「東一排骨」(トンイーパイグゥ・ゾンディエン)
こちらは、台湾のローカルフードの一つに数えられる排骨飯が有名な老舗店。
場所は、西門駅下車。徒歩7分ほどの距離。
お店の入っている雑居ビルは、老朽化した感じがするのですが、大丈夫?
店舗は2階。階段を上り向かって左手が入口です。
するとエントランスはゲームセンターのような派手さ。意表を突かれた。
店内に足を踏み込むと、ちょうど日本語が話せる年配のスタッフさん(おばちゃん)がいて、
彼女の指示でフロアの中ほどまで足を進める。
「ここ冷房が効きます」
案内してもらった4人掛けのテーブル席に着座。
広いフロアは日本の昭和を感じさせる。
当時のゲーム喫茶、ディスコ、カラオケラウンジ、いろんなものをミックスしたような独特のムードで、
世代的に目に映るものが懐かしいなあ。
80年代の昭和が絶滅を逃れ、台湾で現役活躍しているようだ。
卓上には、紙ナプキン。使用するスプーンや箸はスタッフさんが運んでくれましたが、
テーブル下には収納スペースがあり、予備の箸、調味料、爪楊枝が納められています。
メニュースタンド。
入口には注文受付カウンターがあり、通常はこちらで済ますようなのですが、
日本人待遇なのか?テーブルで注文を受けてくれた。
もちろん、排骨は外せない。事前情報によると、魚排は魚のフライ、雞腿は鶏の揚げ物。
主食類を下まで見ていくと、麻油雞飯(麵線)というものがあった。
この中では一番いいお値段だ。
どんなものだろうか、と尋ねると、雞肉を酒で煮込んだもので、麵線をつけて食べるといった説明。
頭の中で、勝手に鶏の出汁が効いたつけ麺をイメージした。
「じゃあ、私はそれ頼んでみる」
すると、スタッフのおばちゃんが心配そうに「酒が効いているよ」と念を押す。
大丈夫、台湾の人はお酒が弱いかもしれないけれど、私は酒飲みなんだから。へっちゃら。
心の中でそう呟いていた。
麻油雞飯(麵線)160NT$
注文した料理が卓上に揃った。この時点でお会計を求められる。
左の器には、煮込んだ骨付きの鶏肉がころごろ入り、黒いものは豬血糕(豚の血を米で固めたもの)。
もっちり味です。これは抵抗なくいただけた。
(ノブロー) 取り碗もらえたで。店の人は優しいな♪ 麵線は小麦粉で作った細長い麺。
台湾の素麺だな。甘酢のガリとメンマ付きだよ。
取り分け、まずは麵線をすすりあげる。
――うわっ!!
スープは酒が強いというより、アルコール分が飛んでいない。もろに酒味。
これはもちろん酒が苦手な人にはダメだろう。
帰国後調べたところ、麻油雞(マーヨージー)は骨付きの鶏肉を酒と胡麻油と生姜で煮た
台湾家庭料理の薬膳スープ。
寒い日には身体がぽかぽかと温まって、台湾お袋の味として親しまれている料理だという。
今回のチャレンジ、おそらく店によって違いはあるのでしょうが、
あまりに酒の味がきつくハードルが高かった。
結果はおばちゃんが心配したとおりに……。ごめんなさい。
排骨飯(麵・乾麵) 130NT$
チョイスは飯で。
そのためスープ付。スープは嫌な味がせず出汁が感じられるナチュラル系。
しっかり塩も効かせているし、この味は日本人好みだわ。
排骨は台湾式のトンカツ。日本のものと比べると極限状態にぺらんぺらん。
トンカツというよりスナック菓子だよ。
しかし、これが凄く旨い!
使われている衣は店オリジナルのもので、歯を入れるとかりっと香ばしく軽快な食感。
肉も柔らかいし、ほんのりとした甘さは感じましたが、くどさはなく、
味付けがしっかりしているので食が進みます。
また、この写真には写っていませんが、下にはキュウリなどの漬物が敷かれていた。
ご飯には魯肉と付け合わせの3種(板春雨、ブロッコリー、キャベツ)。おかず力が豊かです。
魯肉は脂身部分が多く、排骨より少し甘め。
ご飯を搔き込みながら、合間にスパイスの効いた排骨で変化をつける。
味わいのトーン、食感ともに一辺倒に終わっていないのが嬉しい。
来店している地元と思しき人たちの注文を見ていても、圧倒的に排骨飯が多かった。
内容的にも人気が高いのは納得。
服務費(サービス料)はかからず、
買單は、1人当たり145NT$。 必食したい排骨飯でした。
東一排骨
台北市中正區延平南路61號
TEL 02-2381-1487
営業時間 09:30~20:30
休業日 月曜定休