監督の沖田修一は弱冠31歳というが、なかなかどうしてベテランの域。
南極観測隊調理担当が書いた痛快エッセイが原作。
それぞれの観測任務を背負った隊員8人の1年半にわたる共同生活を、温かくユーモラスに綴ったハートフルな物語。限られた時空における人間の生態を明るく描いて楽しい。
しかし一方では、個人と集団、プライバシーと共同生活、人の絆とは、食とは・・・いろいろ考えさせられることも確か。
こうした人たちの仕事や経験の積み重ねが、あの若田光一さんの宇宙ステーションに結実しているのだ、と一瞬思って厳粛になる。