「古道」はどこへ導いてくれるやら?
ハクチョウの飛来地ともなっている米沢市「千眼寺」裏の松川にその姿はなく、この古道の奥から、けたたましいハクチョウの鳴き声が響いてきます。2月とは思えない陽気で、ご近所の庭には福寿草の花が開き、田んぼに雪は無く、群れて落穂を探しているのか、早めの北帰行を促しているのか…彼らの言葉が分からないので勝手に想像するしかありません。
一昨日、置賜三十三観音の第1番札所である「上小菅観音」を訪れ、昨日は最終札所である「戸塚山観音」を訪れております。何故に?「上小菅観音」の裏手には、「置賜三十三観音」が篤志によって分祀勧請されておりまして、総てを巡った御利益がある…ならば、最終札所の「戸塚山観音」で巡礼の旅も打ち止め~とばかりに、身勝手な『ショートカット巡礼』を試みたところでありますよ^^;
まぁまぁ、冗談はこの程度にして、お目当ての観音堂より、参道と交差するこの「古道」が気になりましてね…仏教でいう「六道」の内、ただ今、煩悩で四苦八苦するという『人間道』を爆走中の『おやじぃ』は、果たしてこの古道がどこに通じているのか、誰が開いたものなのかなどと考えている。人が歩めば道ができ、歩みを止めれば道は廃れる…普段は、ほとんど使われていないであろう「古道」が、道としての形態を保っているのは、どこぞの誰かが使っているからに違いない。整備された本道ばかりが『道』ではなく、人それぞれに四苦八苦しながら、それぞれの『道』を歩んでいるに違いないなどと急に『哲学』を始めたのでありますよ。
シンプルな「米沢ラーメン」が食べたくなった!
さて、『哲学』すると腹が空く。(お昼ご飯が少なかったもの^^;)しかし、午後3時頃に営業しているラーメン屋さんなんてないんだなぁ…。シンプルなラーメンが食べられるお店を思いつくままに回り、観光センターなら…本日のラーメン販売終了!ならば、米沢道の駅なら…と『小さな巡礼の旅』の倍の距離を走ることになりましたよ^^;(鶏ガラと煮干しダシかね…イメージとチト違う。)お腹を満たして、集落の役員会(仮決算と慰労会)に臨んだのでありますが…。
はてさて、高齢化した集落で、次代を担う若者も少なくなってしまいました。春先に「精神的な不調で役員が出来ない。」と打ち明けてくれた後輩に対して、「2年間、〇役と✕役ならば、人前に出る必要もなく比較的仕事も少ない。」と陰で伝えましたところ、それならばと笑顔で承諾してくれた…やはり、長男として地元に残っている者たちは、何がしかのプライドを持ち合わせているようである。「何もやらなかった。(役を引き受けなかった。)」などと陰口を叩かれるのを承知の上で、春先の告白だったに違いない。人それぞれに、できること、できないことは存在する。古老たちが歩んできた『道』をそのまま押し付けるのではなく、歩める『道』を共に探すことも必要なのかも知れない。千年の歴史を持つという岩手県奥州市の黒石寺「蘇民祭」も今年で中止とか…人は、原風景を無くして初めてノスタルジーに浸るものではあるけれど、維持する者たちにとっては、ただ眺める人々とは違った苦労があるはずである…進むべき『道』は、ひとつではないと思う『おやじぃ』でありますよ。