峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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棋士・堀口一史座

2021年10月14日 | 将棋
棋士には魅力的な人物が多い。
前述した堀口一史座七段(46歳)もその1人。

堀口さんが日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である奨励会三段リーグ(半年を1期に全18戦行われ、上位2名が四段に昇段し、順位戦C級2組に入る)をトップの成績で抜け、プロデビューを果たしたのは21歳の時だった。

奨励会三段リーグ最終日、奨励会幹事による恒例の昇段祝賀会が行われたが、堀口さんは、それを断った。
「年齢制限規定でプロ入りを断念したり、これからも苦しい戦いを続ける仲間がいる中で、祝賀会に参加するわけにはいかない」というのがその理由だった。
なんという思いやり、なんという優しさだろう。

藤井猛九段がある棋戦の解説中、木村一基九段について、性格のいい人はタイトルを獲れない(藤井九段はタイトル獲得3期、一般棋戦優勝8回を誇る)。木村さんはよく獲ったねというようなことを話していた(木村九段の人柄の良さは棋界では周知のこと)。

木村九段は、一昨年の王位戦挑戦者決定戦であの羽生九段を降し、タイトル獲得経験のないまま7度目の挑戦を決め、豊島王位との七番勝負を4勝3敗で制し、ついに悲願のタイトルを奪取した。
この時、木村さんは46歳3か月、初タイトル獲得の最年長記録となった。

しかし、昨年の防衛戦で藤井聡太当時棋聖に敗北、失冠した。
また、今期「最後のチャンスでしょう。精一杯頑張りたいと思います」と臨んだ永瀬王座との五番勝負も1勝3敗と敗れた。

藤井猛九段の言葉は案外本当かもしれない。
木村さんの王位獲得は将棋の神様のプレゼントだったのか。

現在苦戦している堀口さんも、2001年度の朝日オープン将棋選手権の決勝五番勝負で杉本昌隆八段(現)を破り、初代チャンピョンとなり、選手権者として1期在位している。

やはり、これも将棋の神様からのプレゼントだったに違いないと言えば、堀口さんに怒られるかもしれない。
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