助努力をされ、何とか人に頼よる期間を克服して、平均寿命=健康寿命を目標に、
日々を過ごされている御方が多いと思われる。
その上、高齢者自身の意欲と医療の更なる向上で、平均寿命が数年伸びる中、
多くの御方が心身溌溂とした晩年期を願い、私自身も念願したりしている。